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展覧会レビュー

村田真 原久子

下重佳世展
7/23〜8/17 セゾンアートプログラム・ギャラリー[東京]
 
 
下重佳世展.
相変わらず色も形もシロート臭さの残るペインティングだが、それを10年も続けているとそういう戦略だったのか、とも思えてくる。そうでなくても、そのシロート臭さがかけがえのない個性にすら見えてくるから不思議だ。継続は力なり。
[8月1日(木) 村田真]
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野口里佳「水をつかむ」
  7/8〜8/8 ギャラリー小柳[東京]
 
  大型の黄色いショベルの口を海の中につっこんで、海底から何かを浚おうとしている。水面に上げた口の隙間から大量にこぼれ落る水。「雲をつかむ」というのは、つかみどころがない、という意だが、「水をつかむ」というのはまた違ったニュアンスを私たちに伝える。この写真を観ていて、つかんでもこぼれ落ちてゆくということへの歯がゆさではなく、雄々しさを感じてしまうのは何故だろう。メインの部屋の奥の小部屋にあった「中心にむかう」というシリーズは大地で逆立ちする女性の写真を展示。個人的にはこの小さめのプリントの写真のほうにより魅力を感じた。
[8月3日(土) 原久子]
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  Not so Smooth 三田村光土里×孔成勳
7/23〜8/15 資生堂ギャラリー[東京]
 
 

日本では初めての発表となる孔成勳は韓国のアーティスト。数十台のスライドプロジェクターを用いて、軽妙でコミカルな身体の動きを見せてゆく。三田村の作品《バイエル》は、BGMとしてピアノの流れるなか、その時代を蘇らせるようなデザインの靴やスーツ、バッグなどが写真とともにインスタレーションされたもの。ピアノを子どもの頃習った1960年代生れの日本人は多いはず。同世代の者にとっては懐かしさを感じるが、例えば80年代生れの今の大学生達にはどんなふうにこの作品は響くのだろうか。
[8月3日(土) 原久子]

 

Not so Smooth
左:三田村光土里 右:孔成勳
日韓現代美術展「イレブン・イレブン」にあわせて企画された展覧会。孔の作品は1997年の光州ビエンナーレに出した、上半身と手足をマルチスライドで連続投影してイモムシのように動かす映像インスタレーションが印象に残るが、今回はイモムシではなく鳥が都会の上空を舞うような設定だ。驚くのは、使用する40台ものプロジェクターが手づくりで、しかもコンピュータで制御せず、タイマーで連動させるというローテクなこと。一方の三田村は写真、オブジェ、音を使った一見ありがちなインスタレーション。だが、ひと昔前の写真やピアノ教則本、バイエルの演奏音などが見事に一体化していて、作者の誘導する地点に心地よく着地させてくれる。企画者は、作家を選んだあとテーマの「Not so Smooth」を導き出したというが、別にテーマなどなくても十分。
[8月15日(木) 村田真]
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  レイモンド・ペティボン
  東京オペラシティアートギャラリー
 
  「9.11」テロ事件関係の一連の事柄にインスパイアされて描いたドクメンタの出品作が素晴らしかったペティボン。6月末に本人が来日して描いたという全長30mのウォール・ペインティングを観るために再びオペラシティへ。大きなチューブ状になったブルーの波に乗るサーファーがぽつんとひとりという構図も心憎いものだった。
[8月3日(土) 原久子]
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  モンゴル近代絵画展
  7/20〜9/8 東京ステーションギャラリー
 
 
モンゴル近代絵画展
福岡アジア美術館の黒田雷児氏によると、モンゴル国内でも開かれたことのない世界初のモンゴル近代絵画展だそうだ。そのアジア美術館が主催する「アジトリ」でもモンゴルの作品はほとんど記憶にないが、こうしてまとめて見るとけっこうおもしろい。展示は19世紀の「タンカ」と呼ばれる仏教絵画に始まり、20世紀初頭の「モンゴル画」、ソ連の影響を受けた社会主義リアリズム、西欧的なモダニズム絵画、「モンゴル画」の復活、社会主義体制崩壊後の現代絵画まで、めまぐるしい変遷が見られる。とりわけ目を引くのは、洛中洛外図を思わせる細密でパノラミックな「モンゴル画」だ。まるで山口晃。
[8月3日(日) 村田真]
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  木村伊兵衛写真展
  7/25〜8/6 大丸ミュージアム・東京
 
  風景、人物、風俗といろいろあるが、こうしてまとめて見ると木村伊兵衛の写真てけっこうイロっぽい。イヘーさんてスケベーだったのかも。アヘー、ウヘー、すいません。
[8月3日(日) 村田真]
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  小山穂太郎展 Phantom
  8/4〜9/16 栃木県立美術館
 
 
小山穂太郎展 Phantom
80年代後半の写真が大半を占めていて、なんかなつかしいなあ。当時、「物質としての写真」なんてフレーズがもてはやされ(そういえばスターン・ツインズ、どこ行っちゃったんでしょう)、印画紙を焦がしたりヤスリで削ったりしていた穂太郎の写真もその系統で見られていたけれど、こうしてまとめて見ると物質的な強さ以上に映像の力が目につく。
[8月3日(日) 村田真]
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京都造形芸術大学選抜展
  8/2〜8/10 スパイラルガーデン[東京]
 
  卒業生の作品展をスパイラルで開くというのは、美大が全国に沢山あるなかでも、京都造形芸大が初めてではないだろうか。写真、インスタレーションなどが並ぶ。「写真新世紀」で入賞した竹村千夏、昨年「アートスコープ」で選ばれた秋山さやか等の作品もある。しかし、全体をみるとやはり学生展のノリからいま一歩脱し切れず、ビシっと決まっていないのは御愛嬌か。
[8月4日(日) 原久子]
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