【東京】公開制作89　手嶋遥「まだ見ぬ、小さな山について」

府中市美術館にて、2000年の開館当初から開催されているアーティストによる公開制作。第89回は、日本画家・手嶋遥の公開制作が行なわれます。

手嶋の制作は、自然を歩き回り、何枚もの小さな風景スケッチを描くことから始まります。こまかに震える水面や揺らめく植物の影などが何層にも重なって1枚になった作品は、刻々と移りゆく長い時間や、彼女がそこにいたであろう静かな気配を感じさせます。

今回の公開制作では、府中市美術館のちかくにある浅間山が描かれる予定です。住宅街のなかの小さな山で過ごす時間が、木々の間に浮かび上がる空間や枝先の繊細な造形として表現されるでしょう。作家が制作のなかで初夏の山と向き合った時間が作品となり、来場者は山の中にひとりになって初めてみることのできる風景を画家の視点から体感することができそうです。

手嶋遥
1992年山口県生まれ。武蔵野美術大学大学院造形研究科美術専攻日本画コース修士課程修了。地形環境や風土に関心を持ち、様々な土地を歩く体験を日本画材を用いて作品にしている。主な個展に、「日読｜Almanac」府中市美術館市民ギャラリー（2020）、「あめつち｜Wetland」ギャラリーなつか（2021）、「風配図｜Wind Rose I 2」コートギャラリー国立・多摩信用金庫地域貢献スペース（2023）などがある。

公開制作
日時｜4/20（土）、4/24（水）、4/28（日）、5/3（金祝日）、5/4（土祝日）、5/5（日祝日）、5/22（水）、5/26（日）、6/1（土）、6/9（日）、6/15（土）、6/19（水）
＊いずれも12:00〜17:00

作品展示
日時｜6/22（土）以降は、完成作品と近作を展示公開します。
6/22（土）、6/23（日）、6/29（土）、6/30（日）、7/6（土）、7/7（日）
＊13:00〜17:00は当館普及員によるガイドがあります。
＊その他の時間はガラス越しにご覧になれます。