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水戸芸術館現代美術センター

Art Tower Mito
更新日
2024年03月11日

茨城県にある総合文化施設、水戸芸術館に含まれる現代美術センター。同施設は1990年に水戸市制100周年を記念して設立された。高さ約100メートルの銀色のタワーを象徴とする印象的な建築は磯崎新が手がけている。同館の現代美術センターは、これまでにC・ボルタンスキー、R・メイプルソープ、J・タレルらの個展のほか、同時代の美術の動向を的確に捉えたグループ展を数多く開催。なかでも、批評家の椹木野衣の企画による「日本ゼロ年」展(1999-2000)と、美術評論家の松井みどりが企画原案を手がけた「夏への扉 マイクロポップの時代」展(2007)は、90年代以降の日本の現代美術を振り返る上で欠かすことのできない重要な展覧会である。また、ワークショップや周辺施設との連携に重点を置いた「カフェ・イン・水戸」の継続的な開催や、定期的に国内の若手作家を取り上げる展示室「クリテリオム」の存在に鑑みても、同センターは収集よりも企画展に重点を置くクンストハレ型の美術館の好例であると言えるだろう。

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