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2022年09月01日号のバックナンバー

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フォーカス

【カッセル】ドクメンタ15──インドネシアのコレクティブ、ルアンルパが欧州に放った光と影

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[2022年09月01日号(丸山美佳)]

ドイツのカッセル市で開催されている「ドクメンタ15」の100日間が9月25日で終幕を迎える。アーティスティックディレクターにインドネシアのルアンルパが抜擢された当初から、期待とわずかな反感や懐疑的な意見が混じりあっていたが、ドクメンタ15を巡る一連の出来事──初めてアジアからの、かつコレクティブによるディレクションという話題性と、開始以前から続く反ユダヤ主義を巡る論争と数々の声明が発表されるメディア風景★1、そしてそれとはまったく別の顔を見せるカッセルの街で、少なくとも1,500人以上のアーティストによって繰り広げられる展覧会や活発なイベントの数々──に多くの注目が注がれてきた。

キュレーターズノート

日本の80年代美術展を展望する

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[2022年09月01日号(中井康之)]

ここ数年にわたり、日本の80年代美術を主題とした、あるいは同80年代の作品が主体となった展覧会が連続して開催されてきた。コロナ禍が世界を覆い尽くして3年目となる2022年6月から8月にかけて兵庫県立美術館で開催された「兵庫県立美術館 開館20周年 関西の80年代」によって、その連鎖はとりあえず終止符が打たれた(と思う)。ところで、同展タイトルにも謳われているように、日本の80年代美術は特に関西を中心に特徴的な動きを見ることができた現象であったといえるだろう。そのような地域特性を反映するかのように、この連続した80年代展は日本の地方都市と海外という、日本の戦後文化の中心地である東京を避けるようにして開かれた。その事実を確認するためにも、巡回展を含めて、展覧会名、会期、開催場所を展覧会ごとに列記してみよう。

漂流のゆくすえ──「もしもし」から「てくてく」へ

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[2022年09月01日号(中谷圭佑)]

東京の大学院を卒業し、京都市の中心部にある旧い小学校を改修した文化施設、京都芸術センターのスタッフとして働き始めてから5カ月が経つ。移り住んだ京都のむせ返るような夏の暑さには未だに慣れないが、アシスタントキュレーターではなく「アートコーディネーター」という聞き馴染みのなかった自らの役職名にはやっと慣れてきた頃だ。
私が京都芸術センターのアートコーディネーターとして現在担当している事業のひとつに、2022年10月1日(土)から始まるミーシャ・ラインカウフ「Encounter the Spatial ─ 空間への漂流」がある。本事業は、今年で13回目を迎える「KYOTO EXPERIMENT(以下、KEX) 京都国際舞台芸術祭 2022」のプログラムのひとつとして企画されている展覧会だ。

360°ビュー

【PR】「さわる絵画」で「見ること」を探求する──「光島貴之滞在制作・展示 GOING OVER ─まちの肌理(きめ)にふれる─」展

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[2022年09月01日号(光島貴之/河原功也/artscape編集部)]

現在、東京都渋谷公園通りギャラリーで、京都を拠点に活動する全盲の美術家、光島貴之氏の個展が開催されている。光島氏は1992年からさまざまな現代美術展でアート作品を発表しているが、本展では渋谷のまちをテーマに滞在制作を行ない、観客も制作に参加できるという。光島氏と同ギャラリーの学芸員河原功也氏に会場でお話を伺った。(artscape編集部)

artscapeレビュー

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