本展は、日本からブラジルへ渡った移民の歴史を背景に、100年にわたる記憶やつながりを、リサーチとアートを通してたどり直す企画展です。
神戸は、日本からブラジルへ向かった移民の歴史において重要な港であり、ブラジル移民約25万人が旅立った場所として知られています。その歴史的文脈をもつ海外移住と文化の交流センターを舞台に、資料や語りがどのように現在の表現へ受け継がれうるかを問います。
企画にあたっては、移住ミュージアムのアーカイブ・リサーチに加え、一般財団法人日伯協会、関西ブラジル人コミュニティCBKとの協働のもと、聞き取りや対話を重ねながら構成を進めてきました。ここで参照されるのは固定された資料だけではなく、記憶、語り、場所の感触といった複数の層です。過去は単なる記録としてではなく、アートを通して共有されます。
タイトルにある「舟」は、移動の具体的な手段であると同時に、人と人、文化と文化、過去と現在を結び直すためのモチーフでもあります。本展では、海外移住と文化の交流センターそのものを、異なる背景をもつ人びとが乗り合わせる「舟」として捉え直しました。展示空間は、記録を保存する場であるだけでなく、記憶の継承が立ち上がる場として構成されています。
参加アーティストは、築山有城、マスダマキコ、紙野永子、山下和也、山村祥子、池田圭、田岡和也、superString、edition.nord、上原真衣、潤井一壮、なかむらゆきこ、小畑亮平、浅山美由紀、大塚奈緒子。アーカイブ資料や聞き取りを手がかりに、「船」「移動」「家族」をキーワードとした作品を通して、移民の歴史を現在の視点から捉え直します。

会期中には、手あそびや折り紙などを取り入れた参加型ワークショップを予定。詳細はC.A.P.公式Instagramおよび公式サイトで随時公開します。最終日の5月24日には、関連企画として「クルージングパーティー」も開催予定です。