日本近代のグラフィックデザインの先駆者、杉浦非水の代表作である木版画集『非水百花譜』(1920-22年)に光を当てた展覧会を開催いたします。

令和5年(2023)、当館では、非水が妻・翠子の実家(川越)に疎開させていた資料群を初公開し、大きな反響を呼びました。中でも『非水百花譜』の原画71枚は、非水の卓越したデッサン力と自然への真摯なまなざしを物語る貴重な資料として、多方面から注目を集めました。

本展では、その後の調査で新たに所在が確認されたものを加え、全112点となった原画を初めて一堂に集め、完成版画と比較展示いたします。この112点の原画の中には、版画化されることのなかった20点以上の未発表原画が含まれます。さらに、今回初公開となる新出資料や、本作の特色である「灯影式写生図」(シルエット図)にも注目し、その構想過程や、非水デザインにおける役割を検証します。

貴重な作品が一堂に会するこの機会に、非水の瑞々しい作品世界をぜひご堪能ください。