久しぶりに銀座を歩く。上司である逢坂恵理子水戸芸術館芸術監督と午前中、企業協賛を依頼しに某メーカーを訪ね、二人でお願いをする。地下鉄で移動して銀座で監督も教えてもらったと言うご推奨の薬膳の中華を食した後、久しぶりに揃って銀座を歩く。
その一番最初に訪ねたのが、SHISEIDO GALLERYでの「life/ art」'05のPart1、今村源(−12月25日)。本作品だけは写真撮影の許可が出ていてフリーで撮影可能とのこと。
作品のタイトルは「受動性2005−12」(2005)
2週間という会期が惜しい。師走のこの時期、見逃す人も多数でることだろう。でも是非お出かけ下さい。2000年からはじまり今回が最後となる「life/ art」。5人によるグループ展として開催されてきたこのシリーズは、最終回は、作家間の協議により5人によるリレー個展として開催することになったとリーフレットにある。それゆえの2週間なのだろうけど勿体ない。
同じ空間で定点観測的に展覧会をしする試みが功を奏したのだろう、少なくとも遠因にはなっているだろうと思わせる、空間を縦横無尽に使い切った今村源の新作は素晴らしい。ブログだと「素晴らしい」の一言で終わらせてしまえるから良いけれど、本作品の良さを記述するのに僕にはししばらく時間が要る。幸いなことに25日までに再び銀座を訪ねる予定もある。もう一度足を運んで見たいと思う。
しかし、最近は一度で読み取れないことが多く、杉本博司展も2度出かけているし、2度目にも確実に発見があるものだ。ちなみに5人とは、今村源、田中信行、金沢健一、中村政人、須田悦弘。
続いて、HOUSE OF SHISEIDO での「石内都の写真と共に永遠なる薔薇」(−06.01.29)を見せてもらい、ギャラリーなつかに寄り「五十嵐威暢シリーズ展」(−12.22)で、薄いシナベニヤを切り出した「カットアウト」を見る。その中の1点を個人的にとても気に入った。
ギャラリー小柳でアネット・メッサージェ展を見る。
山と積まれた捕らえたネズミの廻りを枕に寝た子猫が4角形にぐるぐる回り続ける作品「長枕のリング2002-2005(L' enclos du traversin 2002-2004)」は、さまざまに解釈のできる間口と奥行きのある意味深い、それでいて視覚的には優しく、なんともチャーミングでシュアーな作品。ユーモラスだけではなく、アイロニーだけでもない、それらが微妙に出たり入ったりするバランスの中にある。視覚的な満腹感と共に、表参道に向かう。
表参道界隈に事務所を構えるデザイナー・カズヤコンドウとは、逢坂監督が担当する次次回展「人間の未来へ—ダークサイドからの逃走」(06.02.25--05.07)の広報物のデザインに関する打ち合わせ。きっちり組み上がったラフ案が用意されていた。相変わらず密度の濃いカズヤコンドウらしいテイストのデザイン。ちなみに出品作家はマグダレーナ・アバカノヴィッチ、フィリップ=ロルカ・デコルシア、アントニー・ゴームリー、橋本公、広河隆一、マイケル・ライト、ジェームス・ナクトウェイ、シリン・ネシャット、オノ・ヨーコ、ユージン・スミス、スゥ・ドーホー、ビリヴィオラ。とがっちり本格派の現代美術展です。
今後の進行の確認をして辞し、ナディフで森村泰昌「卓上のバルコネグロ」展(−06.01.09)を見て、逢坂監督と別れる。監督は18時からの別の場所で会議が2つ入っているとのこと。僕は、ヒビノスペシャルに連絡して、本の進行について確認。制作進行のタイミングがあわず、立ち寄る必要がなくなりフリーとなり、珍しくちょっと早く切り上げて戻る。
歩きとアートという観点でTBさせてもらいました。すばらしいサイトですね。またチェックします。