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植松奎二展 軸・経度・緯度 |
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9/21~10/26 ノマルエディション/プロジェクト・スペース
CUBE&LOFT |
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デュッセルドルフ(ドイツ)と大阪に拠点を持ち、日本代表としてヴェネチア・ビエンナーレにも88年に参加し、すでに作家としてのキャリアは30年以上になる植松氏。今回の個展でははじめてのビデオを用いたインスタレーションにも挑戦した。水をテーマにし、縦と横の軸や重力を体感できる作品になっている。高さ約5mある樹木をギャラリー内に植えて、幹の周りに渦巻き状に高さ1mくらいの位置に蛍光灯を宙づりにした《樹とともに――螺旋の気配》は、これもまた重力について、そしてまた生命について考えさせるような作品となっている。円錐形を長年作品に用いてきた彼が、意識的に今回の個展ではその形を排除していった。新たな展開に、以前のイメージがつきまとうことを嫌ったためだろうか。しかし蛇足ながら、もし植松氏が昨年小谷元彦がイスタンブール・ビエンナーレで発表した《9th
Room》を観ていたとしたら今回の作品は作らなかったのではないだろうか。
[9月24日(火) 原久子] |
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西山美なコ展 |
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9/20~10/31 ギャラリーシマダ[東京] |
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ピンク色のフリルのようなパターンが、壁面やガラス戸に描かれている。奥の壁には王冠を上から見たような図が。会期が終われば消してしまうというこのウォールペインティング、いくらで、どうやって売るのかといえば、50万円だか100万円だかで作者が出張して壁に描いてくれるそうだ。私流にいえば「注文生産方式」の「不動産美術」。
[9月24日(火) 村田真] |
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三田村光土里展 |
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9/13~10/14 ナディッフ[東京] |
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最小限の明かりが灯されたギャラリー内には小さなテーブルと椅子が並べられ、かろうじて古きよきカフェ、というか昔ながらの喫茶店の雰囲気が伝わってくる。タイトルは「ニュー・シベリア・カフェ」。三田村さんは、ある種の懐かしさをともなった雰囲気を醸し出すインスタレーションが実に巧みだ。
[9月25日(水) 村田真] |
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日比野克彦展 |
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9/25~10/20 ヒルサイドギャラリー[東京] |
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「初めて橋の上で立ち止まったのは何処ですか?」という長ったらしいタイトル。作品はダンボールではなく、熊本の天草で焼いたという陶製の小さな橋が数十点。目黒区美術館でおこなわれる個展に合わせて、目黒川(21本の橋が架かっている)周辺の数カ所の会場で個展やワークショップを開くので、橋をテーマにしたらしい。陶の橋は華奢で壊れそうだ。
[9月25日(水) 村田真] |
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会田誠・田中功起展 |
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8/28~9/28 ミヅマアートギャラリー[東京] |
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イヤミで悪趣味な2人展。会田は旧作もずいぶん出しており、畳にティッシュのフェリックス・ゴンザレス=トレスは売れたそうだ。信じられない。知らない人にはなんのことやらわからないだろうけど。
[9月25日(水) 村田真]
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杉山知子+塚脇淳+藤本由紀夫「ドローイング展」 |
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9/21~10/28 CAP
GALLERY[神戸] |
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まったく異なるスタイルの作品づくりをする3人が、作品のエスキースや草稿ともいえるようなドローイングを出品。彼らの思考のプロセスの一旦を覗き込むことができる展覧会になっている。藤本氏にいたっては20年前のものも出品しているが、時間の隔たりをまったく感じさせない。まったくテイストが違うのに、作品がそこここで介入し合っている展示も一つのミモノ。
[9月25日(水) 原久子] |
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JOE「ジョウカ☆マシーン」展 |
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9/4~30 CAP
GALLERY[神戸] |
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地上5cmのところで羽化する蝉を見て、もっと高い位置で蝉を羽化させてあげるためのマシーンを作ってしまったJOE。電気仕掛けの人形が天井まで続くハシゴをえっちらこっちら昇ってゆく。昇った先にはさながら蜂の巣に群がる蜂のように(こんな喩えでイイのか?)蝉の抜け殻が天井の一部に密集している。床に並んだトンガリ山脈。高さに変化をつけて円錐形にした人工芝の山々と蝉の抜け殻の群れの間には、埋め尽くせない中途半端なギャップがあっておかしい。それは蝉にとってはとんだおせっかいだったかもしれないが、必死にこんなものを作っている人間がいるのは、こんなご時勢にちょっといい話だと思う。
[9月25日(水) 原久子] |
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