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北本ビタミン

Kitamoto Vitamin
更新日
2024年03月11日

2008年-2012年まで埼玉県北本市で行なわれていたアート・プロジェクト。「ビタミン」という名称は、アートと地域をつなぎ、新たな創造の場を与えることで、まちの「ビタミン」となる独自の文化を生み出し、根付かせていくことを目指して付けられた。北本市では、08年にアーティストの日比野克彦の「明後日朝顔プロジェクト」に参加したことを契機に、アートによるまちづくりへの取り組みが始まる。東京藝術大学教授の熊倉純子と、当時、水戸芸術館主任学芸員であった森司がプロジェクトのアドバイザーを務め、同年8月に美術家の藤浩志がホストとなり、北本でどのようなアート・プロジェクトを行なうべきか、関わる人々とともに考えることを目的とし、「北本アーツキャンプ」を開催。このキャンプによって、運営組織である任意団体、「キタミン・ラボ舎」が立ち上がり、参加アーティストであった、KOSUGE1-16、西尾美也、北澤潤、wah documentらが北本で長期的にプロジェクトを展開していくきっかけとなった。また、09年以降、3年間にわたって、日本文化デザイン会議も開催していた。10年からは廃屋や空き店舗、空き地や雑木林や駅などをアートの視点から新たな地域資源として発信する、「おもしろ不動産」プロジェクトをスタート。西尾美也による雑木林でのインスタレーションや、wah documentと京都造形大学に在学する有志のチームによる空き家改装プロジェクトをはじめとして、さまざまな活動を展開してきた。現在、「北本ビタミン」は展開されていないが、事業の一環で改修した古民家が、カフェやギャラリーを備えた拠点「きたもとアトリエハウス」として、有志によって運営されている※。

著者

補足情報

参考文献

『北本ビタミンガイドブック&マップ 2008-2011』,北本ビタミン企画運営事務局,2011
『東京アートポイント計画2010 Tokyo Art Research Lab熊倉純子ゼミ公開講座 日本型アートプロジェクトの歴史と現在 1990-2010』,「第5章 スタッフ×アートプロジェクト」,アートプロジェクト研究会編,2011

注・備考

※記載内容は2016年度までの概要や活動内容に基づく。