バックナンバー
2021年12月15日号のバックナンバー
フォーカス
【シンガポール】さよなら、サブステーション 1.0
[2021年12月15日号(堀川理沙)]
2021年7月、30年にわたってシンガポールの現代芸術、ポップカルチャーを牽引してきたオルタナティブスペースサブステーションがいったんその幕を閉じた。組織は新しいメンバーと運営で再出発するというが、そのかたちはまだ見えない。ナショナル・ギャラリー・シンガポールの堀川理沙氏にその経緯をレポートしていただく。(artscape編集部)
5人のアーティストの他生物との暮らし
[2021年12月15日号(今井俊介/AKI INOMATA/三原聡一郎/山本愛子/志村信裕)]
地方や海外の美術館などでの展示設営や滞在制作から、アーティストは旅が多いと想像しがちです。そんな印象からartscapeでは過去に「12人の移動するアーティスト」(2017年01月15日号)という記事を組んだこともありました。しかし、新型コロナのパンデミックが続くなか、アーティストもまた移動がままならない時間を重ねています。そんななかで積極的にステイホームしている、ステイホームしなければいけない理由があるアーティストもいることに気がつきました。自宅で生きものを飼育、栽培、培養しているアーティストです。
私たちは「ウィズコロナ」と言われる前から、言葉の通じない、感情や思考方法が抜本的に異なる他生物と生活をともにしてきています。生きものを飼ったり育てたりすることは、彼らを人間社会のルールに従わせることなのでしょうか。
今回、さまざまな生きものとともに暮らすアーティストの方々にアンケートをお願いしました。その回答には、人間相手では得られないコミュニケーションや想像力、他生物が導いてくれる生活と作品制作のあり方を発見することができました。(artscape編集部)
キュレーターズノート
海山ののさり(恵み)のなかで託された表現たち──柳幸典《石霊の森》/塔本シスコ展 シスコ・パラダイス
[2021年12月15日号(坂本顕子)]
ハリウッド俳優ジョニー・デップ主演・制作の『MINAMATA』、それに続き、原一男監督の6時間12分の超大作『水俣曼荼羅』が公開され、2021年後半は、筆者をはじめ世界各地の人々が映画を通して水俣という土地の歴史や現在に触れる機会ができた。時を同じくして、水俣市に隣接する、葦北郡津奈木町のつなぎ美術館においても「ユージン・スミスとアイリーン・スミスが見たMINAMATA」、「柳幸典つなぎプロジェクト成果展2021 Beyond the Epilogue」が開催され、会期終了後の現在も、柳幸典《石霊の森》が引き続き常設展示されている。