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展覧会レビュー

村田真 原久子

Index
page:1
ソフィ・カロ展
秋山さやか/MOTOKO展speed&slow
米田知子展
吉田亜世美展
増田聡子展
和田みつひと展
小林一浩「フラクタルの森」
page:2
池内晶子展
田中朝子展
希望/HOPE
──未来は僕らの手の中に
Art in Transit vol.5
山倉研志展
陸根丙展
ハンナ・ヘーヒ1889-1978
page:3
天明屋尚「画強」
駒形克哉展
中国昇龍力展Part2
名和晃平展
志賀理江子 「明日の朝、ジャックが私を観た。」
斎藤美奈子
竹久夢二伊香保記念館
page:4
車明熹展
佐藤万絵子展
野村俊幸展
植松奎二展
村元崇洋展
「彫刻、この永遠なるものへの問いかけ」
額田宣彦展
まだまだ「誰でもピカソ? とんでもない」
page:5
今野裕一トーク
日本近代洋画への道
神奈川県立近代美術館葉山館プレス内覧会
岡田謙三展
Poly Prac. OPEN !
藤浩志によるプロジェクトのサポーターへの説明会
PHスタジオ「船、山にのぼる―森の引越しプロジェクト」
絵画新世紀
アートフロンティア2003
page:6
東明展
PHスタジオ「船をつくる話2003―まっているあいだ」
高柳恵里展
伊達伸明
建築物ウクレレ保存化計画
cast-anet タダヨウ
染谷謙介展
Animal Heart
佐野陽一展
page:7
江戸大博覧会
所蔵作品展
鈴木俊輔個展
再検証・高松次郎絵画作品
〜アトリエより〜
イ・クトゥット・ブディアナ展
アウト・オブ・ザ・ブルー展
内田巌遺作展
彫刻の身体
page:8
束芋×できやよい
「にっぽんの、ななかむら」
Richard Hutten展
大地の芸術祭
越後妻有アートトリエンナーレ2003
磯崎有輔展
黒のイデア
ボリショイサーカス
小瀬村真美+澤登恭子展
誘いの夢…/中川幸夫展
ソフィ・カロ展
5/13〜6/28 ギャラリー小柳[東京]
 
 

フィクションと現実の出来事を倒錯させるようなストーリーをいつも展開させているが、本人のなかでもごちゃまぜになることもあるのだろうか?という素朴な疑問をいつも持って彼女の作品を観ている(そんなことは作品には関係のないことなんだけど)。以前ギャラリー小柳でもやっていた、曜日によって色が決められた食事の作品をテーブルクロスにプリントしてマルチプルにしていた。欲しいけど、テーブルに掛けると食事をする場所がなくなるので、観るだけでガマンした。
[6月26日(木) 原久子]

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秋山さやか/MOTOKO展 speed&slow
6/24〜7/13 スパイラルガーデン[東京]
 
 
秋山さやか/MOTOKO展 speed&slow
「SPIRAL PAPER」の表紙にも秋山さやかの作品が登用されていたが、秋山は自分の歩いた軌跡をそのときの気持ちなどに則った糸で刺繍してゆく。SPIRALでの展覧会が決まってから、会場となるこの建物の中をあちこち歩き回った様子が見られる。そして、青山周辺を歩く軌跡がこれから作品となって会期中に増えてゆくらしい。MOTOKOの写真は森の木々を写し、実物大ほどに拡大して展示していた。2人のアーティストの組み合わせは都市という森をゆっくりと生きるって感じで、場所にはまった作品でした。
[6月26日(木) 原久子]

東京に滞在中、自分の通った場所を地図に刺繍した秋山の作品と、木のある風景を撮ったMOTOKOの写真。なんだかスカーとした展覧会だ。スカッではなく、スカーみたいな。
[7月10日(木) 村田真]
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  米田知子展
6/3〜7/20 資生堂ギャラリー[東京]
 
  米田の写真作品は、撮るまえのリサーチが欠かせないという。偉人たちが愛用した眼鏡と、生前の彼らの仕事などと関係のある文献を組み合わせ、彼らの視点をそこにもう一度つくり出してフレームのなかにおさめたモノクロ写真。そこにあった生活を感じさせるような壁のシミを撮った写真。特別な風景には見えないが得体の知れない重さを感じる写真。そのタイトルを読むやいなや、その重みのワケが知らされる歴史やいわくつきの場所を撮った写真作品。彼女の写真を数枚は見たことがあったのだが、こうして個展としてまとめて観ると作者のスタンスがよりわかりやすくみえてくる。
[6月26日(木) 原久子]
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吉田亜世美展
6/26〜7/12 ギャラリーなつか[東京]
 
 
吉田亜世美展
2部屋あるギャラリーの一方の壁には白地に赤い円、もう一方の部屋の壁には逆に赤地に白い円がびっしりと並び、各部屋には赤い板で組み立てた柱が立っている。これは、数百枚の板を赤く塗り、1枚につき9×12個の円形を浅く彫ることで生まれる赤い円形と、彫った板をもういちど赤く塗って紙に刷った白い円形であり、赤い柱はその版木ということになる。なんて言葉で説明してもわかんないよね。ともあれ、赤い円は彫るという行為、白い円は刷るという行為によってつくられたものなのだ。吉田は同様の「版画インスタレーション」をアメリカでも発表しているらしいが、これが日の丸に見られないことを願うばかりだ。
[6月27日(金) 村田真]
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  増田聡子展
  6/16〜28 コバヤシ画廊[東京]
 
 
増田聡子展
変形キャンヴァスをやめてから2年。色彩も形態も深みを増して、ちょっと辰野登恵子を思わせる。絵具は、アメリカの修復業者が使う、数百年前と同じ顔料、同じ製法でつくられたものだそうだ。
[6月27日(金) 村田真]
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和田みつひと展
  6/23〜28 藍画廊[東京]
 
 
和田みつひと展
ギャラリー空間と事務所を入れ換え、ピンク色の蛍光灯をつけたインスタレーション。机や本棚がギャラリーに置かれ、スタッフもそこで仕事をし、本来の事務所はからっぽ。よくこんな狭い事務空間にこんなにたくさんの物品がつまっていたもんだと感心する。もとに戻すのが大変だろうな。でも、ギャラリーと事務所の交換という発想自体は珍しいものではなく、たとえば1985年にPHスタジオがギャラリー山口で試みている。
[6月27日(金) 村田真]
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小林一浩「フラクタルの森」
  6/16〜28 art space kimura ASK?[東京]
 
 
小林一浩「フラクタルの森」
フラクタルというのも一時期パッと出て急速に忘れられてしまった観があるけれど、その概念はいまだ輝きを失ってない。だからそれをCGで見せるだけではつまらない。小林も引いているように、マンデルブロートいわく、「フラクタル的な『新しい幾何学芸術』は『グランド・マスターズ』の絵画や『ボザール』的建築と、驚くほど類縁性を持っている。理由は明白だ。古典的な視覚芸術は、フラクタルと同じように、さまざまな異なる多様なスケールを組み合わせ、自己相似への偏愛を隠し立てしないからだ」。これだよこれ、岡崎乾二郎のめざしてるものは(違うか)。
[6月27日(金) 村田真]
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