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東京芸術大学先端芸術表現科 第1期卒業制作・研究「取手審査展」 |
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1/24〜30 東京芸術大学取手校地[茨城] |
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絵画でも彫刻でもデザインでも建築でも理論でもなく、基本的になにやってもいいという先端芸術表現科ができたのはつい昨日のことのようだが、早くも卒業生が出ることになった。いったい卒業制作でどんな作品が見られるのか、というより、なにをつくったらいいのか、たぶん学生もとまどったに違いない。なにをやってもいいというのはむずかしいことなのだ。4年間で積み上げたテーマはそれぞれ千差万別だが、結果的にインスタレーション形式で見せるヤツが多かった。なかには外に家を建てて住み込むヤツ、郵便局を開くヤツ、それなりのパフォーマンスを見せるヤツ、教官室の壁から床、天井、窓、テーブル、パソコン、本にまで59,437枚もの朱色の小さなシールを貼るヤツもいた。映像、やきもの、体感型オブジェ、オプティカルな装置もある。その結果、全体的な印象は学芸会に近くなった。ちょっと寒いぞ。
[1月27日(月) 村田真] |
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石川亮展「全体駅」 |
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1/20〜2/1 SAIギャラリー[大阪] |
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記憶にある限りでは最近のホームの駅名標示はライトボックス型になっている。でも、群青色の琺瑯(ホーロー)の標示って確かに覚えている。出品作の「全体(ぜんたい)」と書かれたそんな琺瑯のプレートは懐かしさを誘う。そして、どこにもないが、すべてを指すような「全体」という言葉は、ちょっとシニカルでもあるが、期待感もある。2本の線路が私たちをどこへでも運んでくれるのだから。
[1月27日(月) 原久子] |
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光をとらえた女性たちvol.2光と色 |
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2/3〜22 ポーラミュージアムアネックス[東京] |
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東京国際フォーラムでのNICAF交流パーティーの帰りに寄る。昨年、箱根にオープンしたポーラ美術館の開館記念展「光のなかの女たち」と呼応する展覧会として、旧ルナミ画廊の並河恵美子さんが企画したもの。第1部「現代の光」は見逃したが、第2部は野中ユリ、遠山香苗、富岡直子、津上みゆきら絵画が中心。「光と色」というテーマに照らせば遠山と富岡が際立つ。とりわけ遠山の透明感あふれるブラッシュストロークが清新だ。
[2月3日(月) 村田真] |
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鈴木理策 吉野桜 |
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1/20〜2/14 ギャラリー小柳[東京] |
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桜が満開だ。
[2月3日(月) 村田真] |
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菅野泰史展 |
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1/27〜2/5 ギャラリイK[東京] |
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板状に薄く彫った石を床にぴったり敷きつめている。ただそれだけ。表面はデコボコなので裸足で歩くと気持ちいいかも。視覚より触覚に訴える作品。それにしても、ギャラリイKのサイズに合わせて彫ったサイトスペシフィックなインスタレーションだから、ここ以外では展示できないんじゃないかというと、作者いわく、これをそのまま屋外にもっていったらそこがギャラリイKになると。なるほど、サイトスペシフィック作品の逆利用法もあるわけだ。
[2月3日(月) 村田真] |
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松谷武判展 |
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2/2〜2/15 LAD'S GALLERY[大阪] |
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関西出身で長くフランスで制作活動を行なってきた松谷。一貫してモノトーンの作品を作ってきた。鉛筆で丹念に塗り尽くされ鈍く光る表面。彼の作品には重力を感じる。壁に垂直に掛けられた画面から地軸にぎゅっと引っ張られるような感じ、とでもいうのだろうか。ストイックだし、硬質な印象を与えもするが、しかし温もりのある作品群である。
[2月3日(月) 原久子] |
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小磯良平回顧展 |
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1/23〜2/4 大丸ミュージアム[東京] |
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小磯良平の生誕100年記念展。さすがにうまい。実に達者な筆さばきで、油絵の醍醐味を味わわせてくれる。だが、達者が災いしたのか、何度もスタイルを変えようとしながらピカソのようには変わらなかった。滞欧中(1928―30)はフォーヴィスムの洗礼を受け、帰国後は安井曽太郎、アングル、マネ、ドガ、初期ピカソらの影響が見られ、戦後はキュビスムや古典主義のピカソにも傾きかけたが、結局は甘ったるい「具象」に落ちついている。戦争記録画の制作依頼に抗しきれなかったことも含めて、やはり日本の風土が育んだ画家なのだ。
[2月4日(火) 村田真] |
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京都府美術工芸新鋭選抜展 |
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2/1〜16 京都府京都文化博物館[京都] |
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名和晃平作品 |
39名の出品作品75点は、日本画、洋画、版画、彫刻、染織、陶芸、諸工芸、ミクスト・メディアというジャンルに分けられ展示されていた。美術関係者の推薦を受けており、技術的にも一定レヴェルを保ってはいる。だが、こういった展覧会の難しいところで、出品サイズなどに制限が設けられていたりするせいか、いずれもこじんまりとおさまってしまっている。しかし、逆手にとれば、同じ条件にあるからこそ、力のある作品は際立って見えてきてよいだろうとも思う。最優秀賞は順当に名和晃平が受賞していた。
[2月4日(火) 原久子] |
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