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2021年02月01日号のバックナンバー

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フォーカス

【バンコク】革命と芸術:タイで中高生が巻き起こした旋風

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[2021年02月01日号(清恵子)]

2020年はコロナが世界を震撼させた年となったが、タイでは別の意味で世界がひっくり返るような年となった。若者たちを中心に、実質的な軍政である現政権の退陣、民主主義に則った新憲法制定、さらには、王室制度の改革まで要求する運動が持ち上がったのである。王室は神聖なものであり、触れることは絶対にタブーとされてきた王室問題を、しっかりと見つめ議論しようという運動が1932年の立憲革命以来初めて大規模に起こったことになる。これまで19回にも及ぶ軍事クーデター★1と憲法廃止の繰り返し、そして軍事クーデターが無理と思えば司法クーデターという手段すら駆使して権力を維持してきた支配層は、中高生をも含むこの新たな運動に驚愕した。3つの要求はまだどれも満たされていないものの、タイをもう二度と元に戻れないところまで運んだという意味で、2020年民主化運動の意義には計り知れないものがある。

キュレーターズノート

コロナ下とアーティスト・イン・レジデンス

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[2021年02月01日号(勝冶真美)]

新型コロナウイルス感染症の世界的流行は、私たちの生活を一変させた。その最たるものが、移動の制限だろう。これまでの私たちの生活はといえば、飛行機を乗り継いで世界各国のビエンナーレやトリエンナーレを巡ることも、日本に住みながら定期的にアジアをリサーチに行くことも日常の光景ともなっていた。そんな移動の時代においてこそアーティスト・イン・レジデンス(以下、AIR)も発展してきたと言える。移動がままならなくなった今、AIRでは何が起こっているのだろうか。

トピックス

新型コロナ禍での行政による文化芸術支援 これまでとこれから(後編)

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[2021年02月01日号(内田伸一)]

新型コロナ禍下の文化芸術活動に対する行政支援について、特に美術領域をめぐる状況を考える連続記事。前編では支援を届ける側・つなぐ側の声をお届けしたのに続き、後編は支援を活用したアーティスト、ギャラリスト、批評家などの声を聞き、その意義と課題を考える。

artscapeレビュー

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