発掘された日本列島2006
文化庁の統計によると、毎年数千件に上る発掘調査が行なわれ、膨大な数の遺跡や遺物が出土しています。しかし一般にはなかなか報道以上の情報を知る機会はありません。本展は、近年、日本全国で発掘された話題の考古資料を一堂にご紹介するもので、江戸東京博物館を皮切りに、九州国立博物館、新潟県立歴史博物館など2007年2月まで日本全国7カ所を巡回します。
本展で、最も注目すべき、遺跡をいくつかご紹介すると、国内最大級となる総重量400キログラムの石人(武人をかたどった石の埴輪)が完全な形で発掘された鶴見山古墳(福岡県八女市)、多数の形象埴輪が発見され大和政権の祭祀を採用していたと考えられる百足塚(むかでづか)古墳(宮崎県新富町)、北部九州の沿岸防衛のために甲斐国(現山梨県)から集められた防人(さきもり)に関する木簡が出土した中原遺跡(佐賀県)などが挙げられます。
さらに、本年は「遺跡でたどる国際交流」でテーマ展示を行ない、出土品から、周辺の国や地域との交流の影響を受けた日本列島の文化を展望いたします。また、東京会場(当館)の地域展示コーナーでは、下布田(しもふだ)遺跡出土の土製耳飾り(国指定重要文化財)をはじめとする、江戸東京たてもの園所蔵の考古資料をご覧になれます。考古ファンならずとも必見の展覧会です。 |
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