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2020年04月01日号のバックナンバー

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よりよく生きるための選択──孤立から救済する技術

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[2020年04月01日号(青木彬)]

日本型アートプロジェクトの盛行やソーシャリー・エンゲイジド・アートの潮流とさまざまな共同体の実践を比較しながら、「生きること」と「アート」の繋がりを考えようと、筆者は以前「アートプロジェクトにおける臨床的価値とはなにか」という試論を寄稿した。こうした関心を下敷きに、本稿では「当事者研究」で知られる「浦河べてるの家」★1にレジデンスしたアーガオ(Er Gao)のワークショップを具体例に、両者の関係をより深く考えていきたい。

キュレーターズノート

例外状態で鑑賞がもたらす意味
──ニコニコ美術館で観る『ピーター・ドイグ展』と絵字幕版『うたのはじまり』

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[2020年04月01日号(田中みゆき)]

本来であれば今頃は、街中はオリンピック一色で各文化プログラムもそろそろ始まろうとしているはずだった。しかし現実には、私たちは歴史に残る例外状態の只中にいる。各国は門戸を固く閉ざし、見えないものとの終わりなき戦いと迫り来る経済危機を前にわたしたちは無力感を味わわせられている。緊急性が高い事項が顕在化するなかで、芸術文化は社会における必要性をどのように訴えていけるのだろうか。この危機に際して、美術館や博物館などの文化施設は多くが休館する一方で、いくつかの館で実験的に行なわれているオンラインコンテンツは新たな可能性を感じさせる

「地元」と世界──「インプリントまちだ展2020 すむひと⇔くるひと —『アーティスト』がみた町田—」を企画して

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[2020年04月01日号(町村悠香)]

「地元ゆかり」の作家や地元の風景を描いた作品を収集・展示するなど、地域に寄り添った活動は公立美術館の重要なミッションのひとつだ。だが改めて考えると「ある土地にゆかりがある」というのはどのようなことを指すのだろうか。筆者が企画担当した「インプリントまちだ展2020 すむひと⇔くるひと —『アーティスト』がみた町田—」(2020年4月11日~6月28日)では、「すむひと」「くるひと」という二つの視点から、便利に使われる「地元ゆかり」という言葉の再考を試みた。

なお、本稿執筆後、町田市の方針により新型コロナウイルス感染拡大防止のため、3月28日〜6月7日まで当館は臨時休館することが決定した(最新情報は当館ウェブサイトをご確認いただきたい)。
世界的な感染拡大が落ちつき、文化芸術に関わる活動全般が再開できることを祈るばかりである。またこの状況が続いた場合、4年間の集大成である本展を、かたちを変えて公開できないか検討していきたい。

*追記(2020年6月7日)
本展は当初予定していた会期を変更し、6月9日〜9月13日に開催されることとなった。

artscapeレビュー

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