サンリツ服部美術館の服部一郎記念室では、1995 年の開館以来、服部一郎(1932 ~ 1987) が収集した近現代絵画の西洋絵画をご紹介してきました。このたびはそのなかから「私室」をキーワードに作品をご紹介いたします。
今日、私たちの生活において絵画は私室を彩る身近な存在となっています。しかし、ヨーロッパでは長い間絵画は誰かに何かを伝えるものという機能が強かったことから、広い空間で大勢が観ることのできる大型の作品が注文される傾向がありました。その後市民社会の発展とともに、個人宅にも飾りやすい比較的小さな作品
の需要が高まります。近代以降は画家が自らの探究心に従って制作することも増え、題材の準備が容易でじっくり取り組むことのできる静物画や、親しい人物をモデルにした作品が以前にも増して制作されました。
本展ではコレクションの作品を、個人宅での鑑賞を念頭に置いた「小型の作品」と、仕事場や私室などの「親密な空間」を描いた作品の2つの視点でご紹介いたします。これらの作品を通して、皆様の絵画作品との親密な時間に想いを馳せていただければ幸いです。