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河本信治インタビュー「思考と創造のプラットフォーム/PARASOPHIA: 京都国際芸術祭2015」

河本信治/坂口千秋

2015年02月15日号

PARASOPHIA:京都国際現代芸術祭2015の主要プログラム

■展覧会


メイン会場 左:京都市美術館 撮影_福永一夫 右:京都府京都文化博物館 別館


□京都市美術館 (メイン会場)
1933年設立の日本で二番目に古い公立美術館。全館が会場となる。美術館入口屋外にはやなぎみわの巨大でド派手な移動舞台車が出現し、1階の大陳列室には蔡國強の竹製の塔がそびえる。岡崎公園の朱い大鳥居からやなぎみわのトレーラー、そして蔡國強の塔へのアプローチは、ある種のスペクタクルを伴う体験となるだろう。塔周辺には地元のカフェや本屋がプロデュースするパラカフェ、ブックショップも開設。また、戦後アメリカ駐留軍/占領軍に接収された記憶を持つこの美術館の歴史に言及した新作を田中功起が制作する。


やなぎみわ/Miwa Yanagi《『日輪の翼』上演のための移動舞台車》2014
写真:沈昭良

□京都府京都文化博物館 (メイン会場)
明治時代の洋風建築のディテールがそのまま残る重要文化財京都府京都文化博物館(旧日銀ビル)では、森村泰昌とドミニク・ゴンザレス= フォルステルが展示を行う。近年小説や映画の登場人物として登場し、テキストと音楽を用いて行うレクチャー/パフォーマンスのシリーズ「M.2062」を行っているドミニクが、2013年にスカーレット・オハラに扮した際、衣装を森村泰昌から借りたというエピソードがある。他では見られない独特の世界観に期待。2人による「PARASOPHIA・カンバセーション」も開催予定。


ドミニク・ゴンザレス= フォルステル/Dominique Gonzalez-Foerster
PARASOPHIA: 京都国際現代芸術祭2015 オープンリサーチプログラム03[レクチャー/パフォーマンス]ドミニク・ゴンザレス=フォルステル《M.2062 (Scarlett)》京都府京都文化博物館別館 2013年9月6日
写真:林直 提供:PARASOPHIA事務局

□堀川団地
1950年初めに建てられた日本初のRC造の店舗併存集合住宅で、老朽化に伴い再開発計画の最中にある。2014年京都市立芸術大学ギャラリー@KCUAがプロジェクト「記憶の街」を行ない話題となった。人の気配のまだ残る独特の空間に、ピピロッティ・リスト、NY在住の笹本晃、彫刻家ブラント・ジュンソーの3人が展示する。ピピロッティ・リストの作品は堀川団地の場所性を活かした小さな企画で、国際展の常連である彼女の、すこし肩の力の抜けた素顔が見られるだろうとのこと。


ピピロッティ・リスト/Pipilotti Rist
Still from Pipilotti Rist, Gigantic Pear Log, 2014. Video installation. Courtesy the artist, Luhring Augustine, New York, and Hauser & Wirth

□鴨川デルタ
スーザン・フィリップスは自転車で市内を回り、橋のリサーチを重ねて最後この中洲を会場に選んだという。鴨川の桜が美しいこの場所にどのように作品が調和するのか今から楽しみ。「15年前マニフェスタで偶然作品を見てからからずっと探していた。スタジオを訪ねてあの作品がやりたいといったら、あなたが2人目ですと言われました。(河本)」ファッショナブルな作家を選んでいるが、実は15年も前から考えていたこと。

□河原町塩小路周辺
ここで展示するヘフナー/ザックスは建築家とアーティストのユニット。ベルリンで野生化したミツバチが大発生した際、駆除するかわりに50年代の労働者住宅の10/1の巣箱をつくってミツバチをハウジングし、蜂蜜を採取して市販した。国境の元検問所の上に住んだり、美術館の仮設壁の中に部屋をつくったり、住まうことや街の歴史をめぐる建築を中心としたプロジェクトを密かに行っている。今回は芸大の移転プロジェクトを進行中の作家と出会ったことからこの地区を知り、地域のスポークスマンと直接交渉しながらプロジェクトを進めている。


■その他のプログラム

□シネマプログラム
京都府京都文化博物館フィルムシアターを会場にアジア関連のプログラムを上映。映画研究者アレクサンダー・ザルテンが選んだ1960年代から近年までの「日本映画におけるアジア」に焦点を当てたプログラムや、笠原恵実子のセレクトによる満州映画などを上映。ほかPARASOPHIA参加作家の映像作品など、20作品以上の作品が上映される。


□『Parasophia Chronicle』パラソフィア・クロニクル2013–
PARASOPHIA事務局が編集する、オープンリサーチプログラムなどの調査記録の公開を主な目的とした不定期発行の電子書籍。http://www.parasophia.jp/publications/

□PPP(Parasophia Poster Project)
文字情報がほとんどない、参加作家の作品画像をメインにしたポスター全7種類を半年にわたって希望者に毎月送付し、各自が場所を選んで貼ってその模様をSNSで発信するというポスタープロジェクト。デザインは西岡勉氏。SNS時代における広報ツールとしてのポスターを捉え直し、関係性をつくるプロジェクトへと転化させたブリコラージュ的発想による試み。http://www.parasophia.jp/ppp/
vol.1 アン・リスレゴー
vol.2 アーノウト・ミック
vol.3 アリン・ルンジャーン
vol.4 ヘフナー/ザックス
vol.5 ドミニク・ゴンザレス=フォルステル
vol.6 森村泰昌
vol.7 ウィリアム・ケントリッジ

※PPPを含むPARAPSOPHIAのポスターとチケットをご希望の方に抽選で差し上げます。詳細は「今月のプレゼント」のページをご覧ください。(上記の写真はプレゼントのポスターとは異なります)



★1——「マイ・フェイバリット―とある美術の検索目録/所蔵作品から」展、2010年3月24日~5月5日開催。河本が京都国立近代美術館学芸課長として最後の企画展。近美の収蔵目録のうち、【その他】の分類に現れる作品群に目を向け、まだ名づけようのないもの、曖昧さの中に含まれる可能性を示した展覧会。



本ページに掲載した画像は、以下の参加予定作家(2015年2月13日現在)の参考図版です。
○蔡國強 Cai Guo-Qiang
1957年中国福建省泉州生まれ、ニューヨークを拠点に活動。
○ドミニク・ゴンザレス= フォルステル Dominique Gonzalez-Foerster
1965年フランス・ストラスブール生まれ、パリとリオデジャネイロを拠点に活動。
○ピピロッティ・リスト Pipilotti Rist
1962年スイス・グラープス生まれ、チューリヒを拠点に活動。
○スーザン・フィリップス/Susan Philipsz
1965年イギリス・グラスゴー生まれ、ベルリンを拠点に活動。
○やなぎみわ
1967年神戸生まれ、京都を拠点に活動。

PARASOPHIA: 京都国際芸術祭2015

会期:2015年3月7日(土)〜5月10日(日)
会場:京都市美術館/京都府京都文化博物館/堀川団地(上長者町棟)/京都芸術センター/河原町塩小路周辺/鴨川デルタ(出町柳)/大垣書店烏丸三条店 ショーウィンドー
京都市左京区岡崎円勝寺町124京都市美術館(岡崎公園内)ほか/Tel. 075-257-1453(PARASOPHIA事務局)
Twitter: https://twitter.com/parasophiaPR/
Instaagram: http://instagram.com/parasophia/

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  • 河本信治インタビュー「思考と創造のプラットフォーム/PARASOPHIA: 京都国際芸術祭2015」

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