【広重は1人ではない。じつは5人いる】ことをご存知でしょうか?
 「東海道五十三次」「名所江戸百景」などの大ヒット作をうみ出し、名所風景画の絵師として一時代を築いた歌川広重。初代広重が亡くなったあと、周囲あるいは世間は偉大な名跡を継承する者を求めました。そしてその名は、初代の高弟であった重宣(二代)、重政(三代)へと引き継がれ、その後も縁あって菊池貴一郎(四代)、その次男寅三(五代)へと続いたのです。5人の広重は、幕末〜明治〜大正〜昭和という社会の大きな流れの中で、それぞれが生きた時代を描き残しました。
 本展では、代々の広重の略歴と画業を概観しつつ、浮世絵を通して時代が移り変わる様子をみていきます。