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2022年02月01日号のバックナンバー

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フォーカス

【ソウル】独立系デザインスタジオがデザイン産業を変える

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[2022年02月01日号(セオ・ヒョジョン)]

IT化による旧メディアから新メディアへの移行の状況など、日本と似たメディア環境である韓国では、若いデザイナーたちはどのように自らの制作や発表の場をつくり出しているのだろうか。 また、彼らの活動を支える教育や支援、政策にはどのようなものがあるのか。ソウルを拠点にメディアアートやデザインの作品制作と教育に携わるセオ・ヒョジョン氏にレポートしていただく。(artscape編集部)

キュレーターズノート

「紙破り」の作家、村上三郎の本当の姿

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[2022年02月01日号(中井康之)]

村上三郎を知る者の多くは、彼を「紙破り」の作家として認識しているだろう。そして、もちろん「具体」の主要メンバーとして活躍してきたことを。しかしながら、それを越えてより正確な作家像、その芸術の意味を問う者は、残念ながら多くはないと予想するのである。そのような日本国内でのゆっくりした動きに対して、海外では「具体」の作品がアートマーケットを賑わしているようだ。この評価の高まりは、2013年にニューヨークのグッゲンハイム美術館で、アレクサンドル・モンローが企画した「具体展(Gutai: Splendid Playground)」が開催された★1ことがひとつの要因となったであろう。ちなみに日本の戦後美術運動を代表するもうひとつの動きである「もの派」に関しては、その前年2012年にロサンゼルスの画廊が大規模な「もの派(Requiem for the Sun: The Art of Mono-ha)」展を開催している★2。同展は、関根伸夫の《位相─大地》を再現したばかりでなく、その作品を商品化することに成功したという。

異なる視線をみる試み、あるいは協働と演劇の力学について──原田裕規「Unreal Ecology」

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[2022年02月01日号(谷竜一​)]

京都芸術センターでは、さまざまなアーティスト支援のプログラムを実施している。なかでもCo-programは、アーティストの主体的な創造に、京都芸術センターが全面的に協働して展開するプログラムであり、公演・展覧会・その他実験的なものなど、多種多様な事業が展開されている。
本稿ではこのCo-programの一例として、2021年度のカテゴリーB(展覧会事業)採択企画である原田裕規の展覧会「Unreal Ecology」をみていく。原田はまずはビジュアルアートの作家だといえるが、筆者の専門である演劇の観点から眺めることで、さまざまなジャンルが混交する京都芸術センターゆえに発見される、原田作品の魅力が垣間見えるのではないだろうか。

作品タイトルをあなたがつけるとしたら?──中高生たちが「キュレたまプロジェクト」を通してつくる鑑賞体験

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[2022年02月01日号(橘美貴)]

高松市美術館では、昨春公募で集まった中学~高校生が企画した常設展「キュレたま2021企画 現象~移ろう世界〜」を現在開催している。このプロジェクトでは、彼らをキュレーターのたまご、略して「キュレたま」と名付け、冬の第4期常設展で現代アートの展覧会を企画することを目標に、約半年間、全5回にわたるプログラムを通して学芸員や美術館の仕事、高松市美術館の所蔵する現代アート作品について理解を深めていった。キュレたまたちはプログラムのなかで感じたことを生かしたユニークな企画を考え、「現象」をテーマに高松市美術館の所蔵作品23点を紹介している。本項では、キュレたまプロジェクトの経緯とプログラムの内容、出来上がった展覧会について紹介したい。

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