日韓現代美術展「イレブン・イレブン」にあわせて企画された展覧会。孔の作品は1997年の光州ビエンナーレに出した、上半身と手足をマルチスライドで連続投影してイモムシのように動かす映像インスタレーションが印象に残るが、今回はイモムシではなく鳥が都会の上空を舞うような設定だ。驚くのは、使用する40台ものプロジェクターが手づくりで、しかもコンピュータで制御せず、タイマーで連動させるというローテクなこと。一方の三田村は写真、オブジェ、音を使った一見ありがちなインスタレーション。だが、ひと昔前の写真やピアノ教則本、バイエルの演奏音などが見事に一体化していて、作者の誘導する地点に心地よく着地させてくれる。企画者は、作家を選んだあとテーマの「Not
so Smooth」を導き出したというが、別にテーマなどなくても十分。 [8月15日(木) 村田真]