大阪・SUCHSIZEの冬展として、「Unnamed hours」が開催されます。
現代アートを革新した巨匠、マルセル・デュシャンが提唱した「アンフラマンス」。「極薄」を意味するデュシャンの造語である「アンフラマンス」は、物質と非物質、存在と不在といった相反する境界にある微妙な気配や瞬間的な現象を表現するために用いられています。
本展では、時間の経過そのものを絵に留めようとする試みを通じて、画中にアンフラマンスの現象をつなぎ止めるアーティスト木下令子を紹介し、彼女の作品を通して私たちの無自覚な感覚にふれる機会をもちます。木下の作品では、スプレーガンを用いて霧状に吹き付けた絵具が、折り目やしわなどの刹那の表情を描き、支持体の経年変化や光象記録とともに、作品の内に時を紡ぎつづけます。
<木下令子>
1982年熊本県生まれ、2009年武蔵野美術大学大学院 造形研究科美術専攻油絵コース修了。東京都在住。「うつろう時間の経過を絵にすることはできるだろうか」という問いを軸に、日焼け・感光・移動といった現象を取り込みながら、手で描かれざるイメージを探求する。筆を使わず、紙や布の折り目や質感を意図的に取り込み、スプレーガンで霧状のアクリル絵具を吹き付ける技法で絵画を制作。作品によっては、制作後も環境に応じて変容し続けるものもあり、捉えきれない事象や事実に迫る試みを行なっている。
関連イベント
■木下令子トークイベント
日時|3/29(土)16:00〜17:30
会場|SUCHSIZE
参加費|無料 *先着15名
会期:2025/02/07(金)〜2025/03/29(土)のうちの金・土曜
会場:SUCHSIZE(大阪府大阪市西成区山王1-6-20)
開館時間:13:00〜18:00
入場料:無料
出展作家:木下令子
主催:SUCHSIZE
公式サイト:https://www.suchsize.com/blog/2025/02/01/090805