なんだろう、このやるせない空しさは。なにげない日常風景を撮った写真はそれなりに高質で見ごたえがあるが、それをものものしく額装して「タブロー」と称する高慢なセンス。まあこのあたりがフランス現代美術の鼻もちならない「フレンチ ・スタンダード」なのかもしれないが。それにしても、これほど空しい展覧会を企画した横浜美術館の蛮勇には敬意を表する一方、横浜市民ならずとも美術館の将来が心配になる。 [7月27日(土) 村田真]