青森の教育版画は、今純三をはじめとした郷土の版画家を中心に1930年代から始まりました。その後、1950~90年代の「教育版画運動」の流れを受けて全県に広がり、八戸では、坂本小九郎が市内中学校で教育版画を熱心に指導しました。それらの作品は当館に収蔵され、うち一点は、宮﨑駿監督の映画「魔女の宅急便」の劇中画のモデルとなっています。
本展では、坂本と教育版画の出会いの「種」となった、版画教育に携わった郷土の版画家や県内の教育版画を紹介します。そして、そこから花開いた坂本の教育版画の実践を、初期作品から、集大成となる8 枚の連作と2 m×4mの大作を含む「虹の上をとぶ船」シリーズまで、一堂に展示します。また、毎日18 時~19 時には、作曲家の井川丹による音楽インスタレーションもお楽しみいただけます。
さらに、関連プロジェクトとして、版画をルーツとするアーティストユニット「THE COPY TRAVELERS」が、市内の子どもたちとともに、八戸をテーマに制作した「コピトラとつくる\ココハドコダ!?/パラレルシティ」の成果も展示します。[美術館サイトより]