現在「開館10周年記念VISION II 豊田市美術館のコレクション 1995―2005」を開催している。ちょうど開館10周年を迎えた今年度に、これまで収蔵してきた作品を全館でみせようという企画である。この展覧会にあわせて、「私が選ぶ〈この1点〉」というイベントも行なわれており、展示作品に付けられた番号で人気投票を行なう。美術作品についての嗜好は人ぞれぞれ尊重されるべきで、人気投票的なことに意味があるのだろうかと個人的には思うのだけれど、さてその現時点での結果はというと、1位はソフィ・カル《盲目の人々》、2位はグスタフ・クリムト《オイゲニア・プリマフェージの肖像》である。最終的な結果は6月末に出ることになるが、大方の作品はかなり票が分かれており、やはり人々の美術に対する嗜好が画一化されないところが面白いと感じる。