19世紀末のヨーロッパで巻き起こった日本美術への熱狂「ジャポニスム」。その影響は、単なる様式の模倣に留まらず、自然を慈しみ観察する東洋の美意識との融合をもたらしました。本展では、当館および株式会社紀文が所有する貴重なガラス芸術コレクションの中から、巨匠たちが「ジャポニスム」のインスピレーションを得て制作した作品を厳選してクローズアップいたします。

特に本展で光を当てるのは、「アール・ヌーヴォー」と「ジャポニスム」の根底に共通する、自然の植物や生き物へのどこまでも優しく、緻密なまなざしです。生命の造形を単なる装飾として捉えるのではなく、その小さな命の息吹までをもガラスに写し取ろうとした巨匠たちの精神世界を、作品を通して紡ぎ出します。

江戸時代の古い町並や高山祭など、豊かな伝統文化が今なお息づく飛騨高山の地。この場所で、かつて西洋の巨匠たちが心奪われた「日本の美」を再発見することは、時代を超えた特別な鑑賞体験となるでしょう。開館以来、アール・ヌーヴォーやアール・デコ期の作品を通じて「自然と芸術の関係性」を見つめ続けてきた当館だからこそお届けできる、東西の感性が静かに響き合う場をご提供いたします。光と影、そして自然への憧憬が織りなす、美意識の交流をぜひご体感ください。