DNP Museum Information Japan - artscape
Museum Information Japan
Exhibition Information Japan
Recommendations
Exhibition Reviews
HOME
展覧会レビュー

村田真 原久子

きむらとしろうじんじん「野点」
9/19〜23 アサヒビール大山崎山荘美術館庭園広場[京都]
 
  真っ赤なボディコンシャスなロングドレスでさっそうと芝生のお庭に立つじんじんは見事なまでにゴージャス。今日も9種類のカタチの素焼き茶碗を持って店開き。しかし、美術館の開館前から門前に並ぶ人がいたとかで、あっという間に本日分の茶碗は完売。小さな窯で1日で焼ける茶碗の数は決まっている。それ以上は1日に提供しないのがじんじんのやり方。お客さんと彼が呼ぶ参加者とのコミュニケーションもそれ以上の数になるととれなくなってしまう。炎天下、皆は熱心に絵付けに励んでいた。
[9月19日(木) 原久子]
top
  マムチョ展 光
  9/14〜10/12 児玉画廊[大阪]
 
 
マムチョ展
在阪FM局のFM802のキャラクターなどで関西ではすっかりお馴染みのマムチョ。今回の個展のテーマは「光」。虹色のサークルを壁に直接描き、光の反射や屈折で見える色について作品で表現してゆくことを宣誓している。一方木製パネルに直接描いてゆくペインティングは幾重にも重ねた絵具が放つ色彩を楽しめる。キャラクターが1枚1枚に登場するが、彼らが「光」のメッセージを伝えてくれるメッセンジャーみたいなものなのかな。
[9月19日(木) 原久子]
top
  池谷めぐみ展
  9/17〜21 展示室node[東京造形大学内]
 
  9月から東京造形大学でも教えることになった。八王子のドイナカまでの片道1時間40−50分は、芸大取手校地までとほぼ同じ。講義を終えて絵画棟に寄ったらアトリエの一室をギャラリーにして、絵画専攻の学生が作品を展示している。これはいいですね。でも、鉛筆の削りカスでインスタレーションした池谷さん、別に手を抜いているとはいわないけれど、こんなんじゃやっぱり学内展示レヴェル、外から人は呼べないよ。
[9月19日(木) 村田真]
top
ピカソ 天才の誕生
  9/21〜12/8 上野の森美術館[東京]
 
 
ピカソ 天才の誕生
フジサンケイグループによるピカソ展の第2弾は、バルセロナのピカソ美術館から。すでに1年後に第3弾「ピカソ・クラシック」展の開催が決まっているとは、さすがピカソというか、フジサンケイグループというか。ともあれ、少年時代からパリ定住以前までの修業時代に焦点を当てた今回は、もっともピカソらしからぬピカソ展というべきかもしれない。まあピカソ度が低い分わかりやすいし、天才ぶりは一目瞭然なのだが、出品作品の9割方が素描か水彩なので、かなり通好みであるのは事実。これで人が入るんだろうかと他人事ながら心配になる。
[9月20日(金) 村田真]
top
ピーター・ベラーズ展
9/21〜10/20 横浜美術館アートギャラリー[神奈川]
 
 
ピーター・ベラーズ展

イギリスの海浜リゾートには、子供用のクレイジーゴルフという遊びがあるそうだ。難しいルールなどなく、ただひたすらいろんな障害物を超えていくゴルフらしい。在日16年のピーターには、日本の受験教育の制度がこの無意味な、でもコツさえつかめばトントン拍子で上がれるゲームに重なって見えたという。で、ピーターがつくったのは、小中高の校舎や東大安田講堂のミニチュアが鎮座する観客参加型のゴルフコース。もちろん上に進むにつれ難度も高くなる。でももうひとつひねりがほしかったなあ。
[9月21日(土) 村田真]

top
ねりまの美術2002 近藤竜男
8/24〜10/14 練馬区美術館[東京]
 
 
ねりまの美術2002 近藤竜男
1961年に渡米して以来40年間ニューヨークですごし、昨年帰国した画家の回顧展。3つの展示室にそれぞれ50年代、60年代、70年代以降の作品が並べられ、時代ごとの変遷が手に取るようにわかる。そもそも私にとって近藤竜男といえば、まず第一に70−80年代ニューヨークの熱いアートシーンを伝えてくれるリポーターであって、画家としては斜めのストライプ作品くらいしか知らなかったのだが、それは最後の展示室の半分を占めるにすぎないことがわかって愕然とする。まず50年代は、わりとありがちな抽象に始まりアンフォルメルに移行。渡米した60年代はニューヨークのアート旋風をもろに受けたのか、実にめまぐるしく画風が変わり同展の白眉となっている。そして70年代に入ってようやくモノクロームの画面に斜線が現われ、やがて斜線が丸みを帯びてくる。別に近藤竜男という画家を知らなくたって、作品の移り変わりを追うだけでもスリリングな楽しみがあるし、20世紀後半の絵画の一動向が確実にわかるはずだ。すてきな画家であり、すてきな展覧会だと思う。
[9月22日(日) 村田真]
top
THEドラえもん展
7/13〜9/23 サントリーミュージアム天保山[大阪]
 
 
THEドラえもん展
3連休の最終日であり、展覧会の最終日でもあった。建物の外まで入場券を求める列がはみ出している。入場券を持っていた私も入場するための列に並ぶこと30分。ドラえもんとの記念撮影ができるコーナーまで設けられている。バカラ社のガラス製のドラえもんが入口で照明を浴びながら光っている。ドラえもんとドラみちゃんがベルトコンベアに載って製造されてゆくといったアニメーション。映像と立体を駆使してテーマパークっぽく作られた展示。土佐尚子作品のドラえもんと話せるインタラクティヴな電話もあるが、1時間半待ちと列の最後尾に書いてあったのですぐに諦める。後日、体験した学生に聞くと受話器の向こうで一方的にドラえもんがしゃべっていて、質問に答えてもらえず、全然インタラクティヴではなかったと不満そうにしていた。別フロアには森村泰昌奈良美智村上隆、中村哲也、日比野克彦といった人々が「ドラえもん」というお題をもらいこの展覧会のために新作をつくっていた。それぞれの視点がみえてユニークだったが、ほとんど足も止めずにどんどん出口に向ってゆく祭日の午後を楽しむカップルや親子連れの姿はショッキングだった。
[9月23日(月) 原久子]
top



ArtShopArchivesArt LinksArt Words
prev up next
E-mail: nmp@icc.dnp.co.jp
DAI NIPPON PRINTING Co., Ltd. 2002
アートスケープ/artscape は、大日本印刷株式会社の登録商標です。