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2021年10月15日号のバックナンバー

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フォーカス

ストリーミング・ヘリテージ|台地と海のあいだ──アートが照らす水運都市・名古屋の歴史と遺産

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[2021年10月15日号(白坂由里)]

2021年3月に名古屋で開催されたアートイベント「ストリーミング・ヘリテージ|台地と海のあいだ」の2回目が、この11月に開催される。名古屋城から堀川沿いに熱田・宮の渡しまで、名古屋台地と熱田台地のヘりにある文化資源や観光資源をひとつづきに結ぶ[stream]を舞台として、現代アートによって名古屋の歴史・文化遺産[heritage]にハイライトを当てるものだ。前回の鑑賞を振り返りながら、今回の見どころを紹介したい。

キュレーターズノート

場所と作品のありえ方──京都芸術センターでの展示から

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[2021年10月15日号(谷竜一​)]

京都芸術センターは、美術館ではない。
本稿では、当センターの建物の構造と当館の特性についてあらためて確認し、これをふまえていくつかの展示を振り返ってみたい。個々の展示の評価とは別に「アートセンター」と呼ばれる当センターの、ある側面が見えてくるはずである。

生きるまなざし──木村忠太の初期作品《昭和20年8月15日のコンポジション》

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[2021年10月15日号(橘美貴)]

9月中旬、香川県に対するまん延防止等重点措置、いわゆるまん防が延長された。日々の新規感染者数と政治家たちの動向を注視するなか、いよいよ解除されるだろうかと現場の期待は高まったものの、四国では香川県のみが継続して対象となり、それを受けて県内の施設に臨時休館延長のお達しが届いた。措置の成果なのか、9月末の香川県では新規感染者が0人の日もあり、今回のピークは落ち着いたように見えるが、美術館の休館は感染防止にどれほどつながったのだろうか。
筆者の勤務する高松市美術館では、まん防の対象となった8月20日より前に香川県が感染拡大防止集中対策期、数日後に緊急事態対策期となったことに基づいて、8月7日から休館が始まり、結果55日間の臨時休館となった。まん防が解除された10月からは開館したが、10月はじめの土日は臨時休館となり、いつまた休館になるかわからないと不安は募る。
さて、本稿ではタイトルにある通り、高松出身の画家・木村忠太(1917-87)を取り上げる。木村忠太といえばフランスで明るい色彩に満ちた風景画を描いた作家であり、いまなぜ木村作品なのかと不思議に思われる方もいるかもしれない。今回取り上げるのは光に溢れる後年の作品ではなく、初期の作品だ。特に《昭和20年8月15日のコンポジション》には、希望を抱くことに疲れかけているいままさに必要な強さがあるように思う。そこで本稿ではよく知られる木村像を振り返ったうえで、木村の初期作品を紹介したい。これらは時代や社会背景は異なるものの、現在の私たちにも通じる思いを感じ取れる作品と言えるだろう。

アート・アーカイブ探求

ルネ・マグリット《ゴルコンダ》──詩的な不在の表象「南 雄介」

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[2021年10月15日号(影山幸一)]

artscapeレビュー

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