バックナンバー

2021年07月15日号のバックナンバー

イメージ

フォーカス

泳ぐ彼女を観るあなたの眼差しを寝そべるわたしが視てあげよう、叩き割ってあげよう。そして……──ピピロッティ・リスト展に寄せて

photo

[2021年07月15日号(北野圭介)]

世界のあちこちの美術館で来場者数の記録をつくったのそうでないのといった噂話を耳にしていたし、なんかポップ・アイコンまがいの人なのかなあとも勘ぐったりしていたこともあって、2014年、PARASOPHIA: 京都国際現代芸術祭2015でピピロッティ・リストによるレクチャーがあるというので、学生と連れ立って出かけたことがある。そのとき、京都国立近代美術館の学芸員牧口千夏さんとおしゃべりできたことが愉快な想い出になっている。その牧口さんがキュレーションしているというリストの展覧会があると耳にして、いそいそと足を運んだ。

キュレーターズノート

所蔵品展からの問いかけ──コレクションと展示のジェンダーバランスを問い直す

photo

[2021年07月15日号(正路佐知子)]

2021年3月に発行した『福岡市美術館研究紀要』第9号に、「美術館とフェミニズム──福岡市美術館の現状について」と題した文章を寄せた。フェミニズム美術史の功績を紹介し、そのうえで現在までの福岡市美術館におけるジェンダーバランスを、職員構成、(以下、近現代美術セクションにおける)特別展や企画展の内容、コレクション展示における展示作品の構成、コレクションにおける作家構成および点数を洗い出している。この試みは、所属館におけるジェンダーバランスの変遷と現状を認識し、自戒を込めながらも問題を共有したいという思いに端を発したものであり、今年5月18日からスタートする予定だったコレクション展示「コレクションハイライト」を準備する過程で文章化したものだった(福岡市美術館では緊急事態宣言発令期間の間コレクション展示室が閉鎖となってしまったため、実際には6月22日からの公開となった)。今回の「コレクションハイライト」では、コレクション展のなかで「コレクションと展示のジェンダーバランスを問い直す」ことを試みている。

風間サチコ作品が俯瞰する2010年代──現在進行形のディストピアでできること

photo

[2021年07月15日号(町村悠香)]

「Tokyo Contemporary Art Award 2019-2021受賞記念展」は、東京都とトーキョーアーツアンドスペース(TOKAS)が主催する現代美術の賞「Tokyo Contemporary Art Award(TCAA )」の第1回受賞者、風間サチコと下道基行の2人展として東京都現代美術館で開催された。前半に下道、後半に風間の展示エリアが配され、最後の展示室で両者が作家として初めて発表した作品が並べて展示された。本展についてはすでに多くのレビューが書いているが、本稿では特に風間の大型作品と新作について述べていきたい。

アート・アーカイブ探求

ギュスターヴ・モロー《出現》──崇高と混淆「喜多崎 親」

photo

[2021年07月15日号(影山幸一)]

artscapeレビュー

▲ページの先頭へ