トーキョー・アート・ ジャングル
展覧会場には作品がひとつ。2つの壁に挟まれたコーナーからムクムクと煙が盛り上がったような造形に突起がいくつも出ている。マンガのなかで出てくる爆発のシーンをそのまま立体に表現したもの。遊園地にある乗り物やフィギュアのようにツルツルの仕上げで、色づかいもチープな感じで、とても演出されている。そういえばポストカードにあった写真はウルトラマンなどに出てくる爆発シーンの映像の1コマだったことを思い出した。アーティストがその場にいればいろいろ話も聞きたいところだが。観た目だけだと「で?」って感じ。 [8月16日(金) 原久子]
ホテルオークラに来たついでに寄る。それにしても「飾り」とは、なんと飾り気のないタイトル。だいたい日本の古美術なんてすべて「飾り」みたいなもんではないか。実際、展示は屏風から能装束、漆芸、香道具までなんでもあり。漫然とながめていたら、「扇面流図」と「扇面散らし図」の屏風に目が止まった。屏風に扇子が描かれているのだが、その扇子にも絵が描かれているので一種の画中画ともいえる。だが、興味深いのはそれだけではない。屏風は風をさえぎる調度品で、扇子は風を送る道具。どちらも折りたたんでしまえる実用品ながら、その表面に絵を描くことで美術品にもなる。つまりここには、折りたたみ式の実用品兼美術品が二重に折りたたまれているというわけ。 [8月17日(土) 村田真]
せっかく会期中フリーパスとなるTシャツを購入したのに、まだ今日で2日しか参加していない。初日とはホワイエの様子も、2階の2つの展示室の様子もガラリと変わってしまった。毎日2時からのパフォーマンス、この日は、絵具を入れた穴の開いた缶を天井から紐で吊るし、その回転にともなって描かれてゆく軌跡を床に残していくという行為だった。おみやげの作品もしっかりもらって帰る。夕食を一緒にした企画担当の学芸員・山本淳夫氏は肉体的には疲れているかもしれないが、そんな素振りもみせずに清清しい顔をしてビールを飲んでいた。明日のパフォーマンスに使いますねん、と言ってクルマの後部座席にトイレットペーパーの徳用パックを載せていた。 [8月17日(土) 原久子]