1924年オランダのアムステルダムに生まれたヨハン・アルデンドルフは、第二次大戦後にヨーロッパ各地を放浪し、南仏のカーニュ・シュール・メールに移り住んで、作家活動を行っていました。コンテ鉛筆の線描のみで緻密に描かれたモノクロームの画面では、憂いを帯びた表情の人々や動物、独特のモチーフが幻想的な世界をくり広げています。
彼の作品の多くは個人の愛好家が所有しているため、本学で所蔵するコレクションは他に例のない貴重なものです。これらは本学写真学科で学科長を務めた写真家の故岩宮武二教授および、本学短期大学部デザイン美術科で学科長を務めたデザイナーの故大高猛教授が、生前にアルデンドルフの魅力に惹かれて収集したものです。一昨年度と昨年度あらたに12点の寄贈があり、作品は全49点になりました。本展では、これら新収蔵作品とあわせて全作品をご覧いただきます。
アルデンドルフが単色で描き出す、不思議な世界をご堪能ください。

※本展のポスター、チラシはデザイン学科4年 阪田麻唯世がデザインしました。