大阪くらしの今昔館に寄贈された四条派の絵師・五井金水(ごいきんすい、1879–1942)約3,000点の「粉本(ふんぽん)」の中から厳選して初公開します。

粉本とは、師の絵の模写や形式を伝える手本、自然の写生、下絵などを指します。金水の粉本は修行時代から大切に保管されてきました。金水自身、そして筆法を受け継いだ弟子たちがのこした粉本には、日々重ねた研鑽の跡が感じられます。

絵師にとっての「写す」ことは単なる模倣ではなく、技術を培うとともに、「学ぶ」「受け継ぐ」「創り出す」ことの連続する営みでした。その普遍的な行為を近代の大阪で愛された絵師が遺した資料から感じていただければ幸いです。