いま私たちはスマホを使って世界と簡単に繋がることができます。しかし、尾仲は「自分の足で歩き、思わぬ何かと出会い、そして感じて写真に残す」ということを大切にしています。その土地で何に反応してシャッターを切るのか分からないから写真は面白いと言います。尾仲がカメラに収めるのは、懐かしい太陽に照らし出されたもう一つの故郷ともいうべき風景です。それは土地の人々や観光客と馴れ合っている風景ではなく、遠く離れた心の故郷の反映です。それは都会では見出せない陽だまりのような記憶です。過ぎ去った遠い記憶を尾仲の写真は思い出させてくれるかもしれません。
本展は尾仲浩二の活動と成果を三つのフロアに分けて紹介します。それは、その峠、時代の流れが、上を目指しながらも螺旋階段のように同じ関心に戻ってくるものです。時間と場所を超えて浮かび上がる尾仲浩二の目を感じていただければと思います。[美術館サイトより]