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Choi Du
Su展 |
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Samzie
Art Space[ソウル・韓国] |
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入口のポップさとは裏腹に一歩入り込もうとすると、細い隙間を通らされ、舞台裏のようでもある空間に迷い込む。内側と外側の関係が入れ子状態で、混乱してしまいそうなスペースに出る。いつもの展示室なのだが、ひっくり返した裏側を見せられているような錯覚さえ感じる。斜に吊り下げられた薄型ディスプレイの黄色の光に照らされて、小さな金魚鉢のなかで生き続ける金魚が悲しげだった。
[9月13日 (金)原久子] |
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"The
Pillars" Young-In Hong |
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8/23~9/27 LOOP
Alternative Space[ソウル・韓国] |
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カーテンによく見られるドレープやギャザーを使って作った作品。柱状になったカーテンで覆ったものは何なのか? 灰色に光るカーテンの柱(?)を何本も使ったインスタレーション。
[9月13日 (金)原久子] |
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釜山ビエンナーレ現代美術展 |
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9/15~11/17 釜山市立美術館 |
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現代美術展のほか、野外彫刻展、海岸での彫刻展などが釜山ビエンナーレと呼ばれる一連のアート・イヴェントである。全体のテーマは「Culture
meets Culture」。現代美術展のテーマは「Urbanity」。それぞれの作家がすでに発表した作品がテーマにあわせて選ばれていたが、作り込まねばならないものや、新作より少なかった。生活に密着したかたちに流れをうまくつくった展示で大人から子供までだれにでも親しめるような展覧会になっていた。
光州での経験でいえば展示はプレスオープンは完成していないもの。やっぱりここ釜山でもそうだった。アーティストたちもここではもう焦ったりギャ-ギャ-言っても仕方ないと腹をくくったのか、もくもくと作業を続けている。スタッフは連日2、3時間しか寝ていなかったというが、それでも打ち上げはカラオケで思いっきり盛り上がっていた。
[9月14日(土)、15日(日) 原久子] |
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宮島達男展 |
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9/7~11/10 アートソンジェ・センター[ソウル・韓国] |
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すでに《MegaDeath》など日本でも観ていた作品だったが、扇型をした空間の弧を描いた壁で点滅していた青いLEDの数字が、全部消えた瞬間、平衡感覚が狂ってしまった。他での同作品の展示では経験しないことだった。また、韓国の伝統的な家の低いテーブルの上にプロジェクションされた「時の浮遊」。今までは床に映し出されたものを踏んで歩き回っていたのに、テーブルに手をかけて座布団に座って観るとまったくベツモノになってしまう。
[9月16日(月) 原久子] |
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HYUN MI
YOO -Fire, Addict, Wind- |
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9/7~10/6 アートソンジェ・センター[ソウル・韓国] |
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地下ガレージ部分を使った若手作家の映像インスタレーション。風にあおられ真っ赤に燃えさかる炎の映像が部屋のぐるりを取り囲むように投影されている。オーディエンスは扇風機の風を受け、さらにDiorの香水の香りまで漂って、なんだか不思議な作品。Diorのせいじゃないけど、あの香りは不必要だった。
[9月16日(月) 原久子]
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睡蓮2002:蒼の彼方へ クロード・モネ×廣瀬智央 |
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アサヒビール大山崎山荘美術館[京都] |
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ミラノを拠点に活躍する廣瀬智央が、所蔵品であるモネの《睡蓮》の作品群と安藤忠雄設計の空間とに向き合って出した結果がこの展示空間。地上に出ているガラスの部分にブルーのフィルムを張り、そこから展示室までこぼれ落ちてくる光と影、ブルーのフィルムに映り込む木々などさまざまな効果が出ている。また展示室のモネの《睡蓮》の間には廣瀬が世界各国の空を撮った写真が展示され、絵のなかの水面と空が呼応。薄いブルーの布に包まれた展示室中央の天窓から入る光を観客は体感することになる。空の絵葉書に切手を張って透明のボックスに投函すると数カ月後に宛名の元に廣瀬がイタリアから投函する葉書が届くことになっている。展覧会から帰った後の余韻が、忘れた頃にやってくるというわけだ。
[9月19日(木)原久子]
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