英国では1760年代に即位したジョージ3世と王妃シャーロットの治世に、世界各地の植物収集や国内の庭園整備などを王室が支援したことで、植物学が大いに隆盛しました。それに伴い、貴族や新興市民がパトロンとなって美しい植物図譜が次々と刊行され、植物画(ボタニカルアート)が発展しました。

本展では、1787年創刊の『カーティス・ボタニカル・マガジン』をはじめ、科学と芸術が融合したボタニカルアートを様々なテーマでお楽しみいただきます。一方、王妃は1759年に創業したウェッジウッド社を庇護したことでも知られます。クイーンズウェアの称号を与えられたクリームウェアや、ジャスパーウェアの名品を中心とする美しい陶磁器もあわせて展示し、18世紀から19世紀にかけて大きく発展した英国の一面をたどります。

富山藩で制作された植物図譜の貴重書や石崎光瑤の描いた高山植物のスケッチなど、富山ならではの小展示も行います。