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展覧会レビュー

村田真 原久子

「いのちを考える 中辻悦子と中学生たち」
8/10〜9/1 伊丹市立美術館[兵庫]
 
 
いのちを考える
いのちを考える
夏休みは、美術館の催しも小中学生を対象とした教育普及的な内容が増える時期だ。こちらの展覧会もそのひとつ。昨年から引き続き「いのちを考える」というテーマでの企画。ワークショップの参加者は伊丹市内の中学生36名。生命誌博物館(高槻市)への見学で科学者の視点から、美術家の中辻からはアーティストの視点からの発言を聞き、「いのち」について考える機会を彼らはもった。そして、自身の主張を、中学生たちが言葉ではなく造形を通して発表していった。
[8月13日(火) 原久子]
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タナカノリユキ展
  8/6〜30 ギンザ・グラフィック・ギャラリー[東京]
 
 
タナカノリユキ展
グラフィック、空間造形、映像、パフォーマンスなど多領域で活躍するタナカノリユキは今回、「OUT OF DESIGN」「OUT OF CONTROL」を標榜する。でも作品も展示もきわめて美しく制御されていた。
[8月15日(木) 村田真]
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  トーキョー・アート・ジャングル
  8/13〜15 東京国際フォーラム
 
 
トーキョー・アート・ジャングル
東京国際フォーラムのホールやロビー、会議室などを使って繰り広げられる展覧会。音楽ありパフォーマンスあり食ありファッションあり映像ありのナウなヤングのエベントで、わしらついていけへんわほんま。
[8月15日(木) 村田真]
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  金魚と杯洗
  7/12〜8/18 東京国際フォーラム・エキジビション・スペース
 
 
金魚と杯洗
東京国際フォーラムの1階では、打って変わってジジくさい趣味の展覧会が開かれている。杯洗とは、宴席で酒を酌み交わすさいに杯をすすぐための器。江戸後期から専用の杯洗がつくられ、明治に入ると金魚の文様が描かれた杯洗が登場したという。ちょうどドンブリくらいの大きさで、コレクター心理をくすぐる風流なアイテムだ。あわせて、金魚を描いた幕末の浮世絵も展示。それにしても、一昨年は銅金裕司による金魚プロジェクト、昨年は田名網敬一の金魚博覧会を開いたエキジビション・スペースは、いったいなにを考えているのやら。
[8月15日(木) 村田真]
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田中功起展
7/13〜9/7 オン・ギャラリー[大阪]
 
 

展覧会場には作品がひとつ。2つの壁に挟まれたコーナーからムクムクと煙が盛り上がったような造形に突起がいくつも出ている。マンガのなかで出てくる爆発のシーンをそのまま立体に表現したもの。遊園地にある乗り物やフィギュアのようにツルツルの仕上げで、色づかいもチープな感じで、とても演出されている。そういえばポストカードにあった写真はウルトラマンなどに出てくる爆発シーンの映像の1コマだったことを思い出した。アーティストがその場にいればいろいろ話も聞きたいところだが。観た目だけだと「で?」って感じ。
[8月16日(金) 原久子]

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及川正通illustration原画展
7/27〜8/19 渋谷パルコ・スクエア7[東京]
 
 
及川正通illustration原画展
1975年から27年間の『ぴあ』の表紙絵を展示。といっても全部で1000点近くになるので、そのうち150点ほどを額装し、その下に全作品の縮小コピーを帯状に並べている。会場入口にあった及川さんと矢内社長の昔話を読み、感慨にふけりながら見ていたが……あれ?なんか変だぞ。よく見たらこれ、原画じゃないじゃないか。インクジェットだかなんだか知らないけれど、きわめて精巧なプリントではないか。そもそもキリンプラザ大阪での「原画展」(7/5〜8/5)と会期がダブっていたので、なんで2カ所で同時に原画を展示できるのか、変だとは思っていたのだが。たしかにこれらは複製を前提に描かれた「イラスト」だし、イメージを伝えるにはこれで十分っていうか、むしろ原画よりこっちのほうが見映えがいいかもしれない。でも「原画展」と銘打ちながらプリントを展示するのはいかがなものでしょう、矢内さん。
[8月16日(金) 村田真]
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現代に輝く昭和の油絵 巨星5人の傑作65
8/3〜25 ホテルオークラ「曙の間」[東京]
 
 
現代に輝く昭和の油絵
毎年恒例のチャリティ・イヴェント「秘蔵の名品アートコレクション展」、今年は安井曽太郎、梅原龍三郎、坂本繁二郎、岡鹿之助、小磯良平の5人展。彼らの共通点はいずれも明治生まれで20世紀前半に渡仏し、帰国後は日本独自の洋画を模索し、20世紀後半に死んだこと。この「日本独自の洋画」という視点でいえば、もっとも成功したのは安井であり、以下は前述の順だ。安井こそ「日本・昭和・洋画」の頂点だと思う。
[8月17日(土) 村田真]
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  飾り
8/1〜9/26 大倉集古館[東京]
 
 
飾り

ホテルオークラに来たついでに寄る。それにしても「飾り」とは、なんと飾り気のないタイトル。だいたい日本の古美術なんてすべて「飾り」みたいなもんではないか。実際、展示は屏風から能装束、漆芸、香道具までなんでもあり。漫然とながめていたら、「扇面流図」と「扇面散らし図」の屏風に目が止まった。屏風に扇子が描かれているのだが、その扇子にも絵が描かれているので一種の画中画ともいえる。だが、興味深いのはそれだけではない。屏風は風をさえぎる調度品で、扇子は風を送る道具。どちらも折りたたんでしまえる実用品ながら、その表面に絵を描くことで美術品にもなる。つまりここには、折りたたみ式の実用品兼美術品が二重に折りたたまれているというわけ。
[8月17日(土) 村田真]

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  堀尾貞治展 あたりまえのこと
7/20〜9/1 芦屋市立美術博物館[兵庫]
 
 

せっかく会期中フリーパスとなるTシャツを購入したのに、まだ今日で2日しか参加していない。初日とはホワイエの様子も、2階の2つの展示室の様子もガラリと変わってしまった。毎日2時からのパフォーマンス、この日は、絵具を入れた穴の開いた缶を天井から紐で吊るし、その回転にともなって描かれてゆく軌跡を床に残していくという行為だった。おみやげの作品もしっかりもらって帰る。夕食を一緒にした企画担当の学芸員・山本淳夫氏は肉体的には疲れているかもしれないが、そんな素振りもみせずに清清しい顔をしてビールを飲んでいた。明日のパフォーマンスに使いますねん、と言ってクルマの後部座席にトイレットペーパーの徳用パックを載せていた。
[8月17日(土) 原久子]

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