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Art Flash News
2008年6月9日掲載
原 広司講演会:「小さな建築」としての住居
「小さな建築」は、アルド・ロッシの概念である。この概念には、位相幾何学(トポロジー)を感じさせる響きがある。私は、このレクチャーで、数学の話をするつもりはない。私は、「大きな建築」のいくつかもつくってきた。この経験から、「大きな建築」と「小さな建築」の共通するところを話題にしたいのだ。このとき、トポロジーは、「大きな建築」と「小さな建築」との橋わたしをする。何故なら、トポロジーは、延ばしたり縮めたり、整えたり歪めたりする幾何学であって、形態のうえでは、「大きい」「小さい」を同等に扱うからである。
今日、建築は、高度資本主義下にあって、厳しい状況に置かれている。そうした状況下で、建築の幾何学的性格のみをとりあげて語るとすれば、私たちは、高度資本主義とは全く別なところで、建築を定立することができる。表現を変えれば、建築を本来の建築の地平にもどすことができる。
こうした、いわば建築至上主義は、建築を社会から切り離す操作である。従って、建築が社会的な存在であるからには、危険な試みであるにはちがいない。
しかし一方、幾何学はすべての人が共有すべき論理の体系なのである。資本主義が勝つか、幾何学が勝つか、その戦いの現場が建築なのである。この重要な問題を、「小さな建築」で検討したいと思う。
(原 広司)
会場
国士舘大学世田谷キャンパス 中央図書館B1F多目的ホール
日程
2008年6月21日(土)
時間
開場=16:00/開始=16:30/終了=18:00
入場料
無料(要予約)
*申し込み方法:
メールまたは電話の申し込みに限ります。
電話の場合:下記の電話番号にてお申し込みください。
メールの場合:下記のメールアドレスに氏名、職業、性別を明記の上、お送りください。
問い合わせ
03-5481-3287/lecture_kokushikan08@yahoo.co.jp
(国士舘大学理工学部建築学系 南 泰裕研究室)
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