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展覧会レビュー

村田真 原久子

ダムタイプ:ヴォヤージュ
9/6〜7 シアター・ドラマシティ[大阪]
 
  映像:高谷史郎、サウンド:池田亮司のところが全体のサビの部分だという印象を与え、そこばかりを一般のオーディエンスは過剰に期待してしまっている。前週にあった埼玉での公演を既に観てきた人から「えっ、ここで終わるの、という終わり方だった」と聞いていた。短いシーンを展開させてゆくが、以前の作品からの続きあるいは同じイメージの反復ともとれる箇所がある。ぎこちない生身の身体が表現するものと、私たちの視覚や聴覚を超えたところに位置するような表現の対比が、相変わらず私にとってはダムタイプらしさを感じるものだった。途中で幕切れたような終わりのあっけなさは、計算しすぎて、観客は裏をかかれたようで納得できなかったのかもしれない。そして物語性をあまり持ち込まないクールさを期待していた観客は裏切られた思いがしたのかもしれない。楽屋に行くとスタッフたちはどうやら埼玉での公演でかなり打ちのめされていたらしいが、地元に戻って来たぶん表情が柔らかだった。
[9月6日(金) 原久子]
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タイテツヤ展
  9/5〜7 Oギャラリーeyes[大阪]
 
 
タイテツヤ展 タイテツヤ展
目に包帯を当て車椅子に乗った人がやはり目に包帯を当てた天使に見守られつつUFOに追っかけられている構図。ハチャ目茶で、あり得ない設定だ。タイテツヤは絵の中には普通にはあり得ないような設定や、心の奥底の悪魔がクシャミをしたような設定をつくる。今回はそんなちょっと歪んだ設定を向かい合わせの壁に展示。それらをつなぐように隣接する壁には一方2羽の小鳥、もう一方には深い闇に包まれた森と、フォーカスをぼかした森のようなペインティングをかけている。イメージをつなぐ作業が難しいということは難易度が上がったということか?!
[9月7日(土)原久子]
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  JOUNAL FOR PEOPLE Tour in Japan IMAGE GARDEN in KYOTO
9/7 みなみ会館[京都]
 
 
JOUNAL FOR PEOPLE JOUNAL FOR PEOPLE

高木正勝とサイモン・ターナーのライブパフォーマンスがあった(高木のライブのところまでしか会場にいることが実はできなかったのだが)。開演前廊下で話したときに、寝ちゃいますよ、と高木が言ったワケがよくわかった。ソフトフォーカスで光が柔らかく全体と包んでいる映像に心地よく漂うようなサウンドは、確かによく眠れそうだった。そしてたくさんの人々が周囲にいる中で、まるで広い場所にひとりでいるように無防備な気分にさせてくれた。
[9月7日(土)原久子]

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  クリスト『議事堂を梱包する』
  9/7 守谷市中央公民館[茨城]
 
  怒涛のような原稿を片づけて久々に外に出る。アーカスプロジェクトのアートセミナーの一環で、クリスト&ジャンヌ・クロードの《梱包されたライヒスターク》の映画上映会があり、それに先立って私めが簡単なレクチャーをした。そのことは別にどうでもいいんだけど、急に書くつもりになったのは、帰って夕刊を見たら9・11をめぐるウディ・アレンの顔写真入りのインタヴュー記事が載っていて、クリストのことを思い出したからだ。このふたり顔がよく似ているだけでなく、1935年生まれでニューヨーク在住というのも同じ。で、ぼくが思ったのは、クリストは9・11のテロをどう感じたのか、そして、グランド・ゼロの跡地のデザインを彼に任せたらどんなプロジェクトを考えるのか、ということ。
[9月7日(土) 村田真]
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細工・置物・つくりもの
  7/6〜9/8 宮内庁三の丸尚蔵館[東京]
 
 
細工・置物・つくりもの
にこちゃんとチャリで三の丸へ。今回は天皇家のヴンダーカマーというんでしょうか、サンゴを大樹に見立てて盆栽風にあしらった鉢植置物や、メノウを彫った金魚、ベッコウ細工のイセエビ、象牙のトウモロコシや柿など、おもに明治期につくられたスーパーリアリズム風の工芸を展示。いや、いまでこそ「工芸」あつかいだが、当時はこれが「美術」であり「産業」でもあったのだ。その意味で同展は、「アート」の語源が「テクネ」であったことを思い起こさせると同時に、近代日本における「美術」概念の受容の歪みをも感じさせてくれる。でもにこちゃんはお濠にいた本物の鯉やスッポンのほうが興味あるみたいよ。
[9月8日(日) 村田真]
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  児島サコ展 ひとりでいいの
  9/7〜17 ホワイトキューブKYOTO
 
  児島サコが産みおとしてゆく彼女のなかの澱が凝固したようなオブジェたち。おとされた先は幸せな楽園なのか、それとも奈落の底なのか。棚に並んだオブジェの一つは、白い胴長の犬がお尻を舐めている姿だが、その愛くるしい目に光る涙の粒と、お尻の穴に光っていた粒を見ていると、「ひとりでいいの」ってワケがないよね、って感じがした。
[9月8日(日) 原久子]
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  神藤知子
  9/21 mori yu gallery[京都]
 
 
神藤知子 神藤知子
ローマ在住のアーティストの京都での初個展と聞き、若い人と思っていたら、京都市立芸大を80年代に卒業していた。ペインティングと写真作品を展示していた。会場に入ったときには確か個展のはずだったと思い、ギャラリーのオーナーの森さんに「同じ方の作品ですよね」と確認してしまった。被写体もそこにあるものを撮るというのではなく、オブジェなどを作って場面を作り上げて撮っているという。よく見るとペインティングと写真の両者がそれぞれが持ち合わせない質感をうまく補い合っているようにもみえ、納得。
日曜日なのに開けて下さった森さんに感謝。
[9月8日(日) 原久子]
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the open air 稲垣元則、上村亮太、児玉靖枝
  9/9〜12 Oギャラリーeyes[大阪]
 
  Oギャラリーeyesの開設3周年を記念した展覧会が開かれた。これまでの作品の印象と私のなかでは随分と違ったのが上村亮太の田園の民家を描いた作品。一見平凡な風景だが、まるでそこに建っているかのような大きさや、明るい光を感じるペインティグ。
[9月9日(月) 原久子]
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