村田真/酒井千穂 |
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11/9 |
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モーリス・ルイス──秘密の色層
9/13〜11/30 川村記念美術館[千葉] |
驚き1。あとでチラシを見直してみると、出品作品はたった16点しかない。大作が多いせいか、その倍以上は見た気分。しかも、ルイスが秘密裡に制作していたという小ぶりな部屋まで再現されていて、けっこう充実感がある。驚き2。出品作品の大半が国内の美術館の所蔵作品だということ。おそらく20年ほど前のバブルのころ、日本の美術館も現代美術に触手を伸ばし始め、しかも抽象表現主義がまだ高騰していない時期に購入されたものに違いない。当然ベスト作品はアメリカが持ってるはずだから、この展覧会だけでモーリス・ルイスを評価していいのだろうかという疑問は残る。
[11月9日(日) 村田真] |
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むこうのさくら「星空交換プロジェクト」
10/24〜11/9 佐倉市立美術館[千葉] |
「むこうのさくら」は、北海道在住のアーティスト磯崎道佳が、たまたま千葉県と北海道に「佐倉」という同じ地名があることに気づき、アートをとおしてふたつの地域の交流をしようと発案したプロジェクト。今回は、この夏に北海道士幌町立佐倉小学校で制作した星空ミラーボールを、千葉県佐倉市立美術館で投影している。また、それぞれの佐倉でつくられた「はなサイコロ」を交換して転がそうという計画もある。最終的にどうなっていくのだろう。合併したりして。
[11月9日(日) 村田真] |
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佐藤事 展
10/24〜11/24 佐倉市立美術館[千葉] |
美術館の2階でやってたのでついでに見た。「桜・暴走……」じゃなくて「佐倉・房総ゆかりの作家たち」というシリーズ。佐藤さんは戦後、佐倉の中学校で教え、退職後は佐倉美術協会会長を務めた人らしい。作品は表現主義的な半具象に始まり、フラットな原色の抽象に移り……とここまではよくあるパターンだが、いきなりカエルが戯れるさまを博物画のように描いたりして、ちょっと予断を許さない展開に。でも内容の変化にもかかわらず、作品のサイズがほぼ変わらないところが公募団体展系の習性というか。
[11月9日(日) 村田真] |
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小山利枝子 展──変容する命の花
11/1〜9 さわやかちば県民プラザ[千葉] |
佐倉から船橋経由で柏へ、柏からまたなんでこんな人の来ないような遠いところに公共施設をつくらなけりゃいけないんだ、なにが「さわやかちば」だと怒り狂いたくなるような人外魔境の地へと雨のなかバスに揺られる。でも来てよかった。小山の20年におよぶ作品の変遷が一望にながめられるのだから。初期のころのジョージア・オキーフばりの花の絵が、次第に噴出するマグマのように融解し、現在の気化したようなエフェメラルな花へと移り変わっていく。それは、絵具と筆が自由を獲得して闊達な境地にいたる過程のようにも見える。絵画そのものを見る喜びだけでなく、絵画の自律的な歩みをたどる喜びも感じられるのだ。
[11月9日(日) 村田真] |
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飯田竜太──永遠なる同等物
11/8〜12/13 Takuro Someya Contemporary Art / TSCA[千葉] |
なにが「さわやかちば」だで落ち合った染谷卓郎氏と、彼の運営するTSCA(タクロウソメヤコンテンポラリーアート)へタクシーを乗りつける。工場だったか倉庫だったかを改装したもので、約420平米あるという。さすが柏くんだり、余裕の物件だ。飯田は古本や地図を切り刻み、紙媒体による知の形式に裏技をかけてみせる。楽しいコンセプチュアルアートといった趣だ。会場がこれだけ広いと、ある程度まとまった仕事が見せられるので、見に行くほうも納得。
[11月9日(日) 村田真] |
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「フレッシュ」山本努×竹内公太
11/8〜11/13 R2[千葉] |
柏のビルの空室にオープンしたオルタナティヴスペースで、週替りで行なわれるグループ展。バブルの時期に生まれた20代前半の芸大生が中心のようだ。そういえば竹内は、今年初めの芸大先端の卒展のときに村田真賞を勝手に授与した覚えがある。今回もダミー人形をあっちこっち連れまわしたらしく、あいかわらず世間を騒がせておるな。
[11月9日(日) 村田真] |
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柏のまちでトビヲちゃんを探そう!
11/1〜30 かしわインフォメーションセンター[千葉] |
「トビヲちゃん」は竹本真紀の考案した物思いにふける性別不明のキャラ。そのトビヲちゃんが柏の街に出没しているそうだが、残念ながら時間がなく、インフォメーションセンターのおばちゃんの案内で2〜3点拝見。今日は疲れたわい。
[11月9日(日) 村田真] |
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