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フォトモンタージュ

Photomontage
更新日
2024年03月11日

写真を切り貼りしてコラージュしたり、二重露光させたりして、写真イメージを合成する技法。フォトモンタージュは、とりわけ1920年代のドイツとロシアで盛んに制作された。ドイツでは、ジョン・ハートフィールド、ハンナ・ヘッヒ、ラウル・ハウスマン、ゲオルグ・グロッスら、ロシアではエル・リシツキー、グスタフ・クルツィス、アレクサンドル・ロトチェンコなどがその使用者として挙げられる。フォトモンタージュの特徴は、複数のイメージとイメージとを接合=合成(モンタージュ)することで、単一の写真イメージからは得られない視覚言語を創造できるという点にある。ロシアにおいては、政治改革を遂げるための、視覚によるプロパガンダの目的として、つまりは視覚伝達にかかわるグラフィック・デザインの一手法として、盛んに使用された。一方、ドイツではベルリンのダダイストたちによって、体制批判や政治風刺の手法としてしばしば用いられた。30年代に入ると、シュルレアリスムのデペイズマンの一技法として、フォトモンタージュが引き継がれることになる。

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