風景の断片を日常の中から収集し、印刷や複製の過程においてコピーとエラーを繰り返すことで生じた、新たな風景の平面作品を制作しています。プリントとリアルの違いを弄ぶように印刷することで、ズレを認めることができます。例えば、Photoshopでデータを処理する際、Ctrl+X(カット)した後に残る微細なエッジの線を極大化した状態のような、家電量販店にある大きくガビガビとした風景の壁紙のような。
本展では、印刷物や壁紙が写った写真の印刷を繰り返すことによる、その低解像度のズレに着目します。作品と、その背景や余白を含む「壁紙」との縮尺などの違いから再認識したいと思います。

作家


本企画では、相対的な様相と向き合うために、印刷や複製の過程に含まれる作為や、縮尺・配置のズレに注目してみます。

熊間では、藁や床を敷き、ラスを剥がし、ポリカに跡を残すなど、出展者との協働の中で表層に手を加えてきました。作為・無作為を問わず、設えや、歴史、書式などとの相対的な関係の中で、目の前の物事を作品として、あるいは背景として、どのように認識してきたのかを問い直す契機となっていました。熊間における作品と表層の捉え方には、常に錯綜が伴っていました。
みなさんと揺れ動く認識を共有しながら、ズレも手がかりに、ピントがあう部分を模索していけましたら幸いです。

家主

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出展作家:陸 瑋妮(Lu Weini)

協同(構想・空間):itou

会期:
2025年2月8日(土) – 3月9日(日)
13:00 – 19:00
※​​金土日祝のみ

会場:
熊間(京都市中京区西ノ京西月光町18-7)
JR・地下鉄東西線「二条駅」より徒歩8分