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「アンブレラ・プロジェクト」クリスト&ジャンヌ=クロード

“The Umbrellas”, Christo and Jeanne-Claude
更新日
2024年03月11日

1991年10月、日本の茨城県とアメリカのカリフォルニア州の谷間地域で3,100本の傘をいっせいに開くというクリスト&ジャンヌ=クロードのプロジェクト「アンブレラ、日本−アメリカ合衆国、1984-91」が実行に移された。傘は支柱の長さが6メートル、正八角形の傘布の対角線の長さがおよそ8メートル半と巨大なもので、茨城県の常陸太田市から里美村にかけての国道沿い、全長19キロメートルの地域に1,340本の青い傘、カリフォルニア州南部のカーン郡からロサンゼルス郡にかけてのハイウェイ沿い、全長29キロメートルの地域に1,760本の黄色い傘が設置された。実施が秋になったのは、日本側が稲刈り後でないと田んぼに傘を立てられなかったからである。このように、太平洋をはさむ両国の谷間地域の生活様式や風土の相違点(場合によっては類似点)を浮き彫りにすることが、プロジェクトの主な狙いであった。84年に立案。87年にプロジェクトを公表。2,600万ドルに及んだと言われる費用は、それまでのクリストのプロジェクトと同様、自身のドローイング、コラージュ、ペインテッド・フォトグラフ、スケール・モデルなどの売却によってまかなわれた。

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補足情報

参考文献

『クリスト・アンド・ジャンヌ=クロード:アンブレラ:日本-アメリカ合衆国、1984-91』第1巻(1984-1990),ジャンヌ=クロ-ド、柳正彦、ウルフガング・フォルツ,タッシェン,1998
『クリスト・アンド・ジャンヌ=クロード:アンブレラ:日本-アメリカ合衆国、1984-91』第2巻(1990-1991),ジャンヌ=クロ-ド、柳正彦、ウルフガング・フォルツ,タッシェン,1998