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2017年01月15日号のバックナンバー

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フォーカス

わたしたちのビエンナーレ
──コチ=ムジリス・ビエンナーレが示すアートのかたち

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[2017年01月15日号(黒岩朋子)]

 アラビア海に面した南インドのケーララ州。その主要都市であるコーチンは、首都から3000キロ近く南下した風光明媚なところにある。同市はコーチ、コチともよばれる観光地で知られるが、同地で南アジア最大の国際展が開かれるまでは、美術関係者にとって耳慣れない地名であった。数回の開催で、その存在が国内外に浸透しつつある、コチ=ムジリス・ビエンナーレ(Kochi-Muziris Biennale: KMB)についてレポートする。

12人の移動するアーティスト

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[2017年01月15日号]

2016年は新しい芸術祭がいくつもスタートし、芸術祭が乱立した年だと記憶されるでしょう。多くの来場者をカウントした一方で、芸術祭を開催する意義や必要性、方法についてもさまざまな問題提起がなされました。 2017年初頭のフォーカスは、芸術祭での制作や出品のみならず、国内外のいくつもの場所を移動しながら活動しているアーティスト12人に「移動」をテーマにアンケートを行ないました。この一年、アーティストはどこで何を見つめ、何に耳をすませていたのでしょうか。そこにはアートと旅の関係の原点に立ち返る出来事がありました。

キュレーターズノート

この世界の在り方

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[2017年01月15日号(中井康之)]

生誕80周年 澤田教一:故郷と戦場

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[2017年01月15日号(工藤健志)]

 展覧会において入場者数や収入など目に見える結果ばかりが求められる現在、綿密な調査研究のもとに確固たるコンセプトを組み上げ、隅々まで細かな配慮の行き届いた構成による展覧会を見ると、とても清々しい気持ちになる。派手な展示装飾もなく、空間を埋めることを目的とした賑やかしの仕掛けもなく、むしろ愚直なまでに個々の作品とその連なりによって作家の本質に迫ろうとする。そんな展覧会が「生誕80周年 澤田教一:故郷と戦場」であった。

「大地に立って 空を見上げて 風景のなかの現代作家」、「フードスケープ 私たちは食べものでできている」

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[2017年01月15日号(住友文彦)]

 この日は別の場所に立ち寄ったため、いつも群馬県立館林美術館に行くときに通る国道とは別のルートでこの展覧会を見に行った。その道沿いには畑や林が並び、その間には少し古い住宅が点在していた。住居が密集する場所は少なく、畑で土を耕す作業や冬野菜の手入れをする農家の姿が目につく以外に、歩く人の姿はほとんど見ない。コンビニやチェーン店なども少ない。

人権週間ギャラリー展「いのちのあかし」絵画展/「被災作品公開コンディションチェック展」

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[2017年01月15日号(坂本顕子)]

 懐かしい豚の絵と久しぶりに「再会」した。京都駅にほど近い、東本願寺しんらん交流館で開催中の「いのちのあかし」絵画展でのことである。同展には、国立ハンセン病療養所菊池恵楓園(熊本県合志市)の入所者でつくる絵画クラブ「金陽会」の作品45点が並び、会場の正面では、大山清長さんの愛嬌のあるちょっととぼけた表情の《奄美の豚》が出迎えてくれる。

デジタルアーカイブスタディ

創造経済とデジタルアーカイブ
──文化が経済成長の源泉となる時代

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[2017年01月15日号(河島伸子)]

 文化経済学者が展望する文化と文化資源の風景、またデジタルアーカイブとはどのような世界なのだろう。文化と経済の関係、文化政策を研究し、「文化は経済発展の源泉」と語る『コンテンツ産業論』の著者でもある同志社大学経済学部教授の河島伸子氏に、文化と経済のプラットフォームとしてのデジタルアーカイブについてご執筆いただいた。2017年には、「デジタルアーカイブ推進コンソーシアム」が発足される。文化にも経済にも寄与するデジタルアーカイブを、どのように活用すればライフラインとして実社会へ役立つものとなるのだろうか。

アート・アーカイブ探求

下村観山《春雨図屏風》──かすかなるものの力「木下長宏」

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[2017年01月15日号(影山幸一)]

artscapeレビュー

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