自らの〈内なる響き〉を拠り所として抽象絵画の成立を主導し、現代芸術の大きな源流となったロシア出身の画家、ワシリー・カンディンスキー(1866-1944)。心の震えをそのまま映し出す絵画の探求は、視覚・聴覚・身体・言語などが共感覚的に連動する世界の開拓へとつながっていきます。それはひとつの感受性が各メディアを有機的に統合する現代的な表現のありようを先駆するものでした。
本展は、日本各地に広く収蔵されるに至ったカンディンスキー作品を集結させてその画業を通観する初めての試みです。カンディンスキーと日本との関係にも焦点を当て、早くも1910年代から始まった作品・理論の受容の特徴的な様相を、最新の見地からたどります。画家自身が「童話のような」「新しいロマンティシズム」と呼ぶ、深い華やぎにみちた晴朗な〈響き〉の世界をご堪能ください。[美術館サイトより]