19世紀末、パリは「ベル・エポック(美しき時代)」と呼ばれる文化の黄金期を迎えました。産業の発展を背景に、美術、舞台芸術、音楽、文学など多彩な文化や芸術が花開き、市井の人々と芸術とがかつてなく近づいた時代です。その中で、装飾芸術、特に流麗な曲線や植物文様を特徴とするアール・ヌーヴォー様式が台頭します。1900年のパリ万国博覧会は、それを象徴する出来事でした。また、産業革命により印刷技術も飛躍的な進歩を遂げ、街には色鮮やかなポスターが掲げられるようになりました。
 とりわけ、チェコ出身のアルフォンス・ミュシャは優美な女性像とアール・ヌーヴォー様式の装飾を融合させたポスターを生み出し、パリの街を華やかに彩りました。ポスターは広告でありながらも芸術の新たな表現領域を切り拓いたのです。
 本展では、OGATAコレクションより、ミュシャやジュール・シェレ、アンリ・ド・トゥールーズ=ロートレックをはじめとするポスター芸術の礎を築いた巨匠たちの作品をご紹介します。世紀末パリの煌めきを伝える作品の数々をこの機会にぜひご堪能ください。