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展覧会レビュー

村田真 原久子

  on 堀田裕子展
  2/8〜3/3 京都芸術センター(ギャラリー南・北)[京都]
 
 
on 堀田裕子展 on 堀田裕子展
2つのギャラリーを用いて映像インスタレーション作品を展示。南ギャラリー内を横断させて張った1万本のテグスが効果的に作品にいかされている。壁に向かって投影されたイメージが、テグス糸の集積がつくる透明なスクリーンに幾重にも映り込んでゆく。点と線を展開させたモノクロの映像がさらに空間を引き締め、手に取ることはできないが、確かな視覚体験をもたらしてくれる作品だった。
[2月8日(土) 原久子]
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明るい窓:風景表現の近代展
  2/1〜3/30 横浜美術館[神奈川]
 
  風景画の成立と変容をたどる興味深い展覧会。ニコラ・プッサン、クロード・ロランあたりから17世紀オランダ風景画、司馬江漢ら日本の洋風画を経てターナーのロマン主義となり、そろそろ印象派が現われるかと思ったら西洋と日本の風景写真が登場し、再びコロー、クールベらのバルビゾン派に戻って高橋由一、黒田清輝あたりで終わっている。ひとくちに風景画といっても理想的風景、江戸時代の空間認識、戦争や国家との関係など多様な側面から切っているのがいい。ただ、西洋の風景画に関しては大半が国内からの借用で、大した作品がなかったのが残念。
[2月9日(日) 村田真]
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エットレ・ソットサス写真&ドローイング展
  1/20〜2/26 横浜美術館アートギャラリー[神奈川]
 
 
エットレ・ソットサス写真&ドローイング展
いかにもソットサスらしからぬモノクロの展覧会。早々に引き上げた。
[2月9日(日) 村田真]
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  Nature Art Camp 2002 ドキュメント展
  2/2〜9 神戸アートビレッジセンター[神戸]
 
 
Nature Art Camp 2002
Nature Art Camp 2002
昨年に続いて2回目になるNature Art Campは神戸市立自然の家を会場に開かれたアーティストと子供たちとのワークショップの記録展だ。PHスタジオ「ファーブル・ファクトリー 森のレストラン『ファーブル』」、藤浩志が「子供とつくる『自然の家の物語』」というテーマを設定し、2002年10月にワークショップを開いた。藤のプログラムのなかで作られた映画やすごろくゲームは、子供たちの想像力と創造力が生み出した傑作。すごろくは最終的にはボランティアで参加した学生たちが完成度をあげている。昨秋から、企画・制作を担当したiop都市文化創造研究所にはこの展覧会がはじまるまでずっと学生ボランティアたちが出入りして準備をしたという。子供にとってだけでなく、彼ら学生にとっても刺激的な催しだったようだ。
[2月9日(日) 原久子]
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ローマン・ジグネール展
2/11〜3/30 資生堂ギャラリー[東京]
 
 
ローマン・ジグネール展
1987年、ローマン・ジグネールは横浜の開港記念館で開かれたパフォーマンス・フェスティヴァルに登場し、火薬は使うなといったのに最後に「爆発パフォーマンス」をやってのけた。そのとき、海外アーティストをコーディネートしたのが南條史生さんで、ぼくは国内アーティストの担当だった。あれから16年、バイオレンスとユーモアの同居する作品はちっとも変わってない。たとえば《I Was Here》は、テーブルのうえに置かれたモニターに衝撃波が映し出される作品。本人がそのテーブルのうえから飛び降りたときの振動を記録したものだ。《Falling Buckets》は、中央にしゃがんだジグネールが点火ボタンを押すと天井からいっせいにバケツが落ち、反動で立ち上る水柱に囲まれるという映像作品。くさい意味づけをしないところがいい。
[2月10日(月) 村田真]
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  ART-EX 帰国報告展 高橋匡太
  2/10〜15 大阪府立現代美術センター展示室A[大阪]
 
 
ART-EX 帰国報告展
光と影で幻想的な空間を作り出す高橋匡太。ART-EXという大阪府がヨーロッパ4カ国と相互に美術家を派遣するアーティスト・イン・レジデンスのプログラムの一環で、高橋は昨年フランスに滞在した。このたびはその帰国報告展。フランスでも到着後、まもなく展覧会に参加するなど、約3カ月という短い滞在中に、4カ所での映像インスタレーションやパフォーマンスを行なった。手応えは十分あったようで、今後の活躍が期待される。
[2月10日(月) 原久子]
 
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宮永愛子展
  2/4〜16 neutron[東京]
 
  ナフタリンでつくった作品は、壊れやすく、そして時間がたつと消滅してしまう。標本箱のようなボックスにナフタリンで蝶の形にしたものが入っている。さなぎの期間は長いが、蝶となって羽を広げても命は短い。はかなく脆い2つの共通点から作品は生まれた。
[2月11日(火) 原久子]
 
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  松岡悠展
  2/11〜16 アートスペース虹[京都]
 
  今春、京都市立芸術大学を卒業する松岡は、ペインティングとドローイングを出品。ドローイングの展示方法がユニークだ。数枚のドローイングを重ね、上の2カ所をピンで壁に留めている。上から重ねて合わせて観たり、1枚ずつめくって観たり、好きなように観ることができる。ちなみに、これまで描きためたものからランダムに選び、重ねたのだという。日々つけている日記のようなノートもいっしょに閲覧できるようになっていた。久々に面白いアーティストとの出合いだった。
[2月11日(火) 原久子]
 
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