路上には、自由と邪魔が同居しています

かつて日本には、公界と呼ばれる一定の制度や権力の及ばない自由な空間が存在していました。寺社の門前や宿場町に見られた領域は、移動する人々や芸能を受け入れ、文化や交流を育む装置でもありました。
現代における「路上」は、そうした歴史的空間と完全に重なる訳ではありませんが、所有や統治の枠組みが曖昧で、ときに制度へのレジスタンスによって、路上に自由を見出そうとしてきました。一方で路上は、単に自由や解放の象徴だけではありません。排除の論理によって居心地の悪さや不安定さも抱えています。
本展では、路上をキーワードに紹介可能な作品や歴史的なできごと、さらには言説をふくめ、現代においてますます複雑になる公共性がもつ課題を考えます。
本展の開催は、1986年に発足した「路上観察学会」の創設40周年も契機としています。[美術館サイトより]