村田 真
原 久子
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原田の森の玉手箱――
最後のコレクション大公開
水晶の塔をさがして
monthly party 高嶺格
hide and seek
ヘリ・ドノ展
アーカスプロジェクト2000
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原田の森の玉手箱――最後のコレクション大公開
9/23〜11/5
兵庫県立近代美術館
兵庫県立近代美術館のコレクション展。一旦休んでいたが、継続して行なわれているアニュアル展の「アート・ナウ」で収蔵された作品の一部は、収蔵以来はじめてお蔵から出されたものだったようだ。竜宮城の玉 手箱は、蓋を開くと浦島さんはおじいさんになってしまったが、この部分は一致しなくてよかった。だが、あくまでも広汎に、どこまでもさらりと、そして悲しくもビンボー臭くつくられた展覧会だった。
[11月5日(日) 原久子]
水晶の塔をさがして
10/7〜11/5
福岡市美術館
「水晶の塔」とは、「自分にとって大切なもの」が結晶化した状態をいう。それが外に向かって開かれ、ほかのだれかの共感を呼ぶことが、この展覧会のめざす方向らしい。出品作家は大森裕美子、小林健二、佐々恭子、平田五郎、松尾藤代の5人で、それぞれ大きなスペースを当てがわれている。テーマも出品作家もあまり興味ないが、力のこもった展示であり、見ごたえがあった。「ミュージアム・シティ」の穴を埋めておつりがくるくらい。いや、こっちがメインで「ミュージアム・シティ」がサイドディッシュだ。比べるもんでもないけどね。
[11月5日(日) 村田真]
monthly party 高嶺格
11/10
SUMISO
[大阪]
鬼才というか奇才というか、「この男」(とあえて呼ばせてもらう)は、スゴイ奴だと思う。みんなの前でトークをするのかと思いきや、縦2.5mくらいにプロジェクションされる映像のなかに顔だけで登場して、自己紹介となぜパフォーマンスをはじめたかなどを話してくれた。工芸を大学で専攻したが、構想してから作り上げるまでの間にやりたいことが変わっていってしまうことに疑問をもった。そこで、表現したいことをその場ですぐ表わせるパフォーマンスに興味をもったという。ダムタイプを経て、
IAMAS
に学生として入学。映像などを学び、卒業後は国内外の発表で忙しくしている。もうすぐまたイスラエルへ行くとか。
[11月10日(金) 原久子]
hide and seek
11/3〜12
SUMISO
[大阪]
graf、三苫かほる、田中栄子、稲垣由起子の4組のコラボレーション展。grafはグラフィックデザインなどをやっているユニット。三苫はプラスティックの玩具等を用いて立体作品をつくる。田中はもともと版画をやっていたが、最近はペインティング。稲垣は版画をやっている。そんなどうやって結びついたかわからないようなメンバーが、面白い作品をつくった。SUMISOという倉庫に白い壁をたててブースをいくつもつくったスペースの場所性をうまく活かした作品だ。梯子のうえからの眺めはいつものSUMISOとはまったく違っていた。
[11月10日(金) 原久子]
ヘリ・ドノ展
10/14〜11/18 国際交流基金フォーラム[東京]
絵画、インスタレーション、映像、パフォーマンスと多彩な作品を見せるインドネシアの作家。シュルレアリスムから抽象表現主義への移行期を思わせる絵画には、たしかな才能を感じさせるものがある。しかも土俗的なモチーフに現代の政治社会を交錯させ、説得力がある。それに比べて、動くインスタレーションのほうはどうかと思うが。実際、動いてないものもあったし。「すぐ故障する」とスタッフのひとりは嘆いていた。
[11月11日(土) 村田真]
伝統文化を媒体として、作家がとらえたインドネシアの政治や社会の現状を表現した作品。歯の浮くような言葉で言ってしまうと、人類への愛を感じる作品だ。
[11月16日(木) 原久子]
アーカスプロジェクト2000
9月〜2001年3月 アーカススタジオ[茨城]
雑誌の取材のため、講義が終わってから向かう。アーカススタジオのある守谷町は取手の隣町なのに、芸大からバス、電車、タクシーを乗り継いで行かねばならず、1時間近くかかった。台湾から来たワン・テユはスタジオの壁にトイレットペーパーを貼りつけ、フランスのディディエ・トレネは畑に長ネギを植え、眞島竜男はセルフポートレートの「美人丸」を巨大な彫刻に移し換え、アメリカのブラッド・ブラウンはチャンス・オペレーションで制作している。いい若者が昼間っから、なーにやってんだか。この無意味な試みが田舎の町にどんな意味をもたらすのか、10年後が楽しみである。
[11月13日(月) 村田真]
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