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2004年12月19日

光陰矢のごとし

なんと12月も中旬を過ぎて、残すところあと2週間。年末年始の予定を確認しながら、今週の予定を確認。夜は珍しくテレビを見て過ごす。
「ソロモンの王宮」のデューク更家に続けて「情熱大陸」で鮨職人・荒木水都弘(あらきみつひろ)38歳の鬼気迫る追い込みの仕事ぶり。弟子への10年先の握鮨の完成を期待する師匠の素人(門外漢)には計り知れない深い教え(諭し)のシーンに見入る。
スタイルは違えども日々精進する二人の生きざまに感慨する。

2004年12月18日

講評会

多摩美術大学情報デザイン学科情報芸術コースの学外展「TECH展」の公開講評会のために会場となる三鷹市芸術文化センターに出かける。今年のゲストは椿昇、八谷和彦、と僕の3人。11時から20時、正味8時間かけて21人の作品を丁寧に講評し、終えたときには皆ぐったり。学生が表現者として自律できるようになるための一番大切な部分、「作品をつくるという世界観」を獲得し、それを自己のものとすることの難しさを、彼らの作品を見ながらあらためて痛感。

2004年12月17日

朗報!嬉しい知らせ

12月3日(金)、日帰りで大阪出張し、日比野さん共々、協賛・協力のお願いに伺ったレンゴー株式会社秘書室の川本氏から、朝一番の朗報。
来年8月開催の日比野克彦「一人万博」で使うためのダンボール材の全面提供、技術協力、芸術館までの搬送協力が社内的に決まったとの連絡を受ける。一足はやいクリスマスプレゼントを頂いた気分。「ダンボール」の手当が確定したことで、企画の展開・実施に大きく弾みがつく。なんとも嬉しい。24日には埼玉の工場に、日比野さんと行く。
レンゴー株式会社は、「段ボール」「段ボール箱」を日本ではじめて事業化した「三盛舎(後に「三成社」と改名)」(1909年操業)の流れをくむトップメーカー。同社は、社会貢献の一環として「ストラディヴァリウス“ラング”(1714年製作)」を保有し「オーケストラ・アンサンブル金沢」へ貸与もしている。

2004年12月16日

直島

2004年7月に開館した、財団法人直島福武美術館財団が運営する「地中美術館」をやっと訪問。安藤忠雄の設計。これで今年開館した国内の主要美術館は制覇。「地中美術館」にはクロード・モネの「睡蓮」シリーズ5点とウォルター・デ・マリア《タイム/タイムレス/ノー・タイム》、そしてジェームズ・タレル《アフラム》《オープン・フィールド》《オープン・スカイ》の3作品が永久展示されている。タレルの光の粒子が靄がかって見える《オープン・フィールド》は楽しめる。でも一番の作品は安藤建築そのもの。展示空間の中心に位置する三角形の中庭空間はきれい。永久展示の作品群を守る、全貌を地中に埋める、ひんやりとしたコンクリートの要塞は、夏の空の下では違った印象を与えるのかなと思いつつ、気がつくと12時近い。島の反対側の場所で展開する「家プロジェクト」の午前中の開館が13時までだったことを思い出し、慌てて移動。
台風16号でやられてしまった「ぎんざ」は修復中。内藤礼の《このことを》(2001)は見えず。「角家」の宮島達男《時の海'98》(1998)と「南寺」のタレルの《バックサイド・オブ・サ・ムーン》(1999)は再度の見学。2002年の護王神社」杉本博司《アプロプリエイト・プロポーション》は初見。つまり3年ぶりの直島。
お約束の生協のうどんやさんに寄り、自家製の旨いあげの入ったきつねうどんを食してフェリーに乗船。高松港を降りて最寄りの高松城披雲閣ほかを見学し、最終の便で高松空港から戻る。

2004年12月15日

香川県

直島の「地中美術館」を訪ねるために、高松空港に降り立つ。今日は、終日香川県側でいくつか観て歩き、島に渡る。ジャパニーズ・モダン「剣持勇とその世界」展が丸亀市猪熊弦一郎現代美術館(MIMOCA)で開催されている。金丸座を見学する琴平経由で向かう。
CIMG5072web.jpg
ネットで調べた金丸座には柱がある(2001年撮影)。しかし、僕が目にした金丸座には柱がない。耐震補強工事の際に文化庁の指導と許可を得て、柱が邪魔でみづらい座をなくすために撤去したと。保存と修復の難しさを思う。

金丸座を後にして丸亀市猪熊弦一郎現代美術館に向かう。副館長になられている白川氏に御挨拶。2004年11月20日にオープンしたMoMAの新館を手掛けた谷口吉生氏の手によるMIMOCAは1991年竣工。水戸と1年しか違わない割には、きれい。経年のヘタレを感じさせないのにはちょっと感動。彰国社から出ている「エスキス04」を購入。MIMOCAのすべてがまとめられた建築図書で古谷誠章氏の編著。

丸亀から牟礼に移動。イサムノグチ庭園美術館を訪ねる。美術館として開かれてからは初めての訪問。敷地内全てにイサムノグチの息吹を感じることのできるこの空間は貴重。その世界観を守る池田さんらの尽力に脱帽。イサムと言えば、谷口氏の父上との交流が思い出される。

直島に向かうフェリーに乗り込むと、全てを向こう岸に置いてきた気分になる。

2004年12月14日

協賛依頼

水戸芸術館の来年度企画事業のための協賛依頼の為に上京。

2004年12月10日

展覧会とダンス

新宿からすぐなのにそこまで足を伸ばせず、逃していた展覧会を初台でみる。
1)NTT−ICCでの「明和電機・ナンセンス=マシーンズ」展。11年の活動を一望できる。エーデルワイスの自動演奏を堪能。愛ある世界が展開。ふむ。

2)ヴォルフガング・ティルマンス個展「Freischwimmer」を1階したの東京オペラシティーギャラリーでみる。みんなに「良いぞ!」とさんざん聞かされていた展覧会だけど、噂に違わず良い展覧会。作品がなんとも目にし易い。展示ギャラリーがいつになく広く感じられる。入ってすぐの部屋の《窓/カラヴァッジョ》(1997)や《トマト》(2003)にのっけからパンチを食らわされて脱帽。作品の大小、展示の粗密、さらにそこに漂うみずみずしい感覚だけは会場に足を運び体験しないとわからない。展覧会することの意味を味わう。僕もよくデザインでお世話になる近藤一弥の編集したカタログも良い、鑑賞ガイドも彼らしいまとめかたで判別しやすい。でも、どんなにすてきに編集されてもA4サイズの版形の本におさめられてしまってはわからない作品世界もある。作品のための舞台が展示空間なんだ。わぉー。

3)ビルを一度出て隣の新国立劇場に移動。「Noism04 black ice」の客席に座る。りゅーとぴあ新潟市民芸術文化会館舞踊部門芸術監督の金森穣の東京公演。美術を高嶺格が担当する。休憩を挟んだ3幕公演は「black wind」「black ice」「black garden」と進むにつれて、高嶺ワールドが色濃くでているように見えてしまう。好きだったのは映像を使った「black ice」。へへ。