19世紀末から20世紀初頭にかけて、ヨーロッパを中心に流行したアール・ヌーヴォーは、近代的な生活にふさわしいライフスタイルを創り出すため、過去の装飾様式から脱却し「新しい様式」を求める美術動向でした。ゆえに、建築やインテリア、工芸デザイン、グラフィックデザインなど様々な分野で花開きました。その代表的な芸術家のひとり、エミール・ガレ(1846-1904)は、陶器、ガラス器、家具の3つの分野にわたり、自然を着想源とした装飾性豊かな作品を生み出しました。その作品は、ガレの死から120年を経た現在でも私たちを魅了して止みません。
本展では、ガレのガラス器や家具を中心に、同時代のドーム兄弟やルイ・マジョレル等の作品も交えながら、当館の所蔵作品に個人蔵の作品を加えた80点余りをご覧いただけます。会場にナンシー派美術館をイメージした部屋を展示するとともに、ガレゆかりの都市ナンシーやパリを切り口として制作の背景を探るなど、ガレの装飾美の世界をご堪能いただけます。緑豊かな「エミール・ガレの庭」の散策も併せてお楽しみください。可動展示室では、8つのテーマで当館の多様なコレクションをご紹介。ラウル・デュフィ《大きな花束》や七世大木平蔵製《長刀鉾》を初公開いたします。[美術館サイトより]