松坂屋の歴史は、現代の百貨店に繋がる呉服店のなかで最も古く、慶長 16 年(1611)まで遡ります。伊藤家初代の祐道が、名古屋の本町で松坂屋の前身である呉服小間物問屋「伊藤屋」を開業したことに始まります。祐道は、もと武士で織田信長に仕えていましたが、信長が天正 10 年(1582)に本能寺の変で亡くなると武士を捨てました。徳川家康が命じた「清須越」によって名古屋城下に移住したのち、商人となって伊藤屋を開業しました。しかし、慶長 20 年(1615)に大坂夏の陣が勃発すると、再び武士として豊臣秀吉の遺児・秀頼が総大将である大坂方に参陣しました。伊藤屋は二代目祐基以降も順調に商いを続け、やがて御用商人の最高位である「三家衆」と称せられるようになりました。その後も業績を拡大し、江戸から明治時代にかけて京都、江戸、大阪へ店舗を増やしていきました。
本企画展では、松坂屋が所蔵する貴重な時代衣裳等とともに、松坂屋と郷土の三英傑といわれる織田信長、豊臣秀吉、徳川家康に関するエピソードについて紹介します。