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MORI channel|水戸芸術館現代美術センター学芸員・森司によるブログ。学芸員の日常や最新のアートニュースを伝えます。
2007.5. 3

飛蝗

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柏の葉キャンパス駅最寄のマンション予定地に飛蝗を展開するプログラムの立会い。この広々した場所に飛蝗を広げたわけだけど、もろもろあって作業が終了したのは14時。夏のような日差しですっかり日焼け。みんな腕や顔を赤くしている。久しぶりに室井さんや椿さんにも会う。飛蝗を展開するたびに集うので、飛蝗同窓会の気分。遊びに来ていた森脇祐之さんとももろもろ話ができた充実した1日となる。
次回は8月31日・9月1日・2日と水戸芸術館の広場で飛蝗を展開する予定です。
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会期最終の「夏への扉」展の会場も来場者多数でにぎわっていると連絡をもらい、特に本の出足がいいとのこと。朗報である。

Posted by 森司 at 08:42 | 訪問記
2007.2. 4

季節が変わっていた。

結局、1日から泊まりになり、2日は朝から5日の撮影のための打ち合わせをし、午後2時から記者会見、3時30分からフェイス説明会、5時からCACトーカー向けとレクチャーの梯子。その後も深夜まで詰めて、27時ごろホテルに入り軽く寝て、早朝着替えに戻り、3日の9時30分の開館を無事すませて、NEWS用に会場撮影し、レセプションの準備をし、2時から松井みどりさんの講演、3時30分レセプション、交流会、3次会、4次会まで済ませてやはりホテルで眠り、強風のために遅延した電車を駅で1時間近くまって、昼過ぎに帰宅する。自宅最寄の駅で降り、歩き出したら、季節が変わっていることを実感した。春になっていた。

帰宅して、再びベットに横になり本当に起きたのは午後3時頃だった。この日1食目の飯を食み、しばらく、どのように過ごそうかと考え、靴を買いに行く。春の衣替えを靴からすることにしたからだ。用途の違う靴を3足買い、下駄箱にあったブーツを別の場所に運び出し、局所的衣替えを敢行し満足する。

明日、5日は朝8時集合。展示会場の撮影ためだ。9時頃から寝る準備に入り、10時には夢の中。

Posted by 森司 at 01:20 | 訪問記
2007.1.14

予定変更・クレマチスの丘

海に入り水平移動し始めた段階で、どうにもこうにも「今日はダメだ!」と思ってしまったので、そのまま岸に戻り、今日の予定をあきらめ、予定を変更する。
三島駅から30分くらいの場所にある「クレマチスの丘」に向かう。目指すはイタリアレストラン「マンジャ・ペッシェ」でのスペシャル・ランチ。予約せずに行ったため1時間待ち。
その1時間を使ってベルナール・ビュフェ美術館で作品を見る。これがちょっとすごい。僕は知らなかったけど2000点のビュフェコレクション。生涯に描いた作品の1/4だ。
ベルナール・ビュフェは、1928年7月10日パリに生まれ、1999年10月4日に逝去する。僕の中ではもっともっと昔の人になっていた。生涯現役として描き続けた作家は、思いのほか現代に生きていた。1999年最晩年―71歳の生涯を自らの手で終止符を打った年―に描かれた2点が並んで展示してあるのだが、ひときは僕の目を引いた。《死》と題された作品である。この作品を目にできたのは、ぼくにはちょっとした発見であった。
時間をかけたランチを終え、ショップを見て、ヴァンジ彫刻庭園美術館を散策し、辞したときには4時を過ぎていた。
予定違いの思わぬ休日充電。明日からは展示関連の調整だ。作家第一陣、有馬かおる来水。15時の予定。それまでにもろもろ片付けないとならない。
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新幹線の三島駅ホームから。焼けるような夕焼けだった。太陽のある絶好の日よりなのに撤退。そんな日もあるヨナ。

Posted by 森司 at 23:50 | 訪問記
2006.12.21

大竹伸朗 全景

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MOT屋上に「宇和島駅」の文字。水戸芸術館での展示を思い出す。
「全景」をどうにか会期終了までに見ることができた。見終えるのにしっかり時間がかかる。やっと見終えてショップに向かう途中で、運良く大竹さんに出くわす。さすが痩せてしまっていた。お疲れ様です。来年、福岡と広島で展覧会が決まっているそうで、新作や未発表作品を加えた組みなおしの作業に早速にもかからないとならないそうだ。個人的に気に入った色鉛筆でのスケッチがあったので学芸に向かう大竹さんを追いかけて聞いてみたら、すでに人のモノ。ショップで1月下旬刊行予定のカタログを予約しつつ、モロッコ旅日記「カスバの男」を購入する。気に入った作品の仲間が収録されている。気分だけでもと思っての購入。514円+税ですんだ。

会場で日比野展を手伝ってくれた詩さんにばったり出くわした。スパイラルまで道行さんをお願いし、話しながら移動。「GIFT,THE STORE」の初日(-28)。イチハラヒロコさんが売り子をしていた。

その左横はひびのづえさんのブース。その二つ右には椿さんのコーナーがあった。気になっていた作品には赤丸。お金を使うことなく無事通過。詩さんと分かれてタクシーで文化村に向かう。

「夏への扉」出品作家の大木祐之氏とマネージャーの浦野さんと吹き抜けのテラスでがっちりと打ち合わせ。展示プランほかきっちり決まり一安心。大木さんはあすから福岡ほかとのこと。

1階上の劇場で野田秀樹「ロープ」を観劇。衣装はひびのこづえさん。主演女優は宮沢りえ。重いテーマを考えさせる仕上がりはさすが。

その後、パルコ出版の森さんと「夏への扉」展のカタログ書籍について打ち合わせをして帰還。午前中は水戸での打ち合わせ会議に出席していたわけだから、長い1日に思えても無理ない。

やっと入稿した原稿の確認のレスが入っていた。OKのようなので脱稿とした。NYの落合多武さんからもレスメールが入っていた。展覧会もカウントダウン段階に入りつつある。今年も残すところ10日だ。

Posted by 森司 at 02:17 | 訪問記
2006.12. 2

金魚

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佐藤卓×茂木健一郎の対談がコンサートホールで開催された。そのステージのバックのスクリーンには2匹の金魚が映し出されていた。バックステージには控えの金魚があと3匹、用意されているとのこと。2時間の二人の対談は、絶妙・微妙な間合いとトークのやり取りがつづき、予定した時間は密度ある時間となって昇華されていった。

後日談:「なぜ金魚なのか?」
座談会用に準備したスクリーンを使わないことに直前なった。が、いまさらしまい込むわけにもいかない。それならばと思案した佐藤卓さんが金魚を映しておくことを閃き、自ら調達し、ああなったという次第が真相とのこと。裏話は聞いてみるまで関係者であっても直接の当事者じゃないとわならないこともあるよくある事例。

Posted by 森司 at 23:33 | 訪問記
2006.11.20

4-4-4

第2回打ち合わせ
4時間かけて出かけ、4時間のミーティングをし、4時間かけて戻る。そんな1日。
2008年2月を開催時期に予定する展覧会の仕込み。20数日前に1回目の打ち合わせをしたときのキーワードから、いったいないがテーマなのか、いったいなにがしたいのか探る会話を続ける。茫漠として状態から日がとっぷりと暮れた4時間後には、おぼろげながら輪郭らしきものが見えてきた気がする。うれしいのは僕よりも作家側の方がより具体的にはっきりと像を結びつつある点だ。でも実はまだ答えを急いでいない。12月の年度末に年内最後の打ち合わせを約束し、固い握手をして別れる。

Posted by 森司 at 07:09 | 訪問記
2006.11. 4

クリストに遭遇する。

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Posted by 森司 at 00:37 | 訪問記
2006.11. 2

光州ビエンナーレ

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Posted by 森司 at 00:32 | 訪問記
2006.10.19

日比野克彦応答せよ!! 

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岐阜県美術館での日比野克彦個展オーニングレセプションに出席。開会は10月20日から12月24日。
忠節橋が浮いている。床や壁もダンボールで覆われた会場は、まさに一面、日比野ワールド。
新たにデザインされたユニホームのトレーナもなんとも魅力的。(売店にて発売中)

この日は朝一番で、名古屋市美術館での藤本由紀夫展を見て、お昼を挟んで豊田氏美術館でガーデン展を堪能、遅刻しつつ岐阜県美術館に駆けつけ、レジデンスでの打ち上げにちょっとだけ参加し、20時の新幹線で戻る日帰り。

明日、21日はクリテリオム69の会場撮影や内見会などでばたばた。

Posted by 森司 at 16:51 | 訪問記
2006.10.11

滋賀・大阪・兵庫

京都に泊めてもらったので、振り替え休を取って、関西の美術館を駆け足で見ることに。
あいにくと朝から雨。最初の目的地である滋賀県立美術館に着いたときにはかなりの降り。10時過ぎに会場を回り終えたら、最後の部屋で個展開催中の中ハシ克シゲさんが黙々と制作を行っていた。そこに三々五々友の会のお手伝いの人たちが出かけてきていた。会話のやりとりかお世話になったことが見て取れる。地域の協力が得られないと実現しないタイプのひとつともいえる。会場の作品はすべて美術館の別の場所で制作したとのこと。京都芸大の彫刻家の教員ととし移籍しため比較的時間が自由になるのでやりくりできているとのコト。何よりだと思う。
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ZEROs―連鎖する記憶展は、2007年4月-5月の会期で鳥取県立博物館にこのあと巡回する。


大阪に向かいでまず2年ぶりの野村仁個展。2年まえの作品も収録された作品集「野村仁:偶然と必然のフェノメナ 見る」(赤々舎)が刊行されていた。野村作品の攻略には必須の1冊が作家自らの手で用意されたタイプの本。
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新作「宇宙樹’06」

信濃橋画廊で、久しぶりに森口まどかさんと会い、作品を見せてもらい、お茶をもらって一服。

申し訳ないぐらいの滞在時間で辞して、国立国際開催中の「ESSENTIAL PAINTING」展を調査。そうそうたるメンバー計13作家の作品が展示されている。

そこから伊丹市美術館に向かい、今村源個展を堪能。
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ノマルエディションから刊行されたアーティストBOOKとしてのカタログも魅力的。中ハシ克シゲ展のカタログも充実した内容のものだ。

本で重みを増したカバンに絶えかね、タクシーで空港に向かう。この時にはすっかり雨もあがっていた。搭乗予定時間30分ちょっと前に着いたのだが、乗る予定の便の到着が出発時間頃になるというアクシデント。他社便に振り替えてもらい30分遅れで、東京での約束の場所に着く。そこでやっとまともな食事にありついた。

Posted by 森司 at 23:55 | 訪問記
2006.7.25

越後妻有・2日目

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二日目朝一番で美しい棚田を駆け抜けて、荕平に日比野さんの明後日新聞社に向かう。雨のため、九博から搬送されたFUNEは倉庫の中、朝顔バルーンも地面に降りていた。それでも社主コレクションはさらなる充実を見せていて、目を楽しませてくれる。五十嵐君に会えたのはラッキーだった。

古民家再生プロイジェクトの成果を見たり、ボルタンスキーの大きなアートがまだある国の大きなアート作品を堪能した後、田んぼの中に設置された巨大ブランコに辿り着いた時には、もう夕暮れ。

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越後語妻有の半田君の大きなブランコ。仕様はどれも一緒。異なるのは設置場所。思わずクリストの傘を思い出す。ブランコのベンチは腰よりも高い位置にある。竹とロープを使っただけのシンプルな仕掛け故に、その突き抜けたスケールが気持ち良い。

もう一度、そばを食べ、一休みして岐路に着く。塩沢石打のインターンに向かう山越え道で宿―大沢温泉の大沢舘―を見つける。ちょっとよさげ。

Posted by 森司 at 14:21 | 訪問記
2006.7.24

越後妻有・1日目

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10時過ぎには十日町のキナーレには到着していて、早速調査開始。開発さんに遭遇し、古郡さんの作品予定地方面に出品していることを聞く。で、古郡さんの作品はまだ未完成。翌日見た、「BankART妻有」も制作(リノベーション)の真っ只中であった。

まとまって作品らしい作品に遭遇したのは、FUKUTAKE HOUSE。ここは複数の画廊が出品するコンプレックス会場。さすがに目は納得。ポスターが古平さんのデザインであることに気づいた同行の若者たちは興奮。3年前にこへび隊としてこの場所を拠点(ねぐら)としていた者は、それを懐かしがるなど、人それぞれ。

入館は5時30分まで。6時終了。6時50分の日暮れを車を走らせながら待ち、2003年に評判だったという、ライトアップ作品を見て、十日町に予約した今日の宿に向かう。
同行したメンバーが開発したコミュニケーション誘発ゲームを夕食後に体験。結構楽しめる。
朝も早く、明日も終日運転。健全な時間に消灯。

Posted by 森司 at 15:21 | 訪問記
2006.7. 8

浅草

7月20日の大施食会(おせがき)に日程的に出席できないので、ちょっと早いが、浅草のお墓のお参りに行き、ちょっとふんぱつしてきっちりとしたしごとをしてあることで定評のある江戸前のすし屋で食事をし、その帰り道、すみだリバーサイドホール・ギャラリーで6月17日から7月18日まで開催中の照屋勇賢の個展「水に浮かぶ島」展に寄る。

紙袋やトイレットペーパーの芯から「木」を生み出す作品もすごいが、華やかな色合いが楽しげな雰囲気を視覚的に与える沖縄に伝わる紅型をつかった着物の作品《結い》(2002年作、同年VOCA展にて奨励賞を受賞)が、落下傘部隊のパラシュートとジュゴンであることを目視した瞬間に、その見た目の印象とはことなった世界をたたえたものであることに気づかされる。

そしてビニールハウス内を飛び交うオオゴマダラ《空の上でダイヤモンドとともに》2006年は、照屋が照準をあわせる世界観を今後、どのような表現メディアや手法をつかって現してくのか予断できないことを強く意識させる。

藤浩志がバングラディシュ・ビエンナーレで金賞をとるのは自分ではなく、照屋勇賢だと思っていたと予期せぬ受賞を驚いていたが、消費社会へのまなざしおいてはたぶんに類似する二人であはるが、持ち込まれた作風は180度の開きがあった。

片やいらなくなったおもちゃを展示し、またそれらをパーツに飛行機をも作ってみせた。
片やトイレットペーパーの芯から木を切り出してみせた。

その差は、コンセプトの強度の差というよりも、純粋に視覚的な豊かさを与えた作品に多くの支持があったと理解すべきなのかもしれないと、会場で《Rein Forest》2006年を見ながら、そのような思いがよぎった。豊かさ(=罪的な大量消費)を豊かさで視覚化した藤の作品は、彼の地ではひょっとして(おそらくまちがいなく)とても豊かな作品に見えたことと想像する。
そのような地において、彼(=藤浩志)の仕事が、コンセプトの深さとあわせて了解されたとしたらとてもすごいこと。改めて彼の受賞の意味と意義を思う。

そして、日常をテーマに日常に潜む問題を作品化することの難儀さをつくづく感じならが、向島から高速に入った。

Posted by 森司 at 00:40 | 訪問記
2006.7. 7

七夕

大阪二日目。

児玉画廊で森千裕と合流し、6月28日に水戸で行った打ち合わせのその後を行う。彼女の中で展示イメージが熟成しはじめ、あらたな展示構想を聞く。悪くない。ますますいい感じに落ち着いてきた。今度、制作する新作を含め、展示作品の確認をあらかた終える。

午後から、青木陵子と展示イメージについて協議。長方形よりも正方形の空間をイメージしているとは作家の弁。最大サイズの正方形の空間に必要な作品展点数を割り出し、展示予定の旧作を洗い出し、絞り込む。この作業を終了させ、確定させることが急務。

いったん児玉画廊を辞して、中ノ島界隈の画廊を歩く。おりしも七夕。浴衣姿で町を練り歩く一群に遭遇する。

児玉画廊に戻り、サクラアートミュージアム移動し、ご挨拶をすませて、新幹線に乗る。

Posted by 森司 at 00:09 | 訪問記
2006.7. 6

一つで「三つの個展」

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「伊藤存×今村源×須田悦弘」展が、国立国際美術館で6月27日から9月18日の会期で開催されている。
この三作家のオムニバス展である三つの個展は、「中井康之×島敦彦×加須屋明子」とう3人の国立国際の学芸員がそろぞれに担当している。ポスター3種。カタログも3冊がケースに収めれている。3作家-3キュレータの共演による個展は、作品点数も多く、見ごたえのある個展というグループ展であった。

Posted by 森司 at 18:14 | 訪問記
2006.7. 2

福井・芦原温泉

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金津創作の森 アートコア・ミュージアム-1およびギャラリーで7月1日から8月20日の会期で開催される「ひびのこづえ展」を尋ね。6時の電車で移動をはじめ、米原で新幹線から乗り換える。冷蔵庫のような車両で冬眠するように眠り続けた。サッカー観戦での睡眠不足者には重要な一時だ。通レンゴーの工場を目にしながら最寄り駅である芦原温泉でおり、タクシーに乗る。11時30分予定の時間に着く。
「着く頃かと思って」とひびのこづえさんが外に向かえに出てくれていた。激しかった雨があがったところだと聞く。

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森の中に設置された巨大な服。

前日行われたパフォーマンスのビデオはすでに編集されて会場で上映されている。数時間会場に身を浸し、作者であるこづえさんと急がない会話をしてすごす。夕方、僕は在来線&新幹線のルートで、こづえさんは空のルートで東京に戻った。

Posted by 森司 at 20:18 | 訪問記
2006.6.23

向丘遊園

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小田急向丘遊園で下車し、日本民家園を通り過ぎ、綺麗に咲く花をめでながら、川崎市岡本太郎美術館に向かう。目指す展覧会「四次元との対話―岡本太郎からはじめる日本の現代美術」は4月8日にオープンし、この週末6月25日に閉じる。つまり、終了間際の駆け込みである。本当は、のぼりとゆうえん隊が「のぼりとまちなかアートプロジェクト」を主催し、藤浩志が『かえっこ』をしている4月30日に来ようとしていたのが、期を逃し今日になった。

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会場入り口。本展覧会は、ヨーロッパ巡回帰国展。2005年6月4日〜9月11日の会期でオーストラリアのグラーツ、2005年10月7日〜2006年1月22日でのスペインのビーゴ展を経て、岡本太郎美術館での凱旋展である。
次回展の誕生40周年を記念しての「ウルトラマン誕生40年の軌跡 ウルトラマン伝説」展のポスターが気になる。

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エントランスで出迎える作品は森脇裕之作《Lake Awareness》
一言でいえば「懐かしい」。センサーで人を感知し、光の照度を変える2005年の作品を懐かしいと思うには訳がある。クリテリオム20に出品した作品が母であり、10年の月日を経て進化し、昇華した作品として眼前に堂々たる姿を見せてくれているからだ。思わず森脇氏本人に、やっと目にした報告を兼ねた電話をしたのは言うまでもない。

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技術的進歩が森脇の思い描く世界を形することを可能とする。アイデアやイメージが常に先行する。エントランスで作品をめでながらしばし和む。

銀座に出て画廊を見て歩き、立ち飲み屋で少し飲んで帰宅する。

Posted by 森司 at 18:29 | 訪問記
2006.6.17

クレマチスの丘

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三島にある「ヴァンジ彫刻庭園美術館」を訪ね、松井みどりさんの杉戸洋に関する講演を聞く。
小山登美夫ギャラリーで発表されたときに目にしていらい10年ぶりの再会。ここのイタリアレストラン食事の美味しさは特筆。和食も期待できるとのこと。楽しみがまた増えた。

Posted by 森司 at 00:22 | 訪問記
2006.6. 9

福岡・太宰府

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ギャラリーアートリエ「100点の絵画」〜福岡・大分・佐賀・沖縄の作家による絵画展(-7月23日)
九博での日比野克彦のFUNEのオープンに出席するために福岡に向かう。先に、アトリエに立ち寄る。

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太宰府はおみくじまでもが、侍ブルー。この太宰府天満宮宝物電では特別企画展室にて日比野克彦展「描く書く然々」(-7月9日)まで開催中。

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送られて来た、本日の招待状。絵馬型招待状。なんだか有り難い気分になる。
この招待絵馬は、九州国立博物館で(6月9日〜7月9日)開催される「アジア代表日本―36艘のFUNE」のオープニングレセプションのもの。
2次会会場で藤さんに会う。彼はコンスタントにブログを更新し続けていて、日々感心しながら読んでいる。この日のこともきっちりレポート。コメントつき。良いところ突いてくる。アタタタタ。

Posted by 森司 at 23:33 | 訪問記
2006.6. 7

天上のシェリー

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「天上のシェリー/西野 達」(メゾンエルメル 6月2日〜8月31日)を見終えて、地上からその外観を眺める図。ブルーシート囲い部分が作品。これは必見の価値あり。ちょっと楽しめます。1階入り口から入り、エレベータで上がり、後は階段。

この日は、ギャラリー本城で個展「視覚文学論」(6月6日〜6月24日)をしている有馬かおると一緒に展覧会巡りをする。ギャラリー小柳でのOLAFUR ELIASSON展(5月31日〜7月8日)にシビレ、原美術の束芋「ヨロヨロン」(6月3日〜8月27日)を見て、MOTのカルティエ現代美術財団コレクション展(4月22日〜7月2日)を見て、清澄第3倉庫の画廊の個展を見て1日を終える良き1日。

Posted by 森司 at 23:09 | 訪問記
2006.5.28

アトリエ展

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伊藤公象先生の自宅、アトリエ展を訪ねる。

Posted by 森司 at 23:18 | 訪問記
2006.5.27

10/10

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1年に1日だけ開催する展覧会の10回目(最終回)に出かける。いつものように駅から美術館に向かう人の列に圧倒される。今回は夕方から21時まで。主である藤本由起夫さんは、終わりのないサイン会(それ事態がパフォーマンスのようにさえみる)を、する羽目に。何も展示のない茶室に騒ぐことなく、多数の来館者が作品のように集う。9/10がデュシャンを彷彿とされたとしたら、今回の10/10はさしずめジョンケージかな。そんな感想を抱えて、帰路につく。久しぶりの日帰り大阪。

児玉画廊にも寄り、森千裕展も見たし、中原広大の新作も見た。駆け足ながら充実した1日。あと、ヤノベケンジとも打ち合わせをすることができた。

Posted by 森司 at 23:21 | 訪問記
2006.1.26

1ヶ月会期延長—3月5日まで

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Posted by asblog-admin at 22:54 | 訪問記
2006.1.18

リトルモア

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写真集のカバー、表紙まわりの色校を確認する日比野克彦。明日は本文写真ページの色校が出る。


この日は館を休んでの東京。
一つめの目的は個展。原宿最寄りのリトルモアを訪ねる前に表参道から青山学院大学に向かう方にあるギャラリーGANにて「峯村敏明作品展—響きと照応—展」(1月21日まで)を見る。そこからスパイラルにより、ミッキーマウスの展覧会場でひびのこずえさんの作品に遭遇。永井さんも出していたな。ついでにNADIFFにも寄る。
ランチはピザ。携帯に電話が入り、しばし中座。チーズのとろけ具合の一番良いタイミングを失し、ちょっとだけ残念な気持ちになるが、それでも美味い。ワインが飲めないのが残念。


本命は、日比野克彦展に伴走して写真をとりつづけてくれたフォトグラファーの竹内裕二さんとの会場下見。リトルモアの地下で、「写真集」の刊行にあわせて記念写真展をすることになり、その会場プランのための下見。日比野さんと3人でしばし協議。1時間ほどでなんとなく案が出てきて、それの実現性を探る方向で準備することになりそう。さてどうなることでしょう。


銀座に移動し会議に出る。続く新年会への移動の間に、バーゲンで靴を速攻買いし、気分転換。3つめながら大本命の「新年会」は予定していた顔が揃わず、「新年会」としては成立せずお流れ。しかし気分は新年会のまま6人で蕎麦屋で鍋を食す。特急の時間で帰路。


美味しいものでも食べられなくなった自分の年(躰)に出会って新年早々がっかり。満腹のまま早々に床につく。

Posted by 森司 at 03:29 | 訪問記
2006.1.17

鹿児島

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南州館「竹の湯」。左が男湯で右が女湯。


霧島アートの森でのオノ・ヨーコ作品の見分を閉館時間の5時に終える。


鹿児島空港に戻る道すがらにある南州館にある3湯のなかのひとつ「竹の湯」のドロ湯を体験。脱衣所の脇は湯船。その無造作なまでの構いのなさに、はじめにお湯ありき、それも豊富なお湯あるきなんだろうなと思わせる。華美でも質素でもなく実利的。
湯船の底には確かに泥。お湯も本当にバチャバチャしちゃうと濁った泥水になる。
しっかり温まり上がった頃に、山仕事を終えた軽トラのお父さん(ま、おじいちゃんたち)が銭湯状態で出かけてくる。一湯200円はお値打ち。
僕にとっては「アートと温泉」のゴールデンコンビの南の横綱。ほかほかした躰で一路空港に向かい、最終便に乗り夢見の人となる。

Posted by 森司 at 01:52 | 訪問記
2006.1.16

福岡

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永井英男「おもいっきり、笑月」展。IMZビルB2・イムズプラザ


久しぶりに(2004年のカフェイン水戸に出品してもらった)懐かしい、ジャント馬場やブッチャー、体操の先生の作品を見る。明日が搬出日=今日が最終日ということもあり、福岡入りしていた永井さんと胡麻サバ定食ランチを食し、彼が見つけて気に入っているという落ち着いたカフェでお茶しながら四方山話。IMZのご担当者の方がにお目にかかり御挨拶をした後、赤坂地区のネットで予約した室料50%OFFのホテルに荷物を置き、お湯に浸かる。
しゃっきとしたところで、雨の降りが本格化した福岡市内をタクシーで移動。天神地区の「しまげい」勉強会の会場に向かう。会場はアジ美の上のホール。基調報告者である横浜トリエンナーレのディレクターを務めた山野真吾氏と打ち合わせ。


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あと20分で開始というのに、今日の招聘窓口でもあるミュージアム・シティー・プロジェクトが運営する、B2地下のギャラリーアトリエに移動し、開催中の「通りと広場2—路上からの挑戦—」を見る。案内してくれた徳永氏に促されて会場に戻る。


いざ始まると、さっきの打ち合わせは何処へやら。僭越ながら司会者として強引に話の途中に介入し質問を挟み込む。終了後は藤さんや若い作家たちを交えて10数人で居酒屋へ。場に居る関係者の和み方や楽しみ方に、先ほどの会もそれなりの会になっていたようだと感じられて一安心。気心知った仲間の中で、ぼーとのんびり、判断と思考を停止する夢現な夜となる。

Posted by 森司 at 01:22 | 訪問記
2005.12.13

青/ブルー/BLUE BOX

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丸い太陽から光が放たれている感じに写せて朝からちょっと満足。お気に入りな1枚。

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久しぶりに大きな固まりの雲が浮かんでいるので思わず撮影。


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今日は、平面・絵画作品の展示作業日。搬入されて各部屋の各壁に作品は置かれていて、作家立ち会いのもと、展示作業が進んでいく。この作品は西成田育男氏のもの。

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すでに、立体作品の搬入も終わっていて、明日から展示作業が始まる。この作品は鈴木りん壱君のもの。

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午前中の美術部門の会議に出席。会議後急いで会場を回って、写真におさめ、常磐線の人となる。下の写真はスーパーひたちの車窓から写した空。
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外苑前で降り、ふとワタリウムに寄る。ショップのON SUNDAYSの地下を覗いたら、好評につき会期延長しました!とFREITAGをまだ一杯揃えていた。それどころか今入荷したというシルバーのトラベルバック「F37 RENEGADE」を見せられて思わずの衝動買い。本当はちょっと小さめの真っ赤な「F96 FRITZ」を探しに来たはずなのだが、あたらにバック2つを手に約束の場所に急行する。

その場所はNADIFF。数日後にベルリンに戻る予定の島袋道造さん、野口里佳さんの二人の作家と美術評論家・松井みどりさんと合流。場所を移して、2007年の企画展「夏への扉」に関する打ち合わせをする。あとからその場に、10日について21日はNYに戻るという本当の一時帰国中の落合多武さんも合流。
落合いさんにはアトリエから見繕って持ってきたという、未発表の作品のファイルを見せてもらう。とても素敵なドローイングをワクワクしながら見て幸せな気分になる。良い日かもしれない。

松井さんの企画意図を作家の作品を通して身体化するいつものパターンだ。打ち合わせの都度、だんだんといろんなものが見えてきて、形になる前のイメージが僕のなかにあらわれる。


その後、松井さんと僕は、清澄に六本木から移転したhiromi yoshii ギャラリーに移動し、泉太郎さんの新作を見せてもらい、さらに吉井さんには作家資料を見せていただきつつ作家本人を交えて4人でしばしの懇談。

ここで松井さんとは別れて、僕はもう1回上のフロアー、小山登美夫ギャラリーで待つ、廣瀬さんを訪ねた。


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廣瀬智央「BLUE BOX」

デュシャンのグリーン・ボックスを思い出させるネーミングの、廣瀬さん作「BLUE BOX」は作品にしてまだ未完の作品。これから3年間に渡って、ときどきのスライドが追加されていくプロジェクトが終了してコンプリートになるプロジェクト型のBOXとのこと。その話を10日のオープニングの時に聞いて、その後の予定のあった横浜に移動する間に、僕もキャッチボールの相手として是非、参加してみたくなった。そこで横浜に着いて落ち着いたところで早速、廣瀬さんに連絡しエントリーを申し出でる。嬉しいことに快諾してくれた。
と言うわけで、すぐには動き始めないけれど、今後「BLUE BOX プロジェクト」(と、勝手に僕が銘々したのだけど)レポートをアップできることになると思う。「BLUE BOX」の詳細はまた追って。


1日の締めくくりは、ミラノに戻る前の廣瀬さんと、森下(深川)の酒場で一献。寒い日の夜、アートなお話を聞きながら、美味しいお酒をいただきました。1合徳利1本180円也。

Posted by 森司 at 08:27 | 訪問記
2005.12.10

走る

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牛久の大仏様の後ろ姿を拝む(かな)。

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突然目覚めたように強烈な光を放つ朝日の力強さに惹かれる。


クルマで移動する。
朝一番で市内での用を済ませ、高速に乗り千葉・佐倉の川村記念美術館に向かい、都内にもどって清澄に移転した小山登美夫ギャラリーを訪ね、そこから横浜のBankART1929を最終ゴールとするドライブに出た。幸いにして文句なしのドライブ日より。今日の行き先は、移動にクルマを使わないとちょっと不便する。ドライブ日和といったファンは理由だけではなく、至便性の理由からだ。単に川村記念美術館を訪ねるだけの時でもクルマを出すことが多い。しかし、今日は横浜まで行くロングドライブの1日。


川村記念美術館開館15周年記念特別展「ゲルハルト・リヒター—絵画の彼方へ」展。「フォト・ペインティング」「カラー・チャート」「グレイ・ペインティング」「アブストラクト・ペインティング」とリヒターの代表的スタイルの大作が呼応するように並ぶ。
1982年の《2本の蝋燭》が蝋燭の実寸からすればかなり画面の大きな作品であったこともオリジナルの直接的視覚体験として、いささかの驚きもあったが、僕が一番気に入り、衝撃を受けたのはガラスの作品。なかでも《11枚のガラス板》と題された大きなガラス板11枚を同じ位置に上下の隙間を少し幅を変えて重ね、立てかけただけの作品。そんな単純な仕草が無限の表情を帯びる絵画作品へとガラスを変容させる。仕掛けは明快な作品ながら奥は深い。僕の黒いハーフコートの裾が波紋状に映る。ちょっと幻惑的な画像だ。
3日前(8日)の朝日新聞に写真家、鈴木理策氏が寄せた同展覧会評の記事の挿図としても使われていたけど、《11枚のガラス板》に《雲》(1978)とそれを見る来館者が映り込んでいる様も良いし、正面に立つ自分の姿の映り込みを見るのも楽しい。
どう楽しい楽しいかは、作品の前に立てば分かる。まさに、その場でその作品を実際に「見る」ことを要求するこの作品は、リヒターが意図するように、振る舞うしかない。画集では、作品の存在を確認することができても、作品を見ることはできないのだ。

映り込むと言えば、200×180cmの銀メッキ鏡に枠を施した1986年の作品《鏡》があるが、鏡面を覗く自身や周りの風景が映るのは自明のこと。その点から言っても、さらに他のガラスの作品と比べても、僕は《11枚のガラス板》を堪能した。


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《11枚のガラス板》を十分堪能した後で、敷地内のカフェでコーヒーを一杯飲み一息入れる。斜光の生み出すカップの影が美しく思えて、携帯のカメラで記録にとどめる。


バス停手前で農家直売店から落花生(千葉と言えば落花生でしょう)を廣瀬智央さんへのおみやげに一袋買い、小山登美夫ギャラリーに向かう。渋滞に遭うことなく、少し道に迷いはしたが、心づもりした時間には到着。
今日から初日を迎える、廣瀬さんには、パラディオ展開催の構想があった際のヴェネト州の現地調査で大変お世話になった。坂井淑恵さんは僕がかつてクリテリオムで紹介した京都在住のペインターさんだ。縁ある二人の展覧会が同時開催となれば、訪ねないわけにはいかない。会場に居た廣瀬さんに新作「BLUE BOX」の説明を受ける。


横浜着の遅刻を許されない僕は、長居が出来ず、今回は坂井さんには会うことができなかった。横浜までの所要時間が分からず、安全を取って移動すると、あっと言う間に到着してしまった。19時過ぎの間際の入りと伝えてあったのだがかなりの余裕。自転車を借り、中華街に向かい、アツアツの肉まんを食べる程の余裕ぶり。


会場となるBankART1929は、アートブックの流通をメインテーマにした2日限りの[art×book fair]の初日。当然、会場には流通に乗りにくい希少本の山。買いそびれていた「百年の愚行」オリジナル復刻版と絶版になっていた「軍艦島」の復刻本をまずはゲット。
さらに200円でクジを引き、出た年号の本の山から本を選ぶ売り方にそそられて3冊購入。何を手にしたのかは、紙袋から出すまでは分からない。福袋的楽しみもある。僕は次の3冊を600円で買ったことになった。1992年の「マドンナの真実」(どうでも良いことだけど、ラジオで今日か昨日か、日本からロンドンにマドンナが戻ったニュースを聞いたばかり)、1995年は西垣通、戸田ツトム監修の「メディアの現在」(うひょひょひょ、図版の製品(デザイン)がなんとも古ぼけて見える。10年で製品は進化しているのだ。)そして1967年は川端康成の「眠れる美女」。このユニークな販売コーナーを主宰しているのがbook pick orchestra。
book pick orchestraは、『本のある生活をより身近にしていくために、そして人と本とが出会う素敵な偶然を生み出すために、実験を続けるユニット。北仲WHITEにてbookroom[encounter.]を運営する一方、ウェブサイトからクラブイベントまで、美術展から雑貨屋まで様々なところに出没。』しているらしい。


クジ引きを3度もしている間に、19時30分からのトーク開始時間になり、司会者に呼ばれて席につく。僕はbook pick orchestraを主宰する一人である内沼晋太郎さんとのトーク。「アート系書籍の流通について」のゲストスピーカーとして今日はここにいる。
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会場からの質問と応援もあり、内沼さんの「アート本を流通させるぞ!」決意表明でシンポジウムは幕となり、トークの後はみんなでBankART NYKに移動して懇親会。ワイワイ、ガヤガヤ。この一連のディレクションをやりつづけている池田さんのエネルギーに脱帽。


定番のNYKのウッドデッキからの眺め。
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Posted by 森司 at 02:51 | 訪問記
2005.12. 8

歩く

久しぶりに銀座を歩く。上司である逢坂恵理子水戸芸術館芸術監督と午前中、企業協賛を依頼しに某メーカーを訪ね、二人でお願いをする。地下鉄で移動して銀座で監督も教えてもらったと言うご推奨の薬膳の中華を食した後、久しぶりに揃って銀座を歩く。
その一番最初に訪ねたのが、SHISEIDO GALLERYでの「life/ art」'05のPart1、今村源(−12月25日)。本作品だけは写真撮影の許可が出ていてフリーで撮影可能とのこと。

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作品のタイトルは「受動性2005−12」(2005)


2週間という会期が惜しい。師走のこの時期、見逃す人も多数でることだろう。でも是非お出かけ下さい。2000年からはじまり今回が最後となる「life/ art」。5人によるグループ展として開催されてきたこのシリーズは、最終回は、作家間の協議により5人によるリレー個展として開催することになったとリーフレットにある。それゆえの2週間なのだろうけど勿体ない。
同じ空間で定点観測的に展覧会をしする試みが功を奏したのだろう、少なくとも遠因にはなっているだろうと思わせる、空間を縦横無尽に使い切った今村源の新作は素晴らしい。ブログだと「素晴らしい」の一言で終わらせてしまえるから良いけれど、本作品の良さを記述するのに僕にはししばらく時間が要る。幸いなことに25日までに再び銀座を訪ねる予定もある。もう一度足を運んで見たいと思う。
しかし、最近は一度で読み取れないことが多く、杉本博司展も2度出かけているし、2度目にも確実に発見があるものだ。ちなみに5人とは、今村源、田中信行、金沢健一、中村政人、須田悦弘。


続いて、HOUSE OF SHISEIDO での「石内都の写真と共に永遠なる薔薇」(−06.01.29)を見せてもらい、ギャラリーなつかに寄り「五十嵐威暢シリーズ展」(−12.22)で、薄いシナベニヤを切り出した「カットアウト」を見る。その中の1点を個人的にとても気に入った。


ギャラリー小柳でアネット・メッサージェ展を見る。
山と積まれた捕らえたネズミの廻りを枕に寝た子猫が4角形にぐるぐる回り続ける作品「長枕のリング2002-2005(L' enclos du traversin 2002-2004)」は、さまざまに解釈のできる間口と奥行きのある意味深い、それでいて視覚的には優しく、なんともチャーミングでシュアーな作品。ユーモラスだけではなく、アイロニーだけでもない、それらが微妙に出たり入ったりするバランスの中にある。視覚的な満腹感と共に、表参道に向かう。


表参道界隈に事務所を構えるデザイナー・カズヤコンドウとは、逢坂監督が担当する次次回展「人間の未来へ—ダークサイドからの逃走」(06.02.25--05.07)の広報物のデザインに関する打ち合わせ。きっちり組み上がったラフ案が用意されていた。相変わらず密度の濃いカズヤコンドウらしいテイストのデザイン。ちなみに出品作家はマグダレーナ・アバカノヴィッチ、フィリップ=ロルカ・デコルシア、アントニー・ゴームリー、橋本公、広河隆一、マイケル・ライト、ジェームス・ナクトウェイ、シリン・ネシャット、オノ・ヨーコ、ユージン・スミス、スゥ・ドーホー、ビリヴィオラ。とがっちり本格派の現代美術展です。


今後の進行の確認をして辞し、ナディフで森村泰昌「卓上のバルコネグロ」展(−06.01.09)を見て、逢坂監督と別れる。監督は18時からの別の場所で会議が2つ入っているとのこと。僕は、ヒビノスペシャルに連絡して、本の進行について確認。制作進行のタイミングがあわず、立ち寄る必要がなくなりフリーとなり、珍しくちょっと早く切り上げて戻る。

Posted by 森司 at 09:30 | 訪問記
2005.12. 7

百年の孤独

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日の出6時48分。
1分違い(49分)でがらっと表情が変わり、50分にはすっかり夜があけて1日が始まった気分となる。今日も頑張ろう!


午前中、ちょっと趣味の時間のために出かけ、昼過ぎに戻るとマイアミのアートフェアーから帰国した松井みどりさんから、ぞくぞく写真がメールされつつあった。そのほか情報や日程調整のメールもあり、それに返事をする。折り返し、週明けに「夏への扉」展に出品をお願いしている作家に会う場所と時間がメールされてきた。


週の中、休みをとったのは、夜、東京に行くためだ。
「HEART of GOLD —百年の孤独」を世田谷パブリックシアターで見る。資生堂の企業文化部でメセナを担当されていた高辻ひろみ氏が6月から「世田谷パブリックシアター」と「シアタートラム」を含めた世田谷文化情報センターの館長に就任されている。


『百年の孤独』は、G.ガルシア・マルケスの小説。この作品をモチーフにパパ・タラフマラの小池博史が作・演出・構成したもの。いつも案内を頂くものの、本当に久しぶりにパパ・タラフマラのステージを見る。舞台進行上重要な役目を果たすライト・オブジェを造形作家の森脇裕之さんが担当し、彼からも見て!と、招待の連絡をもらっていた。行かないワケにはいかない。受付では、キネティック・オブジェを担当した田中真聡さんにも会う。(銀座での個展、見に行かれなくでごめんないでした。)ステージは15分の休憩を挟む2時間、11のシーンで構成されている。


開演前に椅子に座り、パンフレットに寄せられている小池博史の「口上書き」に目を通す。
『…寺山の晩年の作品として舞台芸術化させたものである。(—中略—)晴海埠頭の巨大倉庫で行なわれた公演は成り立っていたのである。』の下りを読み、暫くして、すっかり自分の記憶から忘れてしまっていた記憶を思い覚ました。


確、僕は寺山修司の芝居を観に、晴海の倉庫に出かけ、広い空間の会場の椅子に見を沈め見ていた。しかし、あのときの芝居が「百年の孤独」であったことを覚えていない。芝居に疎かった(今でも十分に疎いのだが)僕は、「百年の孤独」を見に行ったと言うよりも、唐十朗の状況劇場を見に行くように、寺山修司の天井桟敷の芝居世界を見る—というよりも、おっかなびっくり覗くような気分で—出かけていったことを鮮明に思い出した。


さて、今回の「百年の孤独」は、時間を感じさせることなく、一気に終演となった。パパ・タラフマラの「百年の孤独」は、映像美として記憶に留まっている。そしてそれは、いまだ未消化のまま僕の中にまだ残っている。

どうしても気になって芸術館の演劇部門のスタッフに聞いたら「資料ライブラリー」に映像があるという。 

演劇実験室「天井桟敷」第29回公演『百年の孤独』(発売・販売 アップリンク)。
そのビデオの箱書きに
「晴海の国際見本市会場という巨大な空間に設けられた4つのステージと中央にそびえ立つ負の穴。全てのステージで同時進行に劇は進められていくため、舞台の全体をみることのできる観客は誰もいない。唯一残されたこのヴィデオが公演の全貌を伝えてくれる。」
確かに僕はここに居た。このビデオを借りて見ることのできなかった全貌を見ることにした。


上演の会期が1981年7月2日から7日とある。25年前のコトだ。僕は美術展覧会だけではなく、「芝居」も観ようとする単なる野次馬的な観劇者であった。
パパ・タラフマラの小池さんは、鮮明なる記憶とともに、あの空間に居たことだろう。パンフレットに「百年の孤独」を25年前に舞台化したいと夢見たとあるくらいなのだから。その夢をカンパニーまで結成し、今回実現したワケだけど、芝居と本とどちらが原体験なのだろう。どちらであれ、25年にもおよぶ夢があったこと、そして、それが実現できたことは、すばらし!の一言につきる。そして、それはとても素敵な事だと思う。

Posted by 森司 at 12:20 | 訪問記
2005.12. 4

津軽

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八甲田近くの標高900メールの宿から下山し、ACAC経由で青森県立近代美術館に向かう。


「アレコホール」で始まり、「アレコホール」での宴会(お酒はないけど、蝦蛄やとリンゴもでました)ランチを経て、「アレコホール」で終わった5場面5話の芝居、延べ4時間30分。休憩を含むと計6時間の県民参加のお芝居「津軽」を見る。県民参加、中でも高校生達の熱演が光る。彼らの人生も文化施設の誕生とともに、何らかの変化を受けることになるかも知れない。たぶんなると思うけど、美術館という建物が出来たことが遠因で企画されたプログラムは機能する。文化を象徴する文化施設が存在することでキッカケが生まれ、影響を及ぼす事例がまた誕生することだろう。ハードができるとソフトが欲しくなる。ハードはコンペを経て委託された建築家、青木淳が設計した秀逸な建物が、竣工を終えて開館を待っている。弘前劇場を主宰する劇作家、長谷川孝治は、そのソフトを担う一人となり彼の責任は重くなった。良い仕事を期待しています。「津軽」の公演はあと2回、10日、11日。1回200席ほどのハズ。

太宰役を務めた「山田モモジ」(確か改名し、モモジが正式名称になったのだよね)は、ますます魅力的な良い役者(顔)になってきた(でしょ)。
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弘前劇場の役者さん「山田ももじ」
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観劇後、最終便までは時間があるため、「津軽」を書いた長谷川孝治さんらと一席。時間に追われるようにして皆でタクシーで空港に。機上の人になった途端、熟睡。長谷川さん的に書くと、「ドスン」で目を覚ます。遅れての到着。最終の特急を逃し、各駅停車で深夜帰宅する。

Posted by 森司 at 10:24 | 訪問記
2005.12. 3

空を飛ぶ

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夕方の便で羽田から青森に飛ぶ。その機内窓から上空に広がる雲を撮る。


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雲の下に降りた時には、眼下に白い建築模型のように見える海に面した街が見えた。


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青森空港に着陸した時にはとっぷり日が暮れていた。

ここから宿に向かい、温泉のお湯に浸かる。

明日は6時間、芝居を見る。ランチを入れて5場面5話もの。

Posted by 森司 at 23:47 | 訪問記
2005.11.21

フランス現代美術週間

クルマでの移動中、ラジオで駐日フランス大使の主唱によって開催される、「フランス現代美術週間」について、大使ご自身が語る(宣伝する)のを聞いて、そう言えば、今日のそのレセプションの招待状を受け取っていたことを思い出す。残念なことに都合がつかず伺えない。明日22日から27日の6日間、駐日フランス大使公邸が一般公開されて7作家の作品が展示される。といっても、この間も難しそう。


「フランス現代美術週間」は、都内の都内6つのギャラリー:ギャラリー小柳、ギャラリー五辻、ケンジタキギャラリー/東京、小山登美夫ギャラリー、ミヅマアートギャラリー、ナガイファインアーツとアニエスベー、エルメスジャポン、原美術館の計9箇所でフランス現代アーティストの個展が開催される。コーディネーターは小倉正史氏。

——以下は、フランス大使館ホームページからの引用情報——


ギャラリー小柳  
アネット・メッサージェ Annette Messager
11月22日(火)-12月24日(土) 11:00-19:00 日、月、祝日休み
東京都中央区銀座1-7-5-8F Tel. 03-3561-1896
プレビュー:11月22日 15:00-20:00


ギャラリー五辻  
ロラン・フレクスナー Roland Flexner
11月22日(火)-12月22日(木) 11:00-18:00 (土曜日は17:00まで) 日、月、祝日休み
東京都文京区千駄木1-22-30 ヒルハウス201 Tel. 03-5685-4786
プレビュー:11月22日 15:00-20:00


ケンジタキギャラリー/東京  
ジャン=シャルル・ブレ、Jean-Charles Blais
11月19日(金)-12月24日(金) 12:00-19:00 日、月、祝日休み
東京都新宿区西新宿3-18-2-102 Tel. 03-3378-6051
レセプション:11月22日 17:00-20:00


小山登美夫ギャラリー  
フィリップ・ペロ、Philippe Perrot
11月22日(火)-12月17日(金) 12:00-19:00 日、月、祝日休み
東京都江東区清澄1-3-2ー6F Tel. 03-3642-4090 (注:11月1日以降の新住所)
プレビュー:11月22日 15:00-20:00


ナガイファインアーツ  
ジャン=フランソワ・ブラン、Jean-François Brun
11月22日(火)-12月22日(木) 12:00-18:00 土、日、祝日休み
東京都千代田区永田町2-17-8 千代田ハウスB1 Tel. 03-3593-6288
プレビュー:11月22日 15:00-20:00


ミヅマアートギャラリー  ジャンヌ・スースプルガス、Jeanne Susplugas
11月22日-11月26日(金) 11:00-19:00 日、月、祝日休み
東京都目黒区上目黒1-3-9 藤屋ビル2F Tel. 03-3793-7931
プレビュー:11月22日 15:00-20:00


エルメスジャポン  
フィリップ・ラメット担当のウィンドーディスプレー
Présentation à la Vitrine Maison Hermès, Philippe Ramette
11月17日(木)-2006年1月17日(火) 9:00-24:00 はウインドーがご覧いただけます。
(最終日は19:00終了) 東京都中央区銀座5-4-1 Tel. 03-3569-3611


アニエスベー  
ユーグ・レプ、Hugues Reip
11月24日(木)-2006年1月12日(木) 10:00-18:30(12:30-13:30クローズ) 
休館日:第1土曜日除く土、日、祝と年末年始
レセプション:11月24日19:00−21:00
東京都港区六本木1-8-7 アーク八木ヒルズ7F Tel.03-6229-5850


原美術館 ザ・ホール  
カミーユ・アンロ、Camille Henrot
11月22日(火)-26日(土) 11:00-17:00
および11月30日-12月21日の毎水曜日の18:00−20:00
入館は閉館30分前まで. 月休み(祝日の場合は開館、翌日閉館)
東京都品川区北品川4-7-25 Tel. 03-3445-0651
アーティストトーク: 2005年11月24日(木) 18:00−19:00
入館料: 一般1,000円、大高生700円、小中生500円


ナディッフ (本企画のインフォメーション・センター)
フランス現代美術週間に関連するアーティストのカタログとフランス現代美術に関する書物販売・展示11月15日(火)-12月25日(日) 11:00-20:00 無休 渋谷区神宮前4-9-8-B1 Tel. 03-3403-8814

Posted by 森司 at 21:13 | 訪問記
2005.11. 7

戻る。

23時着で関西から戻る。留守中のメールと郵便とサイトをチェック。メール中に「(応急措置ながら)復旧完了。」のを発見。さらに弘前劇場の長谷川ブログを訪ねると、11月5日号に僕が毎日書いていると驚きの記述発見。急ぎ再開しないと!カメラをカバンから取り出し写真の取り込みをしつつ、先ずは書き出す。


11月3日ブログのシステムに不具合。写真のアップを断念。(今日、アップしました。)
11月4日ブログ休刊。(いつもより早く休めました。今日、つなぎ映像をアップ。)


11月5日
横浜美術館で展覧会を調査後、「横浜トリエンナーレ」を見る。17時から「artscapeのOFF会」。市原さんと村田さんのトークの司会。


11月6日
雨の中の阪神優勝パレードで交通規制のある大阪で、先ずは国立国際美術館「もの派再考」を見て、企画した中井さんとgrafでランチ。13時30分梅田から、中井(彼とは同級生)に渡されたカタログのテキストを読み考えながら草津経由で三雲駅に向かう。15時三雲駅に迎えに来てくれた野田幸江さんと合流し、彼女のアトリエを訪ねる。1時間ほど作品(他)を見せてもらった後、琵琶湖まで送りがてら案内してもらい(途中、「ふなづし」の看板をはじめて見て、「ふなづし」の作り方(米と塩は1:1とか)の話を聞きながら移動する)、本当に琵琶湖の縁に一瞬立ち寄っただけで、近江八幡駅から急ぎ京都に戻り、松井みどりさんとタカノ綾さんと19時に合流。松井さんが予約してくれたいた木屋町のコストパフォーマンスの高いイタリアレストランで美味しい食事をしながら懇談。お腹いっぱい、さらにワインの酔いも手伝って、爆睡のまま22時過ぎに京都から大阪に移動。23時30分、すっかり待たせてしまったログスギャラリーのメンバーと合流。ホテルまで送ってもらいチェックインした後、すかいらーくで2時間ほど彼らのツアー企画に関する相談に乗る。コンビニで水を買い、部屋に戻り、お湯に浸かり27時頃一日を終える。


11月7日
児玉画廊にタクシーで向かう。中ハシ克シゲ個展「On theDay Projects 1999-2004」の最近作—マーシャル諸島ルニット島に存在する核物質を封鎖するコンクリートドームをテーマにした「1st March」は、その作品の背景というか、全貌を知れば知るほど魅了される。彼が「ゼロ戦」から確実に次のステージに(手法は同じながらも)移行したことを予感させる。
それを見せてもらった後、別の場所に展開してもらっていた森千裕作品を見せてもらう。松井さんともろもろ話しながら、お昼に登場予定の森千裕さんを待つ。合流後しばらく懇談してから画廊近くで飲茶の遅めランチ。
その後、児玉さんに誘われ、急遽、松井さんと3人で児玉ギャラリー・プロジェクトの二人の若手作家(野原・田中)のアトリエを訪問することに。淀屋橋から寝川屋市(駅)下車経由、京都(北大路)に移動。若い作家のアトリエ訪問後、京都駅から新幹線に乗り自宅に戻る。


そしてシステムの戻ったブログに書き込んでるのが今。スナップ写真は2泊3日で600枚ちょっと。選んでアップするのは明日(以降)にして今日は休みます。

明日は、作家の半田さんが児玉さんと来館。松井さんと今日相談し確認した第3展示プランでの展示予定場所を見てもらうことになる。

Posted by 森司 at 00:27 | 訪問記 , | 雑記帳
2005.10.31

第39回東京モーターショー2005

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モーターショーにはやはり車で行くのが良いかなと、久しぶりにハンドルを握り、幕張に向かう。その途中、信号停止しているときに目に入ったグラフィティー。天気も良かったので行きは下道でジグザグ走って、要した時間は帰路の高速の倍。


乗車部門と商用車部門とが交互開催だから2年に一度。たぶん今回で4回目のモーターショー
会場の雰囲気は、派手さがなくなり、しっとりゆったり。ストレートに車を見せる、大人っぽい雰囲気を感じたけど、誤解かも。

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Posted by 森司 at 02:18 | 訪問記
2005.10.30

青森・24(トゥエンティーフォー)

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昨夜は着いた時点でもう、薄暗かったので、完成した青森県立美術館の外観は、今日はじめて見る。外装は、白く塗られた手積み煉瓦で覆われている。煉瓦色のままの部分は南側屋外ヤード(トレンチの浮島)分部に設営された奈良美智作品が展示される「八角堂」。写真を写している人物と比較すると、そのスケール感がわかる。


青森県立美術館の建築物としての印象は、帰りの便の席が隣同士だった青木淳さんに直接話す。まとまった感想を文字にするには、ちょっと間がいる。まだ咀嚼仕切れていない。丹念に施設見学すると、3時間で一巡しかできないだけの広さがある。案内してくれた所員君らの「何処見てるかな?気がつくかなチェック!」は、ほぼ満点で通過したようで、個人的にはしっかり見ることができてなによりと思っている。でも、まだ足らない。最初は純粋に対象物として(青木さん)の建物──それを通して青木さんの思考や意図──を見ているのだけど、段々と使う側・管理する側の意識や視点で見始めて(問題が自分のことになってしまっていて)ゲームオーバー。本当に久しぶりにハードな空間を見ました。内部はこんな感じで壁が浮いていたり白壁と土壁が混じり合ったり。堪能しました。見かけのシンプルさがいわゆる幼稚な単純さからのものではなく、まさに大人の熟慮の結果の整理の賜。空間のポテンシャルを最大限に引き出したり使いこなすためには、新しいアプローチ(空間攻略法)を組み立てないといけないかも。まぁ、すべてが初めての経験。たぶん誰にとってもではないだろうか。それは青木さんにとっても。だから、本当に新しい美術館(空間)なのだと思う。竣工直後の真新しさではなくて。

美術館の周りはまだ整備中で、敷地全体の完成はもうしばらく先
開館は2006月7月13日(木)。その場に居たので三村知事出席のフォーラム後のプレス発表も聞いた。新しい美術館の新しい運営方針のお披露目はまだ無かった。


洒落の効いた一幕は、奈良美智作品の命名式。本人からコミッションワーク作品の発表があった。作品名は「あおもり犬」。壇上での本人の弁によるとこれは「秋田犬」とか「土佐犬」とか同じレベルでの命名。愛称は広く公募して決めたい(詳細未定)とのこと。良い味のプレゼンでした。
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コミッションワークの場所は、アレコホールのあるB2レベル。トレンチ(土の壁)に囲われている奈良美智作「あおもり犬」。高さ8.5メートル。


アレコホールは、4層吹き抜け。縦横21メートル、高さ19.5メートル。体感的には正方形のホワイトキューブ。ただしここの床は、三和土(タタキ)。幅14メートル、高さ9メートルのマルク・シャガールアレコ作、バレエ「アレコ」の舞台背景画(1942年作)3点—第1幕「アレコとゼムフィラ」、第2幕「カーニバル」、第4幕「サンクト・ペテルブルグの幻想」—が常設展示される場所。だからアレコホール。*ちなみに残りの第3幕はフィラデルフィア美術館の蔵品。
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アレコホールの壁面の一つがすり下がる。下から見上げると「シアター」空間が姿を現す。


菊池敦己(きくちあつき)氏デザインのシンボールマーク。イメージからは空の「青」。
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青森滞在中の24時間は密度濃く、県美以外の訪問ネタでは先ずはACAC。「秋のアーティスト・イン・レジデンス展—かわりゆく世界で」(10月29日から11月20日)。写真は、ACACのギャラリーAでの展示風景。こちらの設計は安藤忠雄。運営は青森市。
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中西信洋作品<レイヤー・ドローイング>。
これが凄く良い。100枚を一組とした作品で、雲の動く風景を定点で撮影した風景と、森の中を数歩ずつ歩きながら撮影した風景。時間と空間がきれいに作品化されていた。


それ以外にも、空間実験室にももちろん寄ったし、竣工記念シンポジウムにももちろん参加し聴講したし、美味しいものも食べたし、お湯にも浸かったし、長谷川孝治氏とも飲んだし、日沼夫妻にもお世話になった。いつもの一泊二日のありがちな青森滞在だったけど、はじめて青森駅前市場での朝ご飯体験もあったり、新しい発見や動きも見られた。まさに「24」でした。

Posted by 森司 at 01:49 | 訪問記
2005.10.29

青森県立美術館

SA330032001.jpg青森県立美術館・搬入口荷さばき場。(携帯写真)


予定通り、上野の森美術館でポルケ展を見て、青森に向かう。青木事務所スタッフの丁寧な案内で館内を見せてもらい、出口付近に戻ってきた時に上記写真を携帯で撮りメールする。
これから食事会。詳細レポートは明日、戻ってから。とにかく凄い・凄い・凄い。

Posted by 森司 at 01:30 | 訪問記
2005.10.24

平行芸術展最終回

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青い空一面に白い雲が広がる。僕は、青さと白さ共に好きなんだと思う。と同時に日の光も好きなんだと思う。光の美しい街に住みたいと思う。アムステルダムじゃないけど水は必要。いつ訪ねても光の美しさに魅了されるのが青森。それと夏の直島。もちろん盛夏の沖縄は言うまでもない。


本日は、電気系統の点検日で芸術館は終日停電。自宅でミュージアム・マガジン・ドームの「おもしろカタログ、ガイドブック、広報ツール特集」のための原稿を書く。お題は、「日比野克彦の一人万博」の段ボールとボール紙アイテムについて。書き上げてメールして出かける。帰宅してメールチェックするなかに編集長の山本育夫氏から受け取りのメールあり。


そんなわけで、久しぶりに日比野さんの段ボール製の箱ポスターにつてい思いを巡らせた後、東京に向かい、まずは表参道のスパイラルで開催中の「take art collection 2005 美術百貨店」(10月28日から31日)を訪ねる。さすがに手頃な価格で「お、これは欲しい!」と思うような作品は、大旨予約済みで出遅れ感たっぷり。と、その時、見覚えのある段ボール箱。そうなんです。まさにあの箱ポスターに、日比野さんが新たに筆を入れてスペシャル・バージョンとして出品していた。さすがです。
個人的には1点持っている赤崎みまの作品にも惹かれちゃいます。やっぱりいい。是非!


スパイラルを出て、本日の目的地、東京青山小原流会館に向かう。今回で最終回となる「第20回平行芸術展—崩落の記譜法」展が今日から11月5日まで開催され、そのオープニングがあったからだ。出品作家は遠藤利克、黒須信雄、染谷有里可、戸谷成雄、山下香里、横尾忠則。企画はもちろん峯村敏明。2次会まで参加し、終電+タクシーで戻る。2次会では、カラオケ大会のようにマイクがリレーされて皆大いに語る。24年間延べ20回の開催をお祝いするなんとも和気藹々とした会でした。


家には、明後日新聞2005年10月12日号が届いていた。(あれ、気がついちゃったけど、亀ロゴ内は2004年9月号。???)。そう言えばリトルモアの孫さんからの着信が残っていた。(コールバック忘れてた。軽くヤバイ。連絡しなきゃ!)今日1日が、なんとく日比野の日でもあったことを消灯前の今になって気づかされる。

それと明日こそは、カバンにいれて投函し忘れて持ち歩いてしまっている封書もださないと。

Posted by 森司 at 03:03 | 訪問記
2005.10.13

FREITAG F74 BOB

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ワタリウム美術館での「Temporary Immigration」(つかの間の日常に)、10月23日までを見たあと、地下一階でFREITAGのバックを買う。素材はトラックの幌とシートベルト。つまり、リサイクルバック。ちょと大めでショルダーもでき、個人的はかなり気に入っての購入。展覧会とカバンはスイスつながり。この展覧会は、2005年日本国際博覧会スイス公式プログラム。


午前中の早い時間に終える心づもりだった原稿が仕上がらず、予定よりズレこんで東京に向かったため、会期的に先に延ばせる展覧会は見送り、上記展覧会に出かける。

夜は、弘前劇場の登場人物3人だけの「刻印」を観劇。初日打ち上げに参加し、楽しい一時を過ごして戻る。

Posted by 森司 at 02:27 | 訪問記
2005.10.11

浅房山まで2Kmのハイク

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芸術館近くの「ピカドール」の壁。作家名の表示がないから一体誰の作品なの?とモヤモヤとした気分の方は資料図版を参照して、作家の特定をしてみては。


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ギャラリー木葉下(あぼっけ)。茨城県笠間市池野辺1022-2 TEL0296-72-8580


ギャラリー木葉下から浅房山頂上まで全長4キロのコースに11人の作家の作品を点在させた「Beyond the Border from Here」展(10月8日から11月13日まで)の会場を訪ねた。

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写真左:ルートマップ。片道約2キロを1時間ほどかけてあるく。もう気分はトレキング。
写真右:道々の所々に、作品でもある道案内の看板が立つ。北側ルートは鳥ではなく魚の木彫。

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浅房山頂上の神様。
パンフレット掲載の資料(作・槙野ヒサシ)によると、「浅房山は高さ201.1メートル。くれふし山とも呼ばれ、地図には朝房山とあるらしく、水戸の街を流れる桜川の源流。」とのこと。

で、以下はおまけ。
今日の展覧会調査の道案内を喜んで務めてくれた案内犬。名前を聞くのを忘れてしまった。彼のお陰で、歩けたようなものだ。感謝。
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Posted by 森司 at 22:55 2005.10.10

テレビ鑑賞

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「つくばのマンガ家展」(10月3日から10月14日)筑波大学アートギャラリーT+[ティータス]にて。入場無料。


今年、筑波大学から夏の学芸員実習に来ていた学生が、筑波大を卒業したマンガ家の展覧会を企画したとDMをくれたので学祭中の筑波大学に出かけてきた。企画した学生は、高浜?は人気で遠来からも人が来て頂いて、学園開催中と併せての開催ではあるけど、すでに2000超え人の入場者るという。「おじゃる丸」の作者、犬丸りんも筑波大芸術専門学群の卒業生であった。


ここに行く前に茨城県つくば美術館での「十河雅典の世界展」(11月6日まで)を見る。1995年に水戸芸に出していただいた作品「青空」と「絵空事」(今見ても新鮮さを失っていない。イイ作品だったなと再確認する)と感動の再会。


で、テレビ鑑賞。この1週間はテレビ鑑賞が続いている。ブラジル移民をした家族の姉妹の生き別れと再開を5夜連続放送したNHKドラマ「ハルとナツ」を見て、「24(トゥエンティ・フォー)シリーズ3」の深夜の放送を数日に渡り寝れば良いものを起きて見ていた(一番遅かった時は4時だった)。
そして今日は、なんと「太宰治物語・人を喜ばせることこそ至福!天才作家の知られざる明るい素顔と妻だけが知る真実…夫は"人間失格"だったのか?」(あー、なんて長いタイトルなんだろう。)を見る。普段ならたぶん見なかったと思うけど、親しくしていただいている弘前劇場の長谷川孝治氏が、県民参加型演劇として6から7時間の芝居となる「津軽」の本を太宰をベースに書き下ろしている最中で、12月のどこか(といっても3/4/10/11の4公演)のタイミングで観劇(=野次馬的応援)に行かねばと思っていた矢先のこと故だと思う。かなり真面目にテレビ鑑賞をし終えてのブログ書き中。さて、長谷川さんの本はどのように書き上がるだろう、と結構かなり本気で楽しみにしている。

Posted by 森司 at 02:00 | 訪問記
2005.3.19

長谷川孝治

○今日の1点
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会場で配れたプログラム/パンフレットの表紙。本公演は弘前劇場とROGOのダブル公演。二公演とも見たかったけど、都合で僕は「ROGO」の公演を観劇。それはそれで楽しめた。本の枠組みの強さを実感。「二の腕」なることばがあれほどまでに状景描写するものかと驚嘆。


弘前劇場を主宰する長谷川孝治戯曲「F.+2」の東京公演を観るために列車に乗る。偶然、同じ車両に「アーキグラム」展を見に出かけてくれた青木淳さんらに出会う。途中、スカイザバスハウスでの遠藤克利「空洞説」展に寄りつつ、上野から新宿の劇場までご一緒する。


○長谷川孝治戯曲集「弘前劇場の二つの場所」が2003年1月31日に太田出版から刊行されている。
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この戯曲集には
2000年作『冬の入り口』。
1999年作『家には高い木があった』
1997年『F.+2』
1996年『あの川に遠い窓』
の4本が日英で収録されている。


今回のF.+2の観劇で、2000年から6年かかって上記4本全て見た。
2000年作『冬の入り口』は、2000年10月青山円形劇場でこの作品初演を見て、僕は遅れてきた長谷川ファンとなる。ほんとうは今は去ってしまった女優さんに魅了されて弘劇のファンになったのだけどね。長谷川さんとの出会いは、その一月前の9月、名古屋で開催されたトヨタ・アートマネジメント講座の会場が最初で、その時から懇意にさせてもらっている。
1999年作『家には高い木があった』は、2004年2月の東京公演の再演で見た。そして2公演だけだった1997年作『F.+2』を、初演から9年後、つまり05年3月19日の再演で目にできた。この本は、登場人物の内面の狂気をストレートに描いたものとすれば、物語の核心を描かず、その周辺を丹念に描くことで、描写することなく核心部分を描ききる本の雄として、個人的にかなり衝撃を受けたのが1996年作『あの川に遠い窓』だった。脱稿から8年後の03年5月、シアタートラムにて山田辰夫・村田雄浩年による再演を見て感動する。


長谷川さんの例に限らず、人が世に出ることになる作品には、なんとも言えない力がみなぎっているものだ。と最近さまざまな局面で痛感している。100年寿命。時の価値観が変わったとしても通用する、骨太な作品という仕事を仕上げ、ガツンとその名を掲げることに成功した人々の、それを成し遂げたときの仕事は、多かれ少なかれ「100年寿命」という100年の時間のあいだ生き続け、同時に検証され続ける厳しい旅程にあるような気がしている。

そして幸運にも1つ目のその仕事を手にした面々が、2つ目、3つ目の「100年寿命」の作品を手にすることの難しさをも彼らの葛藤を側で目にして感じている。

キュレーターである自分は、新人が1つめの「100年寿命」の作品をものにする瞬間に関わりたいと思う。と同じに、ベテランが複数個目の「100年寿命」の作品を獲得するためのプロセスの一助ができないものかと、かなり厚かましくおこがましいことを考えている。
そしてその企画が「100年寿命」のトライアルに参加てきるレベルの仕事の質をもつようなことがあれば、何と贅沢で幸せなことかと日々思いながら、丁寧に仕事を形にする努力を続けたいと思い行動する自分がある。

Posted by 森司 at 07:56 | 訪問記
2005.1.15

美術・建築

午前中はアート、午後からは建築。
雪にはならなかったけど、雨の降る肌寒い一日だったが、予定どおり行動。
1)東京都現代美術館にて「愛と孤独、そして笑い」(1月15日〜3月21日)をみる。企画した笠原美智子学芸員の視点がビシット通った展覧会。自分としては予定していた時間をオーバーしてじっくり見る。フレームのしっかりした良い展覧会だと思う。
イチハラヒロコさんのコーナーにいったらご本人に遭遇。話を聞いていた活字を使った作品の前で「これだね!」と、しばし懇談。彼女の実家の生業が印刷屋さんで、42、3年間操業して店を閉じたそうで、それに1年365日をかけてでてくる1万6千個の「愛」と「笑」(つまり3万千個)の活字が山と積まれていた。輪転機の廻る音で目を覚ましていたイチハラヒロコの辞書には『孤独』の文字は、そりゃないだろうなと。得心。彼女にしては珍しく立体での作品。なんともかっこいい彫刻作品だこと。同時開催中の「榎倉康二」展を見て、急いで新川に向かう。
写真はそのパーツとなる「愛」と「笑」の活字。この作品のために新たに制作された。
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2)シューゴアーツでの辰野登恵子の個展会場にはフレッシュで力強い魅力的な作品が並ぶ。DMになっていた作品にはすでに赤丸。さすが押さえる人(本気のコレクター)は初動が早い。


日本橋まで移動して、急いで昼食を食べて、横浜に向かう。
3)15日から18日までオープンハウスされるBankART Studio NYKの空間を見るためだ。
日本船舶歴史博物館までは直行するも、目的地の旧日本船舶倉庫、現BankART Studio NYKへのアプローチの入り口をみつけられず雨風の中を彷徨い発見。もう少し先までいって曲がれば良かったのだ。せっかちは損をするね。
オープン記念の「クリエイティブ・コア」によるシンポジムは盛況。
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まさにあいにくの天気の中なのに大勢の聴衆。パネラーは北沢猛(都市デザイナー、東大大学院工学系研究科助教授、横浜市参与、京都府参与)、木下眞男(横浜市都市計画局長)、加藤種男(財団法人横浜市芸術文化振興財団専務理事、アサヒビール株式会社環境社会貢献部服理事)、川口良一(横浜市芸術文化都市創造事業本部長)
会場で久しぶりに村田真さんや福岡の宮本初音さんに会う。シンポジムはNYKギャラリーAを使っていたが、1階のNYKホールの空間はいい。BankARTの名称の由来とでも言うべき、馬車道の旧富士銀行のスペースが新設される東京芸大の映画のための大学院(北野武芸大教授就任とスポーツ紙でも話題になった)の校舎となるため、2年前まで日本郵船歴史資料館だった場所を代替スペースとして横浜市が用意したのだ。HPスタジオの池田さんらが施したリノベーション後の空間は、とても機能的な印象を与え、活動の可能性を予感させるものだった。良い場所がまた誕生した。


1階のNYホール
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2階のNYKギャラリーから対岸の煉瓦倉庫を見たところ。
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4)パーティーもそこそこに、急いで池袋に向かう。ジュンク堂での青木淳氏による出版記念トークショーを聞くためだ。時間ぎりぎりで会場に入ると満席。熱心な聴衆に青木さんの人気度を知る。終わった後、「原っぱと遊園地」を出版した王国社の山岸さんとの食事に混ぜてもらい懇談。

Posted by 森司 at 01:38 | 訪問記
2005.1. 9

大雪警報の青森

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雪に覆われたACAC。一時の晴れ間。ほぼ終日雪が降り続けていた。


夜のうちにたくさん雪が静かに降り続け、窓の外の雪かさが高くなっている。朝の天気予報で大雪警報が青森に出ていることを知る。午後から講義してもらう秋元氏が無事飛んできてたどり着いてくれるのか心配する。午前中の藤さんの講義が終わり、カレーランチの宿泊棟に行くと食事中の秋元さんがいた。

Posted by 森司 at 14:00 | 訪問記
2005.1. 8

寒いけど熱い

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ACAC創作棟・講義室外観


写真は今日から始まるARTizanフォーラムの3日間の会場。安藤忠雄作品のなかでもミニマムな美しさをたたえている建物だと思う。 この右下手には宿泊のためのレジデンス棟がある。
ACACの浜田館長が軽妙な語りでオルタナティブな場としてのレジデンスに求め託することを、そして日沼さんがこの5年間の青森のアートを取り巻く環境の編成について切れ味良く報告した。
う〜ん、青森は熱い。
明日のランチは甘いカレーと辛いカレーのまかないとのこと。
なごやかなうちに初日終了。これから街にでての交流会、つまり宴会だ。

Posted by 森司 at 15:09 | 訪問記
2005.1. 4

8・9・10のフォーラムの告知

4日御用始め。館に頂いていた年賀状を拝読。
午後、ACAC(国際芸術センター青森)の日沼さんから連絡をもらう。今週末は青森。というわけで今日は、1月8・9・10日の3日間かけて開催されるフォーラムの案内掲示板化といたします。僕も関係者なのです。


主催:ARTizan
タイトル:「陸の孤島‘青森’アート・パラダイス化計画」
会場:国際芸術センター青森・創作室、ワークショップスタジオ
参加費:1プログラムにつき500円(資料代)
お申し込み・お問い合わせ:ARTizan事務局 担当:涸沼(090−9423−1009 artizan@fromc.ne.jp)


■日程
8日(土)
プログラム1:午後2時〜3時「なぜ、青森にアーティスト・イン・レジデンスが必要だったのか」発表者:浜田剛爾(ACAC館長)
プログラム2:午後3時30分〜5時「アフターTAM/A 5年間の軌跡〜実践および目撃報告」発表者:日沼禎子(ARTizan、ACAC学芸員)
9日(日)
プログラム3:午前10時〜12時「アートをOSとした社会とは?」講師:藤浩志(アーティスト)
プログラム4:午後2時〜4時「直島にみる、アート・アイランド現象を検証する」講師:秋元雄史(地中美術館館長)
10日(月・祝
プログラム5:午後1時〜4時フォーラム「アート・パラダイス化への課題−滞在、制作、展示」
パネリスト:藤浩志、秋元雄史、日沼禎子 


で、僕は最終日のフォーラムの司会。
ARTizanもNPO harappaも、トヨタ・アートマネジメント講座青森セッション、つまり1999年10月に開催した「TAM/A」の時のネットワークから派生しているともて優秀なアフターTAMな人たちの活動。その火種を持ち込んだ張本人として日沼さんからのお声がけ。
「TAM/ A」の時に野点をお願いした『じんじん』さんも再び今年かなり本格的な仕立てで「野点」を青森市内で展開すると聞く。
5年の歳月の重さを実感する。

Posted by 森司 at 00:43 | 訪問記
2004.12.16

直島

2004年7月に開館した、財団法人直島福武美術館財団が運営する「地中美術館」をやっと訪問。安藤忠雄の設計。これで今年開館した国内の主要美術館は制覇。「地中美術館」にはクロード・モネの「睡蓮」シリーズ5点とウォルター・デ・マリア《タイム/タイムレス/ノー・タイム》、そしてジェームズ・タレル《アフラム》《オープン・フィールド》《オープン・スカイ》の3作品が永久展示されている。タレルの光の粒子が靄がかって見える《オープン・フィールド》は楽しめる。でも一番の作品は安藤建築そのもの。展示空間の中心に位置する三角形の中庭空間はきれい。永久展示の作品群を守る、全貌を地中に埋める、ひんやりとしたコンクリートの要塞は、夏の空の下では違った印象を与えるのかなと思いつつ、気がつくと12時近い。島の反対側の場所で展開する「家プロジェクト」の午前中の開館が13時までだったことを思い出し、慌てて移動。
台風16号でやられてしまった「ぎんざ」は修復中。内藤礼の《このことを》(2001)は見えず。「角家」の宮島達男《時の海'98》(1998)と「南寺」のタレルの《バックサイド・オブ・サ・ムーン》(1999)は再度の見学。2002年の護王神社」杉本博司《アプロプリエイト・プロポーション》は初見。つまり3年ぶりの直島。
お約束の生協のうどんやさんに寄り、自家製の旨いあげの入ったきつねうどんを食してフェリーに乗船。高松港を降りて最寄りの高松城披雲閣ほかを見学し、最終の便で高松空港から戻る。

Posted by 森司 at 02:42 | 訪問記
2004.12.15

香川県

直島の「地中美術館」を訪ねるために、高松空港に降り立つ。今日は、終日香川県側でいくつか観て歩き、島に渡る。ジャパニーズ・モダン「剣持勇とその世界」展が丸亀市猪熊弦一郎現代美術館(MIMOCA)で開催されている。金丸座を見学する琴平経由で向かう。
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ネットで調べた金丸座には柱がある(2001年撮影)。しかし、僕が目にした金丸座には柱がない。耐震補強工事の際に文化庁の指導と許可を得て、柱が邪魔でみづらい座をなくすために撤去したと。保存と修復の難しさを思う。

金丸座を後にして丸亀市猪熊弦一郎現代美術館に向かう。副館長になられている白川氏に御挨拶。2004年11月20日にオープンしたMoMAの新館を手掛けた谷口吉生氏の手によるMIMOCAは1991年竣工。水戸と1年しか違わない割には、きれい。経年のヘタレを感じさせないのにはちょっと感動。彰国社から出ている「エスキス04」を購入。MIMOCAのすべてがまとめられた建築図書で古谷誠章氏の編著。

丸亀から牟礼に移動。イサムノグチ庭園美術館を訪ねる。美術館として開かれてからは初めての訪問。敷地内全てにイサムノグチの息吹を感じることのできるこの空間は貴重。その世界観を守る池田さんらの尽力に脱帽。イサムと言えば、谷口氏の父上との交流が思い出される。

直島に向かうフェリーに乗り込むと、全てを向こう岸に置いてきた気分になる。

Posted by 森司 at 02:51 | 訪問記
2004.12.14

協賛依頼

水戸芸術館の来年度企画事業のための協賛依頼の為に上京。

Posted by 森司 at 03:14 | 訪問記
2004.12.10

展覧会とダンス

新宿からすぐなのにそこまで足を伸ばせず、逃していた展覧会を初台でみる。
1)NTT−ICCでの「明和電機・ナンセンス=マシーンズ」展。11年の活動を一望できる。エーデルワイスの自動演奏を堪能。愛ある世界が展開。ふむ。

2)ヴォルフガング・ティルマンス個展「Freischwimmer」を1階したの東京オペラシティーギャラリーでみる。みんなに「良いぞ!」とさんざん聞かされていた展覧会だけど、噂に違わず良い展覧会。作品がなんとも目にし易い。展示ギャラリーがいつになく広く感じられる。入ってすぐの部屋の《窓/カラヴァッジョ》(1997)や《トマト》(2003)にのっけからパンチを食らわされて脱帽。作品の大小、展示の粗密、さらにそこに漂うみずみずしい感覚だけは会場に足を運び体験しないとわからない。展覧会することの意味を味わう。僕もよくデザインでお世話になる近藤一弥の編集したカタログも良い、鑑賞ガイドも彼らしいまとめかたで判別しやすい。でも、どんなにすてきに編集されてもA4サイズの版形の本におさめられてしまってはわからない作品世界もある。作品のための舞台が展示空間なんだ。わぉー。

3)ビルを一度出て隣の新国立劇場に移動。「Noism04 black ice」の客席に座る。りゅーとぴあ新潟市民芸術文化会館舞踊部門芸術監督の金森穣の東京公演。美術を高嶺格が担当する。休憩を挟んだ3幕公演は「black wind」「black ice」「black garden」と進むにつれて、高嶺ワールドが色濃くでているように見えてしまう。好きだったのは映像を使った「black ice」。へへ。

Posted by 森司 at 10:00 | 訪問記
2004.10. 9

入善+金沢


青木野枝《空の水》


台風22号が接近する中、金沢から1時間ちょっとの所にある、富山県入善町立の下山芸術の森・発電所美術館を初めて訪ね、この8日から12月19日まで開催中の青木野枝展を見る。水力発電所をコンバーションした、とてもマッチョな空間に青木野枝さんの作品が拮抗して存在する。奇をてらったところが何処にもなく、空間と作品が真っ向勝負の気持ち良さに溢れている。


駅に戻ると、既に夕方の戻りの便が欠航していることがわかり、金沢にもう1日留まることにして、再び金沢21世紀美術館に出かける。



黒沢伸の案内でバックヤードを見せてもらう。模型ではじめて展示室の全貌を俯瞰することができる。

Posted by 森司 at 00:31 | 訪問記
2004.10. 8

金沢


市役所前に設置されたイチハラヒロコのカウントダウン・ビルボード。明日9日グランドオープン!


金沢21世紀美術館が明日オープンする。今日8日は関係者オープン。ぞくぞく金沢入り。ほんとうに「めでたし。めでたし。」
これから、あちらこちらで感想やレポートがアップされたり、雑誌に掲載されたりすることだろうけど、「幸せな気分になれる」と言うのが僕の感想。日本にはこれまでなかったタイプの美術館施設であり、建築と一体化したコミッションワーク(恒久設置作品)は気が利いている。なにともあれお祝いです。

Posted by 森司 at 00:16 | 訪問記
2004.10. 7

国立国際美術館


大阪大学医学部跡地に万博公園から移転した国立国際美術館。完全地下型のため、このモニュメントが目印。



看板にあるようにグランドオープンは11月3日。開館記念展は「マルセル・デュシャンと20世紀美術」(〜12月19日)


関西での2日目の作品返却を終え、国立国際美術館に寄る。なんとも広い。
明日は、金沢21世紀美術館のグランドオープンに行く。どんな感じなんだろう。楽しみだ。


自宅にもどると青木淳さんの立派な作品集「COMPLETE WORKS 1 1991-2004」が届いていた。素敵な本をどうもありがとうございます。

Posted by 森司 at 00:06 | 訪問記
2004.10. 6

返却と展覧会

富田林の永井アトリエ



作家アトリエ最寄り路上での荷下ろし作業中。アトリエに向かう途中、遠方に大阪芸大の校舎が見える。



移転して広くなった新アトリエに納まった2体の馬場。


■富田林からなんばに移動。KPO(KIRIN PLAZA OSAKA)で、「アトリエ・ワン『街の使い方』展──小さな家の設計から大きな都市の観察まで」を見る。4階には1/1で再現された「ミニ・ハウスの部屋」。5階には水戸での「植物の家」のビデオも上映されていた。


■なんばから桜の森に移動して、アートコートギャラリーで開催中の野村仁新作展『chroma & chromatic』に行く。とても素敵な個展。綿密に計算された展示とそのために準備された作品。
以下が作家の許可を得て撮影した会場風景。



鶴がスコアーになった《Grus》。演奏がまた素敵。必聴のこと!



大理石に描かれた新作の絵画作品《chromatist painting》



右:野村仁/左:国立国際美術館・中井学芸員


2000年に水戸芸術館で個展をしていただいてからはやいもので4年。堂々の新作を携え沈黙を破っての個展。絵画作品は、メディアを変えての十全な展開。堪能しました。
もちろんこの後、みんなで食事に。

Posted by 森司 at 23:49 | 訪問記
2004.9.26

NAMURA ART MEETING '04-30


クルージング出港前。


岸を離れたボートから名村造船所跡地を臨む。クレーンに吊ら下がるのは直径1.8メートルのミラーボール。


ミラーボール真下に用意された「野外ステージ」。左はゲストとして登壇した土地を提供した千鳥土地株式会社の専務取締役の芝川能一さん。中央が五十嵐太郎さん、向かって右端が椿昇さん。僕もテーマがリノベーションだったこともあり呼び出しがかかり登壇。

「NAMURA ART MEETING ‘04−30」とは、造船所跡地を30年間使う実験なのかな。詳細は、http://www.namura-art.com/

難しいことはとにかく、この日(25日夜)は、大人びた空間でのゆったりしたアートプロジェクトの誕生の場を満喫した。

Posted by 森司 at 02:55 | 訪問記
2004.6. 3

全国美術館会議

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6月3日岐阜多治見の岐阜セラミックパークを会場に全国美術館会議が開催された。

Posted by 森司 at 01:48 | 訪問記