展覧会場には作者や題名が書かれた「キャプション」と呼ばれるプレートが、作品手前に掲示されていることがよくあります。中には詳細な解説付きで、作品が生まれた経緯や社会的背景、見どころを知ることができます。たしかにそれらは重要な作品情報ですが、先に読んでしまったがために、その情報にとらわれてしまった経験はないでしょうか。
 「誰々が描いたから良い作品に違いない」「画家の大変な時期の作品だったそうだから、きっとつらい気持ちが現れているのだろう」と、キャプションによって、鑑賞をする前から思い込みや偏った見方が生まれてしまうことがあります。絵画鑑賞の楽しみのひとつが作品の良さを自分の感性で見つけていくことにあるとすれば、先入観やバイアスは楽しみが遠ざかる方向に働きます。
キャプションなどの情報の「手がかり」がないことで、むしろ純粋に作品との対話を楽しんでいただくことを願った「題名の無い絵画展」は、今回が2年振り2回目の開催になります。1回目の開催以降、新たに収蔵された作品を中心に、異なる時代やジャンルから選んで一堂にご紹介します。
会場に足を踏み入れれば、しばらくは手持ち無沙汰で不安な気持ちになるかもしれません。しかしそれゆえに、感度の上がったご自身にきっと出会えることでしょう。

■会期中のイベント(参加は無料ですが、入館チケットが必要です。)
◎学藝員によるミュージアム・トーク
7月26日(日)、9月5日(土)
いずれも午後2時から約30分 事前申込不要
◎教育普及のイベント
8月9日(日) 「絵画にお手紙を書こう!」+「秘密のゲーム」
あの、お散歩企画のお姉さん学藝員による鑑賞ワークショップです。
対象:小学生以上
午前10時から11時まで 事前申込不要
◎学藝員による絵画のお話スライド・トーク
展示室にて絵画のよもやま話に花を咲かせます。毎回異なる内容となります。
9月20日(日) 第20回 博物館概論4 美術館の展覧会企画裏話
午後2時から約40分 事前申込不要